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2018年7月 4日 (水)

若の井酒造には驚きの復活ドラマがありました。

5月のことですが、大塚の木の字で若の井酒造の蔵元の大沼秀和さんをお呼びしての日本酒の会がありましたので、参加しました。僕が若の井酒造を知ったのは今年の3月に米沢で行われた置賜地区の地酒サミットに参加した時ですが、その時はたまたま蔵元さんには会えなかったので、蔵の紹介もしていません。ただ置賜地区の5人の蔵元杜氏が集まってできた5蔵会の一人だったことは知っていました。木の字の会の主催者の一人である大塚の地酒屋こだまの武さんがFACEBOOKにちょっとだけこの会の案内を出したのを見て、若の井酒造の酒をこだまさんが扱っていることを初めて知って、驚いて参加したというわけです。
 
置賜地区の地酒サミットについてはブログにまとめてありますので、興味があったら読んでみてください。 
 
若の井酒造は米沢市から出ている長井線の南長井の駅から西へ2㎞程行った飯豊町(いいでまち)にあります。この地は田んぼの中に家が点在しているようなところで、米は豊富に取れるのではないかと思われますが、冬はとても雪深い地のようです。創業は明治33年のようですが、この村の鎮守様の若宮八幡宮のそばを流れていた野川の下流で井戸を掘ったところ奇麗な清水が湧き出てきて、これが酒造りによく合う水質だったことから「若の井酒造」と名を付けたようです。
 
<大沼秀和が杜氏になった経緯>

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今までこの蔵がどのような経緯で今に至っているかはよくわかりませんが、大沼秀和がどうやってこの蔵の杜氏になったかについては、驚きの経緯がありますので、それを紹介しましょう。
 
大沼さんの出身地はよくわかりませんが山形市ではないかと思います。小さい時からスキーが好きで、スキーをやりたいために、高校を卒業後、蔵王の旅館に親父のコネで就職することになります。写真でもお分かりのように、柔道をやっているような体格をしているのですが、スキーは自分に合わないと1年ほどでやめて、スノーボードにのめり込みます。その体格を生かしたスノーボークロスが得意のようで、随分活躍していたそうです。
 
そんな時に一つ年下の女の子がこの旅館に入社してきます。そこ方が奥様の優子さんです。優子さんとは20歳の時からお付き合いし、24才で結婚されます。ですから夫婦で旅館に勤めながら楽しい生活送られていたその時に事件が起きます
 
優子さんの実家が若の井酒造で、その当主である父が病気のため余命4年と言われて、後継者を探したけど、誰もいないのでその白羽の矢が大沼夫妻に当たることになります。当然秀和さんは酒造りのことは全くわからないけど、蔵には秋田から山内杜氏が来ていたので、蔵に戻っても何もしなくていいという条件で蔵に行くことになります。その時は秀和さんは30才、2001年のことです。 
 
蔵に入ってから判ったのは蔵の経営が相当まずい状態にあることが判ります。蔵に入った時から専務取締役でしたので、義父からは酒造りはすべてお前に任すと丸投げだったそうです。まもなく義父が無くなり、蔵にいた山内杜氏はすでに高齢でしたが、10年は努めるという約束でやっていただき、杜氏が辞めた後は蔵で杜氏の下で働いていた頭に、後を任せることになります。ところが新しい杜氏になって2造り目の冬(25BY)に突然造りをやめてこなくなると事件が起きます。

その時秀和さんは42才ですが、蔵の手伝いをしていましたが専門知識はないので、他の蔵人に杜氏をやる気があるかどうかを聞いても誰も引き受け手がないことから、どうせ蔵の責任は自分でとらなくてはいけないので、僕がどうにかしようと杜氏を引きうけることになります。杜氏を引き受けたからには蔵人には聞けないので、秋田に戻った前杜氏に毎日のように電話をして教えを請いながら蔵人に指示することになります。

最初の造りは何とか切り抜け、2年目の造り(26BY)の前には前杜氏に来てもらい、造りの全体スケジュールを造るなどしてがむしゃらに働いたそうです。ですから自分の造りとしては今年の造りで(29BY)4年目の造りになります。頑張ったせいか、27BYの特別純米えびす寿がワイングラスでおいしい日本酒アワード2016で最高金賞を取ることができたそうです。でもそれからは何も賞を取っていないですよと笑っておっしゃっていました。現在の生産高は約400石位だそうです。

ですから今では蔵の杜氏として活躍されており、今年47才で代表取締役社長になられたと聞きましたが、業界ニュースでは確認できませんでした。
 
<地酒屋こだまさんとの関係> 
 
下の写真の左から地酒屋こだまのさん、若の井酒造の大沼さん、主催者のZENさんです。
 
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元々若の井酒造と親しかったのは日本酒好きなサラリーマンのZENさんで、たまたま長野県で行われた日本酒の会で山形県の若の井酒造を知り、この酒がすごく気に入って若の井のお酒を広くPRすることを思いついたそうです。若の井酒造のお酒は色々な食事に合わせられるので、その特徴を生かして大塚の木の字のお料理と合わせる会を初めて開催したのが7年前のことだそうです。ですから当時はまだ大沼さんが杜氏になっていない時で、若の井酒造の前杜氏がお酒を造っていた時代と思われます。
 
ZENさんは10年ぐらい前からこだまさんとは友達で、ZENさんがこの会をやっているのをこだまさんが知り、この会に参加したのがこだまさんが若の井酒造を知ったきっかけです。その後、ZENさんからこだまさんに若の井酒造のお酒を扱ってくれるように頼まれたのが、ちょうど大沼さんが杜氏を引き受けたころと思われます。その当時のお酒はこだまさんとしては、食中酒としては面白いものを持っているものの、まだちょっと物足らないお酒だと思いましたが、これからもこの味をさらに深める努力をする大沼さんの思いを感じたので、取り扱いをすることにしたそうです。最近になって、努力の成果が出て酒のバランスが良くなってきたので、若の井酒造のお酒を広く知ってもらうために、今年初めてZENさんとコラボをしてこの会を開いたそうです。どんなお酒になったのでしょうね。後でご紹介することにします。
 
<置賜お蔵の会について>
 
置賜の5蔵の会は置賜地区には若手の蔵元杜氏が酒造りをしている蔵が5蔵あるので、このメンバーが集まってPR活動をすれば、酒のPRだけでなく、地域の観光にも貢献できるということで、この5蔵と飲食店や酒販店有志が集まって2013年に発足した会です。参加蔵の蔵元は以下の通りです。
 
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・ 加茂川酒造    鈴木一成  
・ 鈴木酒造長井蔵 鈴木大介  
・ 若の井酒造    大沼秀和  
・ 中沖酒造     高橋義孝  
・ 長沼酒造     長沼伸行
 
どんな活動をしているかというと、酒蔵を地域資源と位置づけ、地域内外から誘客し通年で燗交流ができる仕掛け造りを慕いますが、5蔵が協力して純米吟醸日本酒セットを出しています。第1段は2016年に出したもので、お米の酒類、精米度、麹菌、酵母、仕込みスケジュールをまったく同じにしたお酒で、違うのは水だけという「伍連者(ごれんじゃ)」を出しました。第2弾としては2018年に出したもので、各蔵ごとに酒母を変えたお酒セットを出しました。加茂川が生酛、若の井が速醸酛、中沖が長期酛、長沼が中温酛、鈴木が山廃元を担当したそうです。どんなお酒ができたのでしょうね。でも首都圏にはそんな情報はあまり入ってこないけど、地方活性には役に立っているのでしょう。
 
<飲んだお酒の紹介>
 
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1.大吟醸 雪女神 29BY 

Dsc00621このお酒は出品酒を目指して造ったお酒で、去年までは兵庫県産の山田錦を使っていましたが、他のお酒の米はすべて山形県産なので、今年から雪女神を採用してALL山形県産のお米としたそうです。
 
雪女神は山形県初の大吟醸向けに開発された酒造好適ましで、父親が蔵の華、母親が出羽の里をかけ合わせてできたお米で、短稈で耐倒伏性の強いけど、心白は小さいが心白発現率が高く、高精米に向いているので、大吟醸向きと言われています。最近は雪女神金賞を追っている蔵も多くなっています。
 
この雪女神を35%精米した大吟醸ですが、確かにきれいに仕上がっていましたが、僕としてはもう一つだったかな。
 
2.純米吟醸 華丸 29BY

Dsc00622このお酒は出羽燦燦50%精米の純米吟醸で、原酒に割り水してアルコール濃度を15%にしています。
飲んでみると香りはあまり強くなく、軽い甘みを感じるけど全体的には透明感のある飲みやすいお酒でした。僕にはちょっと物足りなかったかな。
このお酒もそうですが、この蔵のお酒の純米吟醸と特別純米は雪室で貯蔵しています。飯豊町の雪室は体育館の大きさの建物の中にお酒や農産物などの商品を貯蔵する部屋があって、その間に雪をびっしり詰め込む構造をしているそうです。
山形県では色々なところで、雪室を造って貯蔵することを奨励しているようです。雪室は単に雪で冷やすだけではなく湿度を高く保てるのが特徴で、農産物の鮮度を保ちながら保存ができる長所があるようです。
 
3.特別純米 春宝 生酒  
4.特別純米 春宝 28BY 常温熟成 by ZEN 
 
Dsc00637この蔵の特別純米は美山錦60%精米ですが、季節に応じてその時期に合わせたお酒にして出荷しています。春に出すお酒は生酒で、春宝と呼んでいます。
特別純米は季節によって造りを少し変えているようですが、基本的な酒質は日本酒度は+0~4、酸度1.4、アミノ酸度1.4、アルコール度数が15度です。
 
飲んでみると穏やかな香りと少しだけ甘さを感じる飲み口ですが、柔らかな甘みと酸とのバランスが良く、アミノ酸が1.4もあるので、うま味を感じるけど奇麗に消えていきます。春宝は生酒なので澱の甘みと爽やかさが重なって、ちょっと華やかさを感じる仕上がりになっていました。これは良いです。
 
4番のお酒は生酒を常温で1年間保存したお酒なので、飲んでみると熟成の香りは出ていますが、それほど強くありません。たぶん腰が強い酒なので、常温でも熟成が進まないものと思われますが、でも折角の新鮮さがになくなっているので、僕は春宝は常温熟成させない方が好きですね。

5.特別純米 夏宝 28BY 常温熟成 by こだま 
 
Dsc00631この夏宝は春宝と同じ美山錦60%精米ですが、生のまま夏まで瓶貯蔵し、出荷する前に1回火入れしたお酒ですが、そのお酒を地酒屋こだまで1年熟成したお酒です。
従ってやはり熟成香を感じるし、春宝の1年熟成酒よりちょっと辛さを感じました。僕としては29BYを飲んでみたかったけど、この時点ではまだ発売前だったので、28BYの低温熟成を飲んでみたかったです。
この蔵のお酒のラベルはちょっと凝っていて、ラベルが紙製ではなくて布製なのです。ですから機械張りは出来ないので手がかかるけど、少し高級感を出すためにやっているそうです。ラベルの色でお酒の種類はわかるけど、表のラベルに生か火入れかの表示がないので、これは消費者に対して不親切だと思いました。
 
6.特別純米 秋宝 28BY 常温熟成 by こだま

Dsc00629秋宝は春に出来たお酒を2回火入れして瓶詰めしたお酒を雪室で秋まで貯蔵したお酒だそうです。ラベルが赤いのが特徴です。
今回飲んだのはこだまでさらに1年間常温熟成したお酒なので、普通の秋宝とは違うと思います。今回の飲んだお酒は結構酸味を感じましたが、どうしてかはわかりません。
 
僕は常温熟成していないお酒を飲みたかったです。それは蔵としては蔵独自の火入れのタイミングや雪室での熟成の仕方で味をコントロールしていると思うので、それを1年常温熟成させると違ったものになると思うからです。。
 
販売店の考えで、熟成させることはそれ自体は問題ないと思いますが、蔵の味を伝えるという観点からは熟成させないお酒も比較して飲ませた方が良いと考えます。 

7.特別純米 冬宝 27BY 常温熟成 byこだま  
8、特別純米 冬宝 26BY 常温熟成 byこだま 
 
Dsc00640冬宝は火入れしたお酒を雪室で約2年間熟成させたお酒を言うそうです。従って28BYが今年の冬に出荷されることになりますので、7番のお酒は27BYのお酒をこだまで半年常温熟成したものになります。
 
7番のお酒は酸が柔らかいお酒になっていましたが、8番の酒は意外とジューシーで熟成の香りは意外と強くありませんでした。熟成酒は熟成の仕方で変わるので、難しいですね。
 
9.特別純米 出羽の里 火入れ 29BY
 
このお酒は写真がないので言葉だけの説明になります。出羽の里は山形県で開発した出羽燦燦を父に持ち、耐冷性に強い吟吹雪を母に持つ酒造好適米で、心白が大きく高精米には向かないと言われています。
 
逆に低精米でもいいお酒ができやすく、酸が出にくいので良いお酒ができやすいそうですが、このお酒は60%精米の純米酒で、あたりも柔らかく程よい透明感があり飲みやすいお酒でした。
 
10.本醸造 生酒 29BY 
11、そのまんま 生原酒 28BY 
 
Dsc0064610番のお酒は大沼さんが毎日晩酌用として飲んでいる手汲みの生酒で市販していないお酒だそうです。
お米は一般米60%精米を使った本醸造なので約10%の醸造読アルコールが入っていますが、それを火入れしない搾りだて生のままで瓶詰めしたお酒です。
飲んでみると旨みもありバランスもとてもおいしいお酒でした。こだまさん手に入らないかな。今回のお気に入りの一つです。
11番のお酒も生酒ですが、地元しか売っていない酒で、その一般米を使った純米酒ではないかと思われますが、中身はよくわかりませんが、うまい酒でした。
以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、全体を通して感じたことを述べてみます。
この蔵のお酒はアルコール度数は15度と少し抑え気味にして飲みやすさを優先しており、香りも酸もあまり出さないので、すっと飲めてしまうお酒なのですが、アミノ酸が少し多めなので味わjは壽分に感じられるけど切れがあるので、食中酒に向いていると感じました。 
大沼さんの考えで筋が通おっているのは、お酒は造るタイミングでも変わるし、タンクでも変わるけど、その一つ一つの味わいをきちっと知ってもらいたいと考えていることで、同じお米の特別純米を色々な形で飲んでもらおうという考えはとても共感で切る考え方出す。
だからこそ、常温熟成ではなく、蔵の造ったお酒そのものを味わってみたかったと思っています.。

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