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2017年10月29日 (日)

万齢と福祝の蔵元の会はとても楽しかったよ

先月錦糸町のある居酒屋の「だれやめ」で、万齢を醸している小松酒造の社長小松大祐さんと福祝を醸している藤平酒造の常務取締役の藤平淳三さんをお呼びしての会が開かれましたので、参加してきました。 

この会は僕の酒飲み友達のお誘いで行ってきたのですが、「だれやめ」というお店は知らなかったけど、こじんまりとしたお店と聞いていましたが、2蔵もお呼びするのはなかなかできないことで、どんなお店なのか興味津々でお邪魔しました。お店は錦糸町の南口から南へ歩いて3分の所にありました。 

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お邪魔して驚きました。本当に小さなお店でカウンタと奥の小さな部屋でたった10人程度しか入らないこじっまりの店ですが、大変こだわりうを感じるお店でした。店長は福永健太さんで、大学を卒業後、宮内庁御用達の料理師会とかよろずや料理師会などの修業をされ、現在のお店「小さな蔵だれやめ」を持ったそうです。だれやめとは鹿児島弁で晩酌をするという意味だそうです。「小さな蔵」と銘打つだけあって、色々な蔵とのつながりがあるようで、この会も10回目を迎えたそうです。凄いところに来たな・・・ 

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この方が店長の福永さんです。にこやかのお顔の中に何かこだわりを感じますよね。 

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福永さんのこだわりに後で凄いものをお見せしますが、カウンターの前にある骨付きの豚のハムですが、2年がかりで作るそうですが、こんなものがお店のカウンターに置いてあるだけでも驚きです。 

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本日のお刺身はひがしものマグロの赤身の塊です。大間の本マグロの半額で買えるそうですがそれでも8000円/kgするそうです。 

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 マグロの塊をガスバーナーで表面を炙っていました。今度僕もやってみようかな。

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今回は万齢の小松社長と福祝の淳三常務さんおお二人をお迎えしましたが、このお二人に対してお客様がたった6人という超こじんまりの会でした。 

<仕込み水に違いによるご飯と出汁の差> 

福永店長が特別なものを出していただきました。それは小松酒造の仕込み水と藤平酒造の仕込み水を使ったご飯と昆布だし汁でした。お米はひとめぼれで、水加減をまったく同じで炊いたものと昆布の量とお塩も量を同じにした出汁だそうです。白米おにぎりは下の写真ですが、お吸い物の写真を撮り忘れました。 

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小松酒造の仕込み水は敷地内の130mの井戸から出た軟水で、福祝の仕込み水は敷地内の600mの井戸からとった中硬水だそうです。驚いたことに仕込み水だけで味が変わるのです。 

 ・ 昆布だし: 小松酒造より福祝の方が昆布の味が良く出ていました。福永さんのコメントではかつおだしは小松酒造の方があっているかもとの話でした。 

 ・ 白米ご飯 : 福祝の方が全体に柔らかく、小松酒造の方が表面が硬い感じがしました。味の差はわかりませんでした。 

いずれにしても仕込み水によって酒の味が変わるということはよく聞きますが、ご飯や出汁までも変わるとは驚きでした。 

では蔵の紹介と飲んだお酒の紹介に入ります。 

<福祝 藤平酒造(とうへいしゅぞう)> 

この蔵は千葉県の久留里市内にあり、久留里線の久留里駅から歩いて数分の所にあります。もともと城下町として栄えたところで、平成の名水100選に選ばれるほどの名水が出るので、この小さな町に昔は多くの蔵があったというほど酒造りが盛んなところです。 

創業は享保元年ですから1716年ですからいまから約300年も前のことです。もともと藤久盛(とうきゅうさかり)というブランドのお酒を造っていましたが、淳三さんのお父さんがおめでたい行事には必ず清酒が飲まれていたので、七福神の福とお祝いを重ねた福祝という銘柄にしたそうです。その父は昭和55年に亡くなったそうで、その後母の恵子さんが社長となっています。この蔵には南部杜氏がおられましたが、15年前から息子3兄弟だけで酒造りをしています。 

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長男の和也さんが経営を担当、次男の典久さんが醸造を担当、3男の淳三さんが営業を担当していますが、酒造りの方針は3人が議論をして決め、仕込みの時には3人が力を合わせて酒つくりをするそうです。今年は一人蔵人が増えて4人で行っているそうですが、蔵の生産量はまだ320石だそうです。 酒造りは蔵におられた高橋杜氏に指導を受けただけで、特別な修業はしていないそうです。

<万齢 小松酒造> 

小松社長とは3年前の八芳園の槐樹で日本酒の会をやって、その時のブログに小松さんの蔵と小松さんの経歴について詳しく紹介していますので、下記のURLをクリックしてご覧ください。万齢は長生きをしてもらいたいという意味だそうです 

槐樹:http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-5858.html 

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 小松酒造の現在の生産量は350石に増加していますが、400石以上にはしないそうです。それは小松さんが余裕をもって酒造りができる限界だからだそうです。この会の時にお話になったロマネコンティの夢についてお聞きしたら、今もそれを目指しているそうです。具体的には生産量は増やさず、価値の高い酒を造って多少高くてもお客様が納得して買っていただく酒造りを目指しているそうです。この考えの底辺にはこれからは日本酒の幅を広げていかないと日本酒業界全体が低下してしまう恐れがあると考えておられるからです。個性的なお酒を造りには、奇麗すぎる環境では作れないので、個性的なお酒を造れる環境整備も大切だと考えておられるようです。 

小松さんを紹介するうえで外せないイベントがあります。それは小松さんが九州の清酒協議会の会長の時に開催した九州S1グランプリです。それは九州の清酒を東京の人にPRするために企画したもので、決められたお食事をしながら九州のお酒を飲みどの酒が一番人気かを参加者の投票できめるというとてもユニークな企画です。その仕組みはとてもよく考えられていて、少し複雑なので詳細については、僕が書いた下記のブログを読んでください。 

S1グランプリhttp://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/s-1-1979.html 

このイベントにより確かに九州の地酒のPR度は高まりましたが、この企画の準備があまりにも大変なので2014年の第4回を最後に中止されたそうです。 

もう一つ今年新しいイベントがありました。それは佐賀県酒造組合が日本酒ダンスを造りYOUTUBEに流したのですが、見たことはありますか?佐賀県のほとんどの蔵の社長が出演して踊っていますが、小松さんも2回登場しています。下記にそのURLを書いておきますので、ご覧になって小松さんを見つけてください。うさぎと帽子が目印です。 

https://www.youtube.com/watch?v=5N4l_TklNlM 

それでは飲んだお酒の紹介をします。 

福祝が7種類 

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 万齢が7種類でした 

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Dsc_0149_3<福祝 特別純米 山田錦55> 

このお酒は福祝のお中でも一番売れ口のお酒で、日本酒度は+1、酸度1.4、アルコール度数15-16度で酵母は協会1501の1回火入れです。口に含むと旨みがふわっと広がりつつ消えていく、切れの良いお酒でした。 

<万齢 純米吟醸 夏の生 薄にごり> 

アルコール度数は16度で麹米が山田錦50%精米、掛米が雄町50%精米の純米吟醸です。夏酒として6月より販売しているお酒ですが、少しシュワシュワ感があって飲みやすいお酒でした。酵母は協会9号系の佐賀9号です。この蔵では基本的には、麹米に山田錦を使用するそうで、これはよりおいしいお酒を造る仕掛けの一つと思われます。 

Dsc_0153<福祝 純米 雄町60> 

このお酒は原料に全量雄町60%精米を使た純米酒で、この蔵としては初めて熊本酵母を使ったそうです。熊本酵母は協会9号の基になった酵母で、協会9号より香りは少ないがしっかり味を出せるそうです。 

飲んでみると確かに香りは少なめですが適度な旨みが出て、後味の余韻もあるので雄町の良さを引き出しているように思えました。 

<万齢 純米大吟醸 灯> 

このお酒は、お米は佐賀県の一般米の佐賀ひより45%精米の純米大吟醸です。酵母は協会9号と協会1801号のブレンドですから、ある程度フルーティな香りを出した純米大吟醸ですが、それほどカプの香りは強くないお酒でした。 

Dsc_0165_3<福祝 純米吟醸 彗星55> 

彗星というのは北海道で生まれた酒造好適米で、飯沼酒造より紹介されて使ったものですが、今まで使っていた五百万石は新酒の時は良いけど秋口まで引っ張っても味が伸びないので、少し熟成してもおいしくなるお米として使用したそうです。 

酵母は協会1801の前に開発された協会1601を使っているそうです。1601は1801に比べて発酵力が弱いけど奇麗な香りを出す酵母で、奇麗な味わいが出るそうです。飲んでみたら、軽い奇麗なカプロン酸と程よいうまみのバランスが良くなかなかいいお酒でした。 

<万齢 純米全量雄町 生原酒> 

この蔵では麹米を通常山田錦を使うのですが、このお酒は全量68%精米の雄町を使ったお酒で、酵母は佐賀9号を使った無濾過生原酒で、半年間生のまま熟成させたお酒です。 

飲んでみると確かにうまみは出てきていますが、僕には生熟成の香りが気になりましたが、小松さんのお話では海外で人気だそうです。 

Dsc_0174<福祝 中汲純米 生原酒> 

このお酒は山田錦55%精米の特別純米で、最初のお酒の中組を絞ったまますぐ瓶に詰めた生原酒です。日本酒度は+1で酸度は+1.4、アルコール度数17度でした。 

飲んでみると生の味とガス感が残っていて最初に香りと旨みがドンと膨らみすぐ消えるお酒でした。うまく生の良さを引き出していると思いました。

<万齢 特別純米 超辛口>
 

このお酒は小松酒造で一番売れているお酒で、ラベルが5月人形で有名な鍾馗様がついているのが特徴で、平成17BYに初めて作った辛口のお酒だそうです。お米は西海55%精米で、酵母は佐賀9号で日本酒度+9、酸度1.6の辛口ですが、鍾馗様は守り神と言われているせいか、蔵一番の売り上げを達成しているそうです。飲んでみるとスルッと口に入る飲みやすいお酒でした。 

Dsc_0193_2<万齢 秋の酒 特別純米超辛口> 

小松酒造では現在辛口シリーズを出していて、春は通常の辛口、夏は後味が少し甘い辛口、秋は雄町を使った辛口、冬はお燗がおいしい辛口だそうです。 

このお酒は秋に出している麹米が山田錦で、掛米が雄町55%精米の特別純米で日本酒度+9、酸度1.4のお酒です。秋まで熟成したお酒ですが、ひやおろしではないそうで、この蔵ではひやおろしは1回火入れ生詰め原酒を言い、このお酒は加水して15度のお酒だそうで、ひやおろしと呼んでいません。 

このお酒もなかなかいいとおおもいましたが、この蔵のお酒はやはり辛口系の方があっているかもしれませんね。 

福祝 山田錦 純米吟醸50    福祝 山田錦70 辛口純米 

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 <福祝 山田錦 純米吟醸50> 

山田錦50の純米吟醸は特別純米55の次に売れているお酒だそうです。酵母は協会1801号と金沢酵母(協会14号)とのブレンドだそうです。飲んでみるとカプロン酸の香りと酢酸イソアミル系の香りが混じって、さわやかな香りに仕上がっていて、口に含むと味わいがぱっと膨らんですぐにすっと消えていくお酒でした。 

<福祝 山田錦70 辛口純米> 

このお酒は山田錦70%精米の純米酒で、酵母は協会14号です。ですから飲んでみると酢酸イソアミル系のさわやかで穏やかな香りがします。精米度70%にしてはうまみも感じるし、とてもきれいに感じるお酒でした。 

<福祝 燗酒純米酒> 

Fuku_kan_1800_sq_5このお酒が最後に飲んだ福祝のお酒で、お燗して香りを立てないように香りの少ない酵母を使った上に完全発酵させるために、少し高温で自由に発酵させ最後に温度を下げる方法を取っているそうです。具体的には秋田県で開発した花酵母の協会1501を使ったそうです。 

飲んでみると昔流行ったお燗酒とは違った透明感がある上にふくらみも感じるお酒でした。なかなかのものでした 

これで福祝のお酒の説明は終わりますが、福祝の共通の味わいは香りはあまり立てずに、じわっと味のふくらみを中ほどに持って行って、余韻を持たせるような造りをしているように思えました。

全国新酒鑑評会で連続金賞を取ったころのお酒は香りが高くあまり膨らみがないように思えましたが、最近の造りはだいぶ変わってきているように思えましたし、かなり野心的なお酒造りに挑戦しているようなのでこれからが楽しみです。 

<万齢 純米吟醸 希(のぞみ)> 

Dsc_0948_3このお酒は3年前のS1グランプリに出品するために作ったお酒で、香りがあって甘口ですっきり飲めるお酒として造ったお酒です。それまでのS1グランプリで優勝したお酒はどれも甘口で、辛口のお酒はすぐに落選してきたのを見て、自分の蔵は辛口が主体でしたが、思い切って甘口にチャレンジしたそうです。 

S1グランプリはおつまみを食べてまだ口の中におつまみがある時にお酒を飲んだ場合は辛口は合わないそうですが、おつまみを食べ終わって飲む場合は辛口でもいいことが判ったそうです。 

お米は佐賀ひより50%精米で酵母は聞きませんでしたが、9号系と18号系のブレンドではないかと思います。日本酒度は-14もありますが、飲んでみるとそれほど甘さを感じませんでした。このお酒はS1グランプリで第4位になったそうですから成功したと言えますね。 

<のみりんこ> 

Dsc_0185このお酒は飲むための味醂を目指して造たものだそうです。本来味醂は呑むためのお酒で室町時代に造られた和酒でしたが、江戸時代に砂糖の代わりにお料理に使われるようになって明治時代に料理用として定着してしまったそうです。 

甘酒は日持ちしないで腐りやすいので、何とか腐らない甘酒を造るために焼酎の中で甘酒を造ることで出来たのが味醂です。飲む味醂と料理の味醂は何が違うかというと、料理の味醂は出来た味醂を一度火入れをして炭素ろ過したしたお酒を言って、飲む味醂は生のお酒だそうです。このお酒は平成25年から造っていますが、日本で初めてだそうです。 

日本酒度は-180ありアルコール度は14%ですが、食後の味醂は消化を助ける働きがあるそうです。 

以上で万齢のお酒の説明を終わります。最後に各蔵の今後目指している方向の説明がありましたので、これを紹介します。 

福祝:来年度は秋田のあきたこまちを使った高温山廃にチャレンジするそうです。また特Aの山田錦をを使ったお酒を11月に発売するそうです。 

万齢:日本酒は決して売れているわけではないので、今後一人でも多くの人を日本酒を飲む場に連れてきて日本酒のPRをしてもらいたい 

最後に小松大さん、祐藤平淳三さん、福永健太さんにお礼を申し上げます。

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2017年10月16日 (月)

七賢のお酒は最近すごく酒質が上がっています

調布市の仙川にある日本酒バーあふぎ山梨県の七賢を醸している山梨銘醸の専務取締役北原対馬さんをお呼びしての会が開かれましたので、参加してきました。お店のママが静岡県藤枝育ちなので、いつもは静岡の蔵をお呼びすることが多いのですが、今回はゆえあって、ママが去年七賢の蔵を訪問する機会があって、今日の日を迎えることになったそうです。お店の詳細は下記のブログを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-c472.html 

最初にお店の前でのママと対馬さんのツーショットをお見せします。 

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今回は早速蔵の紹介と北原対馬さんの紹介をいたします。蔵は山梨県の北杜市白州町のあります。この地はJR中央線の長浜駅から南西に2-3Km行った釜無川と尾白川の間に挟まれた場所にあり、甲斐駒ヶ岳からの伏流水が豊富に出る場所で、近くにはサントリーの白州蒸留所があります。ウイスキー蒸留所は近くに川があって冷気があふれていて豊富な水がある場所に作られますから、日本酒の醸造にも適したところだ思われます。 

山梨銘醸は元々長野県の信州・高遠で酒造業を営んでいた北原伊兵衛光義さんが分家をして白州の水のほれ込んで1750年にこの地で大中屋として創業したそうです。この大中屋の母屋を新築した際に、高遠城の城主よりお祝いに贈られた「竹林の七賢」の欄間にちなんで七賢という名がついたようです。その後10代目の北原庫三郎山梨銘醸に改組設立したのが大正14年ですが、蔵としては250年の歴史を持つ老舗の酒造会社と言えます。 

現在は12代目の北原兵庫さんが1977年に社長となって、長男の北原対馬さんが営業に、次男の北原亮庫さんが杜氏として、新し酒造りを営んでします。この地は昔は宿場町として栄え、ほとんど地元向けの普通酒や本醸造を主体とした酒造りをして、生産量も年間9000石を超えるほどだったそうです。兵庫さんの代に入り、特定名称酒への切り替えを始めるとともに、農業法人の「大中屋」の設立や直営レストランの開業などを取り組み、現在の礎を造っています。現在のの生産高は2500石です。 

でも、山梨銘醸が大きく変わったのは、北原兄弟が蔵に戻ってからと言われています。兄の対馬さんは青山学院大学の経営学部を卒業し、弟の亮庫さんは父と同じ東京農大の醸造学部を卒業し8年前の25才の時に蔵に戻って酒造りを始めたそうですが、蔵元が蔵人として酒造りを始めたのは今まで初めてのことだったそうです。そして、亮庫さんが杜氏になったのは今から6年まえの2011年だそうです。最初はあらゆることが問題だらけで、何から手を付けてよいか解らない状態でしたが、兄の対馬さんと話し合い、15年先までのビジョンを5年刻みで描いて、目指す酒質、体制、売り上げや利益まで考えたうえで、新しい設備投資をしたそうで、現在は大掛かりな改革が一段落したところだそうですが、まだまだやりたいことは色々あるそうです。 

それではお二人でどんな改革をしてきたのでしょうか。 

<目指す酒質の決定> 

  この蔵の仕込み水は硬度が20で、透明感があり、奇麗で潤いのある水ですが、ミネラルが少ないので、発酵力が弱く味の豊かなお酒にはなりにくいという欠点があります。でも逆にその特徴を生かした酒造りを目指すことにしたそうです。具体的には水の特徴である柔らかくてすっきりとしたお酒で、軽めのお料理に合わせられるお酒に絞り込み、吟醸系をベースとして不得意な生酛系の酒造りはやめることにしたそうです。 

そのために麹は固く締め、吟醸酵母を使って低温でじっくりと発酵させるだけでなく、アルコール耐性の弱い吟醸酵母が死滅して発生する雑味や香りを防ぐために、原酒でアルコール度数を16度以下に仕上げるようにしたそうです。さらに、上槽後は3-4日以内に火入れすることを励行し常にフレッシュな味が保てるっようにしたそうです。 

更に酵母の選択にも特徴がありました。協会酵母18号は通常最初に甘みが出て、カプロン酸エチルの香りが強く出るのが特徴ですが、この蔵の水では香りが弱く、味にくどさが出ないので、これを主体として使っていますが、後味の切れを出すために協会18号と協会9号酵母のブレンドを使っているそうです。9号酵母だけでもいいのではと思いましたが、9号酵母だけでは味が薄くて辛いお酒になるそうです。仕込み水によってこんなに違うのですね。、 

<蔵の主な設備改造> 

 最近の醸造設備の進歩は凄いものがありますが、非常にお金のかかることなので、小さい蔵ではなかなか難しいですが、この蔵では酒質向上のために少しずつ変えてきたそうです。蔵見学をしていませんので、詳しいことは分かりませんが、酒造萬流の記事から引用すると次のような設備改善が行われたようです。
 ・ 仕込み蔵の空調化と1.5トンの小仕込み化
 ・ 洗米と浸漬の自動化
 ・ 麹室の建て替え
 ・ 酒質測定機の導入による自動化
 ・ 貯蔵設備の充実化
 

<酒造体制の改革> 

 これまでは期間雇用の蔵人が24時間体制で行っていた酒造りをやめて、原則月曜日から金曜日までの8時間勤務を実施しました。このために作業の効率化と酒造計画の組み立て直しを行い土日の作業の撤廃をしたそうです。また、蔵人全員が無線通話機をもって各人の作業の共有化をしたそうで、これにより蔵人に心の余裕が出て酒質の向上が図れたそうです。たとえ生産量が減っても蔵人ののやる気の向上と酒質の向上が会社としての利益を生むのでしょう。 

それから今まで作ってきた品ぞろえを統廃合して、原料米の品種は山田錦、ひとごこち、夢山水、あさひの夢だけとし、精米歩合は70%、57%、47%、37%の4パターンに絞って作業性と品質向上を目指したそうです。 7の数字が多いのは七賢の名前とのこだわりのようです。

以上がこれまで行った蔵の改革で、これにはまだまだ終わりがないようですが、これらの改革で明らかに酒の資質は良くなってきていることは確かだと思いますが、それについてはこの会で飲んだお酒の紹介の中で、説明したいと思います。 

それでは飲んだお酒の紹介に入ります。 

1.スパークリング酒 星の輝 

Dsc_0208このお酒は瓶内2次発酵のスパークリング酒で、お米はひとごこち70%精米の純米酒です。まずタンク内でアルコール度数が10度くらいのもろみを造り、それを瓶に澱を絡ませて詰めてから、室温で瓶内発酵させると、9気圧くらいに圧力が上昇した時に瓶の口を冷凍して澱を凍らせてから、口を瞬間にあけて澱を抜いて再び栓をするそうです。その時120CCくらい抜けてしまいますが、それはお互いに補充をして商品にするそうです。その作業は手作業だそうですが、自動化することもできるけれども非常に高価だそうです。 

このお酒の開発は2015年から始めたそうで、開発にあたっては勝沼のスパークリングワイン工場や県の技術センターに行って勉強したそうです。ワイン.スパークリングと違うところは火入れをすることや、リキュールを入れられないことです。開発の当っては変動要因として一次発酵後の残存の糖の量、アルコール度数、澱の量、発酵温度があり、これを色々変えて決めたそうです。その結果、アルコール度数は11度になったようですが、今年発足したawa酒協会に発表に間に合わせています。 

シャンパングラスで飲んでみましたが、さわやかな香りと奇麗な泡が立ち上がり、軽やかでさらりとしたと甘みを持ったシャンパンと言いたいようなお酒でした。精米度が70%なのでややナッツのような香りがしますが、ほとんど気になりません。価格は720mlで税抜きで5000円です。 

対馬さんがこのお酒を注いでいる写真を見てください。落ち着いた雰囲気を持った方でした。対馬という名前は長男なので本家との関連でつけられたとのことでした。 

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このスパークリングを超える新しいスパークリングの「杜の奏(もりのかなで)」というお酒が10月1日に発売されました。サントリーの白州蒸留所とコラボレーションして出来たスパークリングで、1次発酵させた日本酒をウイスキー樽で熟成した後、瓶詰めして2次発酵させたスパークリング酒で、720mlで1万円もするそうですが、今までのスパークリングとは次元が違う味わいだそうです。飲んでみたいですね・・・・・

2.鑑評会用出品酒

Dsc_0210このお酒は山田錦37%精米の大吟醸で、アルコール度数17度の原酒です。酵母は協会18号酵母だけを使った鑑評会用の出品酒で、市販していないお酒です。 

飲んでみるとカプロン酸エチルの香りは立ちますがそれほど強くはありません。甘みと酸味がうまくバランスしたいかにも出品酒らしいお酒でした。 

鑑評会用のお酒は市販酒とは違って、車でいうとF-1に相当するもので、技術的なチャレンジはありますが、これに重きを置いているわけではなく、市販酒のコンテストであるIWCへの出品も大切にしているそうです。今年はアルコール添加の大吟醸で挑戦したけれども、来年以降は純米酒で挑戦するそうです。 

3.純米酒 風凛美山

115781_2このお酒は麹米がひとごこち57%精米で、掛米があさひの夢70%精米の純米酒です。風凛美山という名前は甲斐駒ヶ岳の凛とした美しさから名前を付けたそうです。酵母は協会18号と協会9号のブレンドだそうです。このお酒は写真を撮るのを忘れたので、インターネットからお借りしました。 

アルコール度数は16度の原酒ですが、飲んでみるとべったりとした甘さではなく優しい甘さを最初に感じながら、後味がすっきりと消えていくバランスのお酒でした。これは9号酵母からできる奇麗な酸が上手くバランスしているからだと思いました。 

温度が上がるとちょっとベタっとなるので冷で飲むの良いと思いました。 

70%精米の掛米を使っているとは思えないほど、奇麗に仕上がっていて、これで税抜きで1升2000円とは安すぎる感じですが、ちゃんと利益は出しているそうです。このコスパは驚きです。しかもIWCで連続して受賞をしているそうですからすごいですよね 

4.純米吟醸酒 天鵞絨 (びろーど)

Dsc_0215このお酒は夢山水57%精米の純米吟醸酒でアルコール度数は15度とやや低めですが、これも原酒だそうです。天鵞絨の味という名前がついているのはビロードのような舌触りのお酒という意味だそうです。

飲んでみると香りは穏やかなですが、飲んだ後の中頃からふわっとふくらんで、消えていくお酒で、今日飲んだお酒とは少しバランスが違っているようです。このお酒は温度が上がってもあまり変わりませんでした。 

淡い味のお料理に合わせられるお酒で、お料理の素材を引き立てるお酒を目指して作ったそうです。アルコール度数は低いけれどもお料理ののマッチングはとても良いと思いました。価格は税抜きで1升2700円ですからコスパは良いです。 

5.純米大吟醸 絹の味 

Dsc_0217このお酒は夢山水47%精米の純米大吟醸でアルコール度数は16度の原酒です。このお酒も1回火入れで、基本的には生酒はあまり出していないそうです。絹の味という名はなめらかなお酒をイメージしたそうです。酵母は18号酵母です。 

飲んでみるとカプロン酸エチルの香りが強くはないけど、しっかり感じられ、うま味と甘さが最初にポンと広がるお酒でした。お食事に合わせて飲むお酒というよりは、お酒だけで香りと味を楽しむお酒のように思われました。 

価格は税抜きで1升3000円ですから、このお酒のコスパもとても良いと思います。 

6.純米酒 ひやおろし 

Dsc_0219このお酒は6月に作った純米酒を1回火入れして瓶に詰めてから15度から20度くらいの室温で約3か月熟成をしたお酒です。 

お米はは3番のお酒と同じだと思いますので、ひとごこち57%精米で、掛米があさひの夢70%精米と思われます。(これについては説明はありませんでした)。 

ひやおろしの定義は難しいのですが、昔は冬に作ったお酒を火入れした後、常温のタンクで秋まで熟成して瓶詰めして出すお酒を言っていたと思います。最近は初めから瓶詰めして熟成させるところが多いようですが、熟成の温度は決まっていません。これを秋上がりと呼ぶ蔵も多いようですが、ひやおろしは秋に限らす半年くらい熟成して出すことを言うという説もあります。 

飲んだ感じでは甘みは少し減った分スウット口に入ってくれますが、ちょっと辛みを感じました。でも新酒の若々しさは残っているように思えました。 

7.燗熟純米 2年熟成 

Dsc_0222このお酒は2014年にお燗用のお酒として造った山廃純米酒で、今は製造していないお酒です、お店のママが去年蔵見学した時に蔵で売っているのを見つけて購入したものです。 

お米の名前は聞き忘れましたが、精米は70%の純米酒で酵母は7号酵母で、アルコール度数は17度です 

飲んでみると、香りはほとんどなく、奥に甘みを感じるけど適度な酸と辛みを感じるお酒でしたが、お燗をすると透明感とフラット感が出てすっと飲めるお酒へと劇的な変化をしました。 

こんなに良いお燗酒になるのなら、また作ってくださいとお願いしたけれども、山廃造りはやめたそうなので、もう2度と飲めない貴重なお酒となってしまいました。残念・・・・・・ 

このお酒を買ってきたママに乾杯! こういうタイプの燗酒もいいと思うけどね。

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以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、この蔵のお酒はどのレベルのお酒も酒質が高くきれいであるけれど、きちっと味を出していながら、嫌みのないお酒に仕上がっていますが、同じ味の酒はなく、一つ一つ目的を持った味わいに仕上げているのが良いなと思いました。確かに高級なお酒もありますが、どの酒もコストパフォーマンスはよく、特に純米酒の風凛美山は凄いです。対馬さんの説明ではお酒をあまり飲まない人でも、飲めるお酒を目指しているそうです。前段で説明したとおり、最近の蔵の大改革で、お酒の酒質が大幅に上がったことは間違いありません。

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2017年10月 9日 (月)

ジャズと日本酒蔵元のコラボの会はとても良かった

僕の日本酒友達の高橋さとみさんから日本酒でジャズを楽しむ会へのお誘いがありました。僕はジャスを好んで聞くことはしませんが、ニューヨークに行った時にブルーノートに顔を出したくなるくらいジャズの雰囲気が好きな人間でしたので、喜んで参加することにしました。 

開催された場所は目白駅から池袋の方に数分歩いたところにあるMAC’s CARRORT というお店でした。僕は初めて訪れたので、全くどんなお店か知らなかったのですが、下の写真のようにイタリアンレストランの雰囲気を持っ店構えでした。 

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中に入ると店の右側に大きなグランドピアノがあって、そのわきに洋酒用のカウンターがあり、40人くらい座れるテーブルがあるちょっとクラシックな大人の雰囲気のお店でした。 

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たまたま僕(黄色い帽子をかぶっているおじさん)が写っている写真がさとみさんのFACEBOOKに載っていましたので、使わせていただきました。お店の人に聞いたらここはイタリアンレストランで、夜にはジャスの生演奏をして、お客様に楽しんでもらっているそうです。ここは学習院の人が良く来るそうで、たまには皇族の方が来られるみたいです。 

食事をしないでジャズだけを聞きに来るのはだめだそうです。残念・・・・

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この会には正雪(神沢川酒造)の社長の望月正隆さんと麓井(麓井酒造)の専務取締役の佐藤市郎さんが、参加されて、蔵から持ってこられたお酒の紹介をされました。各蔵から、とっておきの日本酒が3種類ずつ計6本が提供されましたが、その紹介は後で行います。 

まずはジャズバンドの皆様を紹介します。僕は素人なので、インターネットで調べた情報です。 

・ ピアノ 福田重男 

福田さんは群馬県出身で、小さい時からクラシックピアノをやり、明治大学に入ってジャスに目覚め、辛島文雄に師事されて、1980年にプロデビューをしたからだそうです。現在60歳のベテランジャズピアニストです。 

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・ ギター 高内春彦 

高内さんは栃木県出身で東京造形大学の美術科に進みましたが、主にジャズ研で活躍し、1980年にニューヨークに渡りジャズギターリストとしてデビューをしたそうです。何といっても1990年に女優の松坂慶子さんと結婚され一躍有名になったことは良く知られている話で、現在63歳のベテランジャズキターリストです。 

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・ ボーカル Mamiko Bird 

まみこさんのプロフィルはよくわかりませんが、アメリカでジャズを勉強し、プロとなり、ジャズボーカルだけでなく作曲も行い、2014年には第7回澤村美司子音楽賞をとるなど活躍されていて、最近は福田さんとデユオを組んでいるようです。 

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 以上で3人の紹介を終わりますが、、せっかくですから会の最後のアンコールに応えたルート66の唄をお聞きください。僕のを声や手拍子が少しうるさいですが、雰囲気はわかると思います。下のファイルをクリックするとちょっと時間がかかりますが、始まります。

 「170909_003.mp3」をダウンロード 

ジャズの紹介はこのぐらいにして蔵とお酒の紹介をします。

1.神沢川酒造 

この蔵は静岡県の静岡市と富士市の間にある由比町にありますが、北は山が迫り南は府駿河湾に接する比較的狭い場所なので、昔から東海道の交通の要所の宿場町としてだけでなく、、桜エビとシラスで有名な港町として栄えた地です。この地に蔵を創業したのは望月金蔵さんで大正元年のことですから、比較的新しい蔵と言えます。 

この蔵を造るにあたって、水のいい場所を探して見つけたのが今の場所で、そばに川が流れていますが、それが神沢川(かんざわがわ)ということから神沢川酒造となずけたものと思われます。この水はミネラルをほとんど含まない軟水ですから、軽やかできれいなお酒造りにお適しているようです。 

代表銘柄の正雪の名を付けたのは2代目の望月由松さんで静岡が生んだ反骨精神の高い由比正雪にちなんでつけたそうです。蔵を支えてきたのは岩手県花巻出身の南部杜氏の山影純悦さんで、昭和57年からずっと杜氏をされています。静岡のお酒と言えば、沼津工業技術センターの河村傳兵衛さんの指導による吟醸造りが有名ですが、それは甘、辛、苦、渋、酸の5味のバランスと上品でさわやかな香りを調和させて、何杯飲んでも飽きないお酒といえますが、まさにそれを目指している蔵と言えます。 

河村傳兵衛さんや静岡酵母のことなら下記のブログを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-27e3.html

今回は社長の望月正隆さんに来ていただきました。 

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望月さんはどんな方なのでしょうか。この蔵の長男として1962年にお生まれになりましたので、蔵の後を継ぐことは決まっていましたが、若い頃は蔵が苦手で、大学も玉川大学の文学部に行ったそうです。でも先代の社長が大きなけがをしたために、卒業と同時に蔵に戻ったのですが、はじめは酒造りはほとんどしなかったそうです。その時には山影杜氏はすでに蔵におられていました。 

でも、酒造りを勉強したい気持ちはあったそうで、醸造技術者養成の通信講座を受けて、念願かなって沼津工業技術センターの河村先生について研修生として1年間勉強をしたそうです。そんな時に蔵人の一人が怪我で欠けたので、生まれて初めて酒造りを経験したそうで、それで、だんだん酒造りがおもしろくなったそうです 

その後、2006年せいか5代目のに社長に就任し、弟さんの正明さんと力を合わせて順調に成長しており、現在の生産高は1300石位だと思います。 

飲んだ正雪のお酒の紹介をします 

・ 雪 純米大吟醸 山田錦斗瓶どり 

Dsc_0113_2このお酒は兵庫県の山田錦35%精米の純米大吟醸の斗瓶どりで、中取りの部分を生のまま瓶詰めして、瓶燗火入れをしたものを低温で熟成したものです。 

酵母は静岡酵母のHD-1で、酒質はアルコール度数は見落としましたが、日本酒度が+3、酸度は1.1といかにも静岡吟醸を代表するスペックでした。 

飲んでみると酢酸イソアミルと酢酸エチルのさわやかな香りがたち、ちょっとシャープで少し後口に辛みを感じるバランスです。最近の静岡の吟醸酒は香りの低いものが多くなってきている感じがしていますが、このお酒はいかにもHD-1の香りが良く出ていると思いました。これも杜氏さんの実力なのでしょう。 

・ 正雪 純米大吟醸 備前雄町 

11181229271x361このお酒は岡山県の備前雄町45%精米の純米大吟醸です。このお酒の写真を撮りそこないましたので、インターネットから探してきましたが、たぶん同じものと思います。 

酵母は雄町の味を引き出すために、M310を使いましたが、M310だけでは発酵力が弱いので、静岡県酵母のNO-1をブレンドして使ったそうです 

残念ながら酒質は分かりませんが、日本酒度は±0くらいだそうです。飲んでみると香りは抑え気味ですが、カプロン酸エチルの香も、酢酸イソアミルの香もするお酒でした。 

口に含むと雄町らしい柔らかい甘いが広がり、後味でゆっくりと消えていく雄町らしい余韻を感じました。一言でいえばどっしりとした雄町ではなく奇麗な雄町の部類に入ると思います。 僕はこのお酒はお気に入りです。

・ 正雪 純米吟醸山田錦 

Dsc_0130_2このお酒は山田穂50%精米の純米大吟醸です。山田穂は山田錦の母親にあたるお米で、全国で栽培しているところは少なく、兵庫県の山田錦を栽培している近くで取れるそうです。 

山田錦よりはやや小粒で心白発生率も低いが酒造特性は良いけど、やや溶けにくいので味を出すのが難しいそうです。 

飲んでみると山田錦に比べるとふくらみが少なく、少しシャープで辛みを感じました。 

この瓶はラベルをよく見ると縞が入って売る特殊なもので、山田穂と愛山があるそうです。色は山田穂の純米吟醸はみどり、純米大吟醸は青緑のようです。 

2.麓井酒造 

この蔵は山形県の酒田市から北東に10KMほど行った八幡地区にある蔵で、鳥海山の麓にあるので良質で豊富な湧水に恵まれていますので、庄内藩主の酒井家の人から酒つくりをやらない手はないと言われて始まったようです。創業は明治27年で、麓と酒井家の井を取って麓井酒造としたそうです。 

当主の佐藤家では長男の久吉が回船問屋をしているときに、酒井家から醸造技術を学んで、明治26年に酒田市の南に酒蔵を立ち上げたのが、現在の初孫を譲する東北銘醸株式会社です。麓井酒造は久吉の姉が養子を迎えてその1年後に創業したそうです。ですから麓井と東北銘譲は今でも兄弟会社で、社長の佐藤淳司さんはは両方の蔵の社長を兼務しています。 

東北銘譲の生産高は約7000石と言われるほど大きな蔵ですが、麓井酒造は約500石とこじんまりとした蔵です。

蔵から専務取締役の佐藤市郎さんに来ていただきました。

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佐藤さんは夏は営業、冬場は酒つくりを担当しています。麓井酒造には杜氏の高橋幸夫さんがおられるので、市郎さんは酒つくり全体を管理しておられるようです 

市郎さんは蔵に戻る前はアサヒビールに勤務していて東京に住んでおられたので、吉祥寺にあるライブバー・イタリアンレストランの吉祥寺ストリングスに行くことがよくあって、ジャズが好きになったとのことでした。こんなところでジャズとの接点があるのですね。 

・ フモト井 純米大吟醸 

Dsc_0120このお酒は山田錦40%精米の純米大吟醸で、酵母は山形酵母のKAだそうです。山形酵母KAは熊本酵母系の流れを持つ酵母で、香りは抑えめですが、味をしっかり出す酵母だそうです。 

酒質はよくわかりませんが、インターネットでの情報ではアルコール度17、日本酒度+1、酸度1.6でした。 

飲んでみると香りは軽いですが、さわやかな酢酸イソアミル系の香りを感じました。口に含むと奇麗な甘みが広がり、後味にも少し甘みが残る感じでした。佐藤さんは日本酒度は+4ですと言われたので、どうして甘く感じるのかと聞いたら、今回はグルコース濃度を増やすようにしているからではないかといわれました。だから軽くても甘く感じて、しかも後味にも甘さを感じたのかもしれません。 

酒造りは奥が深いですね。

・ フモト井 純米大吟醸雪女神 

Dsc_0128このお酒は山形県が最近開発した大吟醸酒向けの酒造好適米の雪女神を35%精米した純米大吟醸です。雪女神は山形県の工業技術センターが開発したもので、山形県の出羽の里と宮城県の蔵の華をかけ合わせた品種です。 

雑味につながる蛋白質が少ない特性があるので、透明感がありすっきりしたお酒になると言われています。 

雪女神という名がついたのは去年のことで、それまでは山形104号と言われてもので、酒造好適米に女性的な名前が付くのは珍しいそうです。今年から山形県の各蔵で雪女神の醸造が始まりました。 

この蔵でも初めての造りでしたが、米の溶けが悪く、造ったばかりの今年の冬では味が薄くどうしようかと思っていましたが、秋まで熟成をしてやっと飲めるようになったそうです 

実際に飲んでみると、香りは山田錦と同じぐらいですが、味は口の中で少し膨らむ程度で全体に奇麗な、いかにも女神といった感じのお酒でした。 

・ 麓井のまどか 

Dsc_0133このお酒は山形県の美山錦55%精米の生酛純米本辛口の圓(まどか)です。独自の生酛造りで醸造した定番のお酒で、燗に向いたお酒だそうです。 

酒質はアルコール分16度、日本酒ぞ+7~+10、酸度1.4~1.5で、酵母は山形酵母です。 

飲んでみるとソフトな飲み口で後味が生酛独特の酸が奇麗に切ってくれる、辛いというよりはドライな感じのお酒でした。 

以上で飲んだお酒と蔵の紹介は終わりますが、ジャズを楽しみながらお酒を飲むのも結構楽しいものでした。

お客様のほとんどが日本酒を楽しむというより、ジャスを楽しんでいるようでしたし、お客様の質が日本酒の好きな仲間とは少し違った雰囲気が感じられました。これも主催した高橋さとみさんの雰囲気が醸し出すものなのでしょうね。

僕のように日本酒が好きなものにとっては、蔵元と色々お話ができる時間が多く取れたというメリットもありました。 

このような会を計画した高橋さとみさんのご苦労は大変なものだったと思います。また今回を陰でサポートしている高橋さとみさんの旦那様にもお礼を言いたいと思います。 

今年の末にまた開催されるようなので、また参加したいと思います

最後にさとみさんと演奏仲間との写真を高橋さんのFACEBOOKからお借りして貼り付けてみました。少し明るくしておきました。

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高橋さんありがとうございました 

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2017年10月 2日 (月)

フルネットの出汁割り酒の秘密

9月30日にフルネットの社長の中野さんがおすすめする[出汁割り酒の飲む会」が荻窪のいちべえで開かれましたので、参加しました。もともと中野さんは広島の呉市にある二反田醤油店で生産されている「だし道楽」で割った日本酒はお燗に向いていて、素晴らしいとFACEBOOKで書いているのを目にしていたので、どんな造りをしてどんな味のお酒なのかを知りたくて参加しました。 

中野さんはし道楽濃度とお酒の混合比率をいろいろ検討した結果見、つけ出した黄金比率で作ったお酒を見せていただきました。そのお酒を紹介します。 

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このお酒は南部美人と共同で開発したもので、南部美人の特別純米酒と中野さんが提案する出し割りの黄金比率で混合したアルコールの濃度8%のお燗専用のリキュールですが、まだ販売はしていません。これから皆さん意見を聞きながら、販売をしていくそうです。 

このお酒をひやで飲んでみましたら、アルコール入りの出汁といった感じでしたが、輪郭がはっきりしないお酒で、まずくはないけどうまくない酒でした。でも飲んだイメージはだしの味があまり強くなかったように思いました。 

中野さんの指導の下、65度から70度の熱燗で飲んでみましたら、ガラッと変化しました。軽やかな「出汁の香」を感じながら、日本酒の旨みが加わって、バランスが良くなってなかなかのお酒に変化しました。温度としては70度くらいが良いように思えました。これに七味を入れるとピリピリ感が入り、輪郭がはっきりしてよくなるけれども、僕は七味より一味の方が良いような気がしました。 

この発想の基は赤羽で飲んだ「だし酒」で、1カップのお酒を飲んで1/3に減った時におでんのだしを入れるそうです。このお酒がすごくおいしかったので、これをベースにそれ以上のお酒を目指して開発したそうです。 

ではこのお酒度どのように作ったのでしょうか。まず、出汁について考えます。二反田醤油のあごだしは下記の写真のように2種類あって、左が宗田カツオが入っていないもの、右が宗田カツオが入っているのです。中野さんのお話ではカツオが入ると生臭くなるので、入らないほうが適しているそうです。このだしは自動販売機で700円で購入できできます。この店のインターネット販売でも購入できますが、送料が500円ほどかかりますので、自動販売機の方が良いでしょう。 

43796501110449896出汁割り酒の作り方は企業秘密で詳細は明かすことはできませんが、15%アルコール濃度のお酒と出汁を混ぜて8%のお酒を360ml造る場合の計算をしてみると、お酒192mlに、出汁168mlとなりますので、お酒と出汁の比率はこの数値に近いと思われます。 

問題は出汁の濃度ですが、正確にはお伝え出来ませんが、出汁のメーカーは通常は7-8倍薄めて使うことを推奨しています。上記の出汁割り酒の冷を飲んだ時に出汁の味があまり強くなかったので10倍以上薄めていると思われますが、詳しくはわかりません。 

以上で中野流だし割り酒の紹介は終わりますが、自分でやりたい方はだしを10倍以上に薄めて8%濃度のお酒を造れば似たようなものはできると思いますが、年内にフルネットから販売されるようですので、販売されたらぜひ購入して確かめてください。試しに自分でやってみたら出汁が濃いと冷なら良いのですが、お燗をすると香りが立ちすぎてしまいました 自分でやるときはだしの濃さを色々変える必要がありそうです。

僕としては常温かぬる燗でもおいしい出汁酒にチャレンジしてみるつもりですが、お酒の酒類、だしの濃度が問題です。アルコール濃度は少し高いほうで試してみます。常温の場合はだしの濃度を少し濃いめにした方がいいかなと考えています。

出汁割り酒は実はすでに販売されていて、香川県の川鶴酒造が炙りいりこ酒というのを出しています。片口イワシを炙ったものを普通酒に漬け込んだものらしく、アルコール度数は13度でした。出し割り酒ではなくひれ酒に近いものと思われますが、このお酒も65度から70度の熱燗で飲むように書いてありました。中野さんが持ってこられた物を写真に載せておきます。

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最後に中野さんの勧める日本酒を紹介します。 

Dsc_0114_4このお酒は兵庫県の田中酒造場が造ったお酒で、郷錦37%精米の純米大吟醸ですが、中野さんが新九郎とネーミングしてフルネットで販売しているお酒です。新九郎とというのは凛々しい男のイメージだそうです。中野さんが命名したお酒は11あるそうですで、 その代表的なものに飛露喜や一白水成があることは有名な話です。

この原料米は秋田県の大潟村で栽培した美郷錦で、今年は2年目だそうですが、今年から美郷錦に合わせた造りをして非常に良くなったそうです。 

飲んでみましたら、香りはほとんどカプロン酸エチルの香りはしませんがさわやかな香りの中で、しっかりした味わいのあるおいしいお酒でした。この会で大吟醸の而今と飛露喜の吟醸と飲み比べましたが、新九郎の方が人気があったようです。 

このお酒が1升5000円で買えるのなら、お買い得と言えそうです

この会では新九郎と而今と飛露喜を飲んで全てお燗してみましたが、どれも冷の方が旨いと思いました。お燗酒は向き不向きがあるのですね。

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