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« 若の井酒造には驚きの復活ドラマがありました。 | トップページ | 藤平酒造はまだまだ進化する蔵だと思います »

2018年7月18日 (水)

東灘醸造の蔵は古いけど新しさが見えます

5月半ばのことですが、千葉県の勝浦にある東灘醸造の蔵見学して来ました。東灘醸造のお酒をはっきり知ったのは2014年の秋に大塚の木の字で行われた東灘のお酒を楽しむ会に参加してからです。その会には社長の君塚敦さんと杜氏の中島行一さんが参加されていて、お酒造りの色々なお話を聞くことが出来ましたので、ブログにまとめてあります。興味のある方は下記のURLをクリックしてください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-d79b.html 

この記事の中で蔵の杜氏のことで、ちょっと間違っているところがありますので、訂正しておきます。それは前々杜氏の辻村勝俊さんを辻村勝利と書いてしまったり、辻村さんが田酒の杜氏だったような書きぶりでしたが、正確には東灘をやめて田酒の杜氏になって、今では千両男山の杜氏をされているようです。東灘醸造が田酒の杜氏を育てたことになりますから、それは凄いことですよね。

今回東灘酒造を訪ねたかというと、たまたま御宿の宿で大学時代の友人がゴルフをするために集まることになったので、僕は勝浦の東灘を訪問してから、その蔵のお酒を買って同期の会に押しかけようと思ったからです。 

東灘醸造は勝浦駅から国道に沿って南で20分ほど歩いたところにありました。その日は天気が良かったので、歩いていきましたがなかなか見つかりません。下の写真のような海辺を歩いていくとこの写真の奥に見える高速道路の奥にあるの丘のふもとにあるようでした。 

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高速度道路の下をくぐり抜けた道に入ると遠くに東灘醸造の看板を見つけました。 

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この看板の所を右に折れるといよいよ入り口ですが、写真に見える線路はJR外房線で、この通路を通らないと蔵には行けません。この通路がこの蔵の改築を色々と邪魔していることを後でお聞きました。 

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いよいよ蔵の入り口です。奥はとても広そうな蔵のようです。 

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下の写真が蔵の全景ですが、醸造している蔵は手前の白い建屋の奥の薄茶色い2階だての建屋の奥にあるので、ここからはよく見えません。薄茶色い建物は前社長が蔵の導線を改善するために作った鉄骨プレハブ造りのようで、奥の蔵は土壁造りの大正時代の建屋で、それが一体化しているのが特徴です。

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蔵の案内は社長の君塚敦さんにしていただきました。君塚さんは明治大学微生物化学卒業ですから、純粋の技術屋さんですか酒造りは蔵に戻ってから学んだそうです。現在の生産量は200石ぐらいで6割が首都圏向けの鳴海(なるか)で、地元向けの東灘は4割だそうです。ですから造りは君塚社長と中島杜氏と若手の臨時蔵人の女性の3人と地元のお年寄りのアルバイトだけだそうです。 石高は少ないけど少しづつ名前は知られるようになってきましたねと笑っていました

水場の説明をしている社長をパチリ。中々素敵な社長でしょう! 

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<蔵の内部の紹介>

蔵の仕込み水は湧水をろ過して使っているそうで、写真のように中硬水が湧き出ています。この地帯は昔は海底だったのが隆起したので、軟水にはならないそうです。 

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この蔵の特徴は洗米、蒸しなどの水回りが2階にあることです。ですから洗米して蒸したお米は乾燥してすぐに麹室や酒母室や仕込み室に持っていくことが出来るので造りのための導線を良く考えて造られていました。これを考えたのは先代の社長だそうで、当時としては画期的な考えではなかったかなと思います。 

この場所か洗米・浸漬をするところです。結構広いです。 

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ここが甑のあるフロアで水場の隣にあります。この装置が甑を載せる蒸気発生器で、周りには作業ための手造りの器具がついていました。 

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蒸し米はすぐの放冷機にかけられ冷却されます。この放冷機にはいろいろな工夫がされていました。後で紹介します。 

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このフロアには3年前にに張り替えた麹室が置かれていました。ちょど室の消毒(ホルマリン蒸気)が終わったところなので中には入れませんでしたが、1室しかないので、隣にもう1室造りたいといわれていました。2室無いと麹造りが難しいのは知っていましたが、1室しかない蔵も多いのは事実です。でも場所的には十分可能なようです。音調は温調線を使っているそうで、張替の時に麹室用の温調線メーカーを探したけどなくて、温室用のメーカーのものを使ったそうですが、全く問題なく動いたそうです。 

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この蔵は大正時代の造りで今では何に使っているのかわからない滑車のようなものが残っていました。屋根には断熱用の土が厚く盛られているので、地震が来たら怖いと心配されていました。

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酒母室も同じフロアにありますが、ここは温度を下げるための冷風機がついていますが、ビニールを壁とした簡単な手作りの部屋になっていました。この時期は物置として使っているようです。 

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酒母室の右上には何か不思議なものが見えますね、。もっと近づいてみましょう。 

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酒母室の前面の上の方に冷風機があるようで、その冷風を放冷機と酒母室の両方で使えるようにするための切り替え装置のようです。普段は酒母室で使っていて、放冷機の冷却が効率が悪くなった時に切り替えて使うようです。 

その下の床はどうなっているのでしょうか。実はこの床の下の1階が仕込み室になっています。よく見てみましょう。床に四角い枠が見えますね。ここの床を開ければ仕込みタンクに原料(酒母や蒸米)を簡単に落とし込むことが出来るそうです。確かにこういう造りをしている蔵はありますが、古い昔ながらの蔵で、水回りも2階に持ってきている蔵を見たのは初めてです。これはいいアイデアです、。 

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では1階の仕込み室に行ってみましょう。手前が仕込みタンクで奥に貯蔵タンクがあり、ここにも冷却FAN が取り付けられていました。 

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反対側から仕込みタンクを見てみましょう 

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6000Lクラスの解放タンクが7基と小ぶりの密閉タンクが2基見えますが、この蔵の生産量から考えると6000Lのタンクは大きすぎるので、最近一番外側の2本を小型タンクに切り替えたそうです。でも、それは大変な作業だったそうです。それは線路の通路が狭すぎて大型タンクは運び出せないので現場で切り刻んで出したからだそうです。そうしてできたタンクが下の写真です。大きさは2000Lで、600㎏仕込みタンクとして使っているそうです。だいぶ大きさが違いますね。 

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隣のタンクも切り刻んで出したらとお聞きしたら、足場の撤去など大工事になるのでなかなか難しいとのことでした。 

貯蔵タンクは現在ほとんど瓶貯蔵なのであまり使っていなくて、醸造用アルコールタンクとか仕込み水のタンクとして使っているようです。作業用の床はなく昔からの足場造りでした。 

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昔からの大型の貯蔵タンクの部屋もありましたが、ほとんど使っておらず、ここを貯蔵用の冷蔵庫にしたいと言われていました。確かにそうですね。でも資金が必要ですね。 

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搾りは槽搾り機もありましたが、ちょっと古いタイプで今は全く使っていないそうです。 

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搾りはこの薮田でおこなっているそうで、鳴海の直汲みもこの薮田に瓶詰め器を直結してやっているそうです。

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鳴海はほとんど生で出しているそうですが、火入れするお酒は中央のレイメイ回転式充填機で瓶に詰めたのちに、奥にある円形の湯煎機で加温した後、一番手前の箱型のシャワー装置を通して冷却するそうです。なかなかコンパクトで良いですね。でもちょっと手がかかりそうですが。 

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以上で蔵の様子の説明は終わりますが、全体を通してみると、新しい設備が導入されているわけではなく、古い蔵をうまく利用しながら少しずつ改善して使っていることがよくわかりました。もうちょっと改善していけば、このままでも500石の生産は十分可能なことが判りました。 

<試飲したお酒の紹介> 

試飲室に入ると過去に表彰された賞状がずらりと縄んでいました。こんなに立派な過去と持った蔵なのだということを初めて知りました。 

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この写真委は写っていませんが、今年全国新酒鑑評会で見事金賞を取っています。最近は大吟醸を造ることは少なく、3年ぶりに作って出したら金賞になったそうです。それだけ、中島杜氏の腕が上がったたということでしょう。中島杜氏は最近結婚されて、近くに住んでいるとのことでした。これも腕を上げた理由なのかもしれません 

この蔵は生産量が200石足らずですが、造っている銘柄は下の写真のようにとても多いのです。写真で見る限り25~26種類ありそうですが、これでも全部ではないそうです。 

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この中の鳴海(なるか)シリーズを試飲させていただきました。 

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左から示しますが、日本酒度の表示は瓶の裏ラベルにはかいてありますが、写真を取っていませんので、少し怪しい数字です。また、この蔵のお酒は同じ銘柄でも年によって酒質は少し変わるようです。 

1.鳴海 特別純米 ふさこがね60%精米
   日本酒度+2.0、、酸度2.0、ALC17%、酵母18号と9号のブレンド 

2.鳴海 特別純米 五百万石60%精米
  日本酒度+2、酸度2.0、ALC17% 

3.鳴海 純米吟醸 雄町55%精米
  日本酒度-4、酸度1.7、ALC15%、酵母M310 

4.鳴海 純米吟醸 雄町薄にごり55%精米
  このお酒は3番のお酒の荒走りと責めをブレンドしたものです。 

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5.鳴海 純米吟醸 山田錦50%精米
  日本酒度+4、酸度1.6、ALC16% 

6.東灘 アクチバ 五百万石60%精米
  日本酒度非公開、酸度非公開、ALC16~17%、酵母9号 

このお酒は東灘と福祝と木戸泉が同じ畑のお米を共同で田植えをして造った五百万石を使って造った特別純米酒で、各蔵の酒の違いを楽しもうという「千葉県日本酒活性化プロジェクト」の一環としてできたお酒です。 

7.鳴海の風 五百万石60%精米 夏酒
  日本酒度+5、酸度1.9、ALC17% 酵母は18号と9号のブレンド 

このお酒は2番のお酒と同じような酒質ですが、夏酒を狙って、日本酒度を+5にしてよりドライにしているようです。しっかりした味わいだけどドライな面白い夏酒でした。 

8.鳴海 VIRGINITY 白麹造り
  日本酒度-8、酸度3.9、ALC15度で、要は甘酸っぱいお酒でした。 

一つ一つのお酒の印象は述べませんが、鳴海の特徴はほとんど生酒の原酒で、日本酒度はややプラスの酒が多いけど、しっかり米の旨みを出しながら、酸で切っていくと同時に炭酸ガスを残していますので、シュワシュワ感を楽しめるお酒でした 

ただ雄町だけは甘めに作っていますが、酸できちっと切ってくれるのであまり甘くは感じません。でも雄町らしい余韻を感じるバランスにしてもらいたかった気がします。 

以上で試飲した結果を終わりますが、最後に面白いお話を聞きました。鳴海の酒は直汲みの生原酒を基本としているとのことですが、アルコール度数の違うお酒がある理由をお聞きすると、直汲みなので搾る段階でアルコール度数を決めておかなくてはいけないので、醪の段階で水を加えるそうですが、それは原酒と言って良いそうです。確かにに醪の発酵を整えるために水を入れることを追水と言いますが、この場合も原酒と言って慰安すね。それと同じですよね。加水という作業は絞ったお酒に水を入れてアルコール濃度を下げる場合にいうようです。絞ったお酒に1%以内の加水の場合は原酒と言えるそうです。日本酒の定義は難しい。

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