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2017年5月24日 (水)

久保田は山田錦を使っていないこと知っていましたか

白金の日本料理店の槐樹で定期的に行われている「蔵元さんと一緒に日本酒を楽しむ」に参加してきました。今回は第18回目で、新潟の銘酒の久保田を醸造している朝日酒造の営業課長の林正 之さんをお呼びしての会でした。朝日酒造は生産量3万石を越える新潟県でも有名な蔵で久保田、越州、得月、朝日山などを醸しています。特に久保田はその中でも上級のブランドですが、生産量が多いので色々な居酒屋で飲むことができるお酒です。でも一般的に呼ばれる純米大吟醸とか吟醸酒という区別よりは銘柄の万寿、千寿、百寿といった名前で区別して飲んできていましたが、その酒質を考えて飲むことはあまりなかったような気がします。 

今回は久保田だけのお酒を6種類飲むことができるので、久保田がどのような酒質のお酒なのかを勉強しようと参加したものです。あとで説明しますが、久保田には他の蔵の考え方とは一味違う造りをしていることが判りましたので、それを説明したいと思っています。お酒の説明をする前に簡単に蔵のご紹介をしておきます。 

朝日山酒造は2015年の3月に蔵見学をしたことがあり、その時の様子をブログにまとめてありますので、まずはその記事を読んでください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-ef13.html 

この記事には蔵の歴史にはほとんど触れていませんでしたので、まずはそれを紹介しましょう。ホームページを見ても昔のことはあまり紹介されていませんが、1830年に長岡市の今の地に創業したのはスタートのようで、その時の屋号が久保田屋でした。その後現在の朝日酒造になったのが大正9年の1920年だそうです。久保田の銘柄のお酒を出したのは昭和60年の1985年ですから比較的最近のことです。この時から品質管理、冷蔵管理のできる酒販店を特約店として流通網(久保田会)を築いて広く扱われるようになったようです。 

この後、新しい蔵の増築を行い、現在は下記の示すようなレイアウトの新工場が完成しています。 

Dsc_0001_2

1996年に精米棟、1992に調合棟、1995年に朝日蔵、2011年に最新の松籟蔵、2012年に貯蔵棟ができたようです。久保田の千寿や百寿は松籟蔵で生産され、万寿は朝日蔵で生産されていますが、一般見学は松籟蔵しかできず、朝日蔵の見学はできないようです。(昔は朝日蔵の見学も可能だった時代もあったようです) 

今回試飲したのは次の6種類のお酒です。値段の安いほうから並べれば、千寿、生原酒、紅寿、碧寿、万寿、洗心となります。 

全部1升瓶で提供されて、試飲お前には下記のような木桶に氷を入れて用意されていました。その写真を示します。

Dsc_0724


Dsc_0725_2

これらのお酒の紹介は営業課長の林正 之さんにやっていただきました。 下の写真お方が林さんです。

Dsc_0734
早速紹介するお酒の順番に価格と酒質を紹介いたします。酵母の説明はありませんでしたが、9号系の酵母と思われます。 

1.千寿 吟醸酒 価格2430円/1升 

  麹米:五百万石50%精米、掛米:五百万石55%精米
  アルコール15%、日本酒度+5、酸度1.1
 

2.生原酒 吟醸生原酒 価格3120円/1升 

  麹米:五百万石50%精米、掛米:五百万石55%精米
  アルコール19%、日本酒度+2、酸度1.4
 

3.紅寿 純米吟醸 価格3310円/1升 

  麹米:五百万石55%精米、掛米:県産米55%精米
  アルコール15%、日本酒度+2、酸度1.2
 

4.碧寿 山廃純米大吟醸 価格5030円/1升 

  麹米:五百万石50%精米、掛米:五百万石50%精米
  アルコール15%、日本酒度+5、酸度1.2
 

5.万寿 純米大吟醸 価格8110円/1升 

  麹米:五百万石50%精米、掛米:県産米33%精米
  アルコール15%、日本酒度+2、酸度1.2
 

6.洗心 純米大吟醸 価格11000円/1升 

  麹米:たかね錦28%精米、掛米たかね錦28%精米
  アルコール15%、日本酒度+2、酸度1.2

これを見ておやっと思う人もいるでしょう。高級酒である万寿、洗心でさえ山田錦を使っていないのです。もしかしたら他の銘柄に使っているのか調べてみたら、越州は千秋楽、得月は雪の精、朝日山は新潟県の県産米で、山田錦を使っていません。これは新潟県のお米にこだわっているのか、コストを気にしているのか、造りに自信があるのかどうなんでしょうね。それではこの順番に飲んだ印象を述べていきます
 

1.千寿 

飲んでみましたが、軽い吟醸香で全体に穏やかで飲みやすい印象ですが、日本酒度が+5なので後口に辛さが残ります。全体としては新潟県お端麗辛口のバランスだと思いました。僕個人としてはアルコール度数を1度上げても最初にうまみと甘みを感じるほうが好きですね。 

2.生原酒 

このお酒は千寿の原酒でこれを加水したものが千寿だと思われます。香りは千寿より立っているので、カプロン酸エチル系の吟醸香だとわかります。飲んでみると口に含んだとたんに厚みのある味わいが広がり、とろみ感も感じます。でも生らしい若わかさも感じるけど全体的には強すぎる感じがするので、ロックにするかちょっと加水して飲むと良いかもしれません。僕は少し加水して17度くらいで飲みたい気がしました。僕の友人のUさんは1年熟成させて、ちょっと加水して飲んでいるそうです。 

林さんがちょっと面白いことを教えていただきました。生原酒は1830ml入っていて千寿より30ml多いそうです。千寿でも火入れ前は1830ml入れるそうですが、火入れして常温にすると1800mlになるとのことでした。また、僕は面白いことに気が付きました。生原酒は3120円ですが19度あるので水原料代がただとして計算すると2460円となりほぼ千寿の価格になりま。だったら生原酒を買って色々楽しんで飲むほうがおもしろいと思いました。 

3.紅寿 

千寿とアルコール度数は同じですが、日本酒度は1.2とやや甘口です。飲んでみるとこちらのほうがはっきりとした旨みを感じ全体のバランスがいいです。でも温度が上がるとざらつきを感じるので、冷やして飲むほうがいいように思えました。千寿よりはかなり価格(900円くらい)のはどうしてなのでしょうか。麹米の精米度は55%と悪く、掛米は安価な県産米を使っているのならもっと安く提供できるような気がします。この価格なら千寿のお米で純米吟醸でなくては納得できないな。味のバランスは良いのでこのお酒なら3000円を少し悪いくらいの価格にしてもらいたいです。 お店であまり知られていないのは価格の割高感ではないでしょうか。

4.碧寿 

このお酒は千寿と同じ麹米で、掛米だけを50%精米にした山廃つくりの純米大吟醸です。口に含んだ香りは千寿とは違う香りですが、よくある山廃系の香りはしません。口当たりが柔らかくいけど含んだ時には味の広がりがないけど、中盤からじわっと膨らんできますが、山廃独特の酸は感じませんでした。この口当りの柔らかさは山廃仕込みならではの乳酸の柔らかさではないかなと思いました。これをお燗にしてもらったら、あっと驚くほどふくらみが出ておいしいお酒の変身しました。碧寿を飲むならお燗がベストです。でもこれが5000円というのは高すぎますね。4000円~4500円が相場ではないかな。 

5.万寿 

久保田シリーズの最高峰の純米大吟醸ですが、このお米を見て驚きました。麹米が50%の五百万石、掛米が県産米33%だそうです。県産米は何でしょうか。なんだかわかりませんが33%まで磨ける県産米があるのでしょうか、もしかしたらたかね錦かな。でもこのお米の大吟醸で8110円とはちょっと高すぎるけど飲んでみました。 

飲んでみると確かに奇麗な味わいだけど、味わいがあって大人の落ち着きを感じました。昔はもっときれいなすっきり消えるお酒のような気がしましたが、最近変わったのかな。この味わいの秘密を聞いてみると、山廃を一部ブレンドしているとのことでしただから味わい深いのですね。今日飲んだお酒の中では一番のお気に入りですが、お米の精米度から考えると高すぎですね。僕には6500円~7000円ぐらいが適当だと思いますが、手に入りにくいことを考えると1本は買っておきたいお酒です 

6.洗心 

1升1万円以上するお酒ですが、たかね錦28%とは驚きです。蔵の2-5℃のタンクで2年間熟成をしたお酒だそうです。飲んでみると軽い熟成の香りがするまろやかなお酒でしたが、僕には高すぎるな。 

以上で久保田のお酒の紹介は終わりますが、千寿と生原酒の価格はリーズナブルですが、それ以上の高級なお酒は使っているお米の精米度から考えると、少し割高だと思います。でも山田錦を使わないでここまで味を出せるのは、さすが技術力があることを感じましたが、山田錦を使うともっとすごい酒が造れるのではと思いました。 

僕が興味を感じたお酒は生原酒、碧寿、万寿です。五百万石50%の純米吟醸を4000円くらいの価格で作ってもらいたい気がしました。 

最後の写真はこの会を企画した窪田さん、料理長、林課長さんのご挨拶です。 

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次にお料理の紹介について ご紹介します。

鯛の白子豆腐         酒肴6景   

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南蛮海老のオイスターグラタン    茄子の甘辛麹醤油焼き

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とろたくとサバの押し寿司     酒のアイス・抹茶の焼菓子 

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2017年5月17日 (水)

東薫酒造は伝統の味を守り継いでいる蔵です

一般社団法人酒類ビジネス推進協会が企画主催する会で、「第3回応援しよう頑張る蔵のおいしいお酒の会」に参加してきました。酒類ビジネス推進協会とは随分仰々しい名前のようですが、簡単に言えば中小の酒類製造業者や酒類小売業者のビジネスを支援して活性化し、消費者にもそれを伝えることにより、豊かな生活や文化を広げていこうというもののようです。このコンセプトは大変すばらしいとは思いますが、そう簡単なことでないと思います。でも若い人たちが中心になっててやっているので、大いに期待したいものです。 

日本酒の蔵元をお呼びする会として、第1回目は去年の5月に千葉県の小泉酒造の蔵元をお呼びして、「知られていない蔵のおいしいお酒の会」という名で開催されました。そのとき初めて参加したのですが、その題名にぴったりとした蔵を選んだねと感心し、その時の様子は下記のブログにまとめています。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-e160.html 

蔵元をお呼びする会は最近は頻繁に行われているようですが、この会はちょっと他の会とは違いがあります。会を開く前に必ず蔵を訪問し、きちっと勉強したのちに蔵の紹介の冊子を自分で作成して参加者に配布していること、蔵元さんにきちっとお話をしていただいて勉強しよういう姿があるのがいいなと思ったので、次からも参加しようと思ったのですが、第2回目の田村酒造の会は他のイベントと重なったので、参加できませんでした。でも東京のお金持ちの蔵の田村酒造を選んだにはちょっと疑問でしたね。でも田村酒造のすごいところが紹介できればそれはいいことだと思います。 

今回は千葉県の東薫酒造でしたが、題名が最初とはちょっと変わって「頑張る蔵の美味しい酒の会」となっていました。確かに東薫酒造は昔から有名な南部杜氏がお酒を造っていて、その代表銘柄の叶はおいしいお酒として有名になった蔵ですが、知られていない蔵とは言えないので、題名を変えたのでしょう。僕としては最近あまり東薫酒造のお酒を飲むチャンスがなかったので、ぜひ飲んでみてみたいと思ったので、すぐに申し込みました。驚いたのは杜氏の及川恒夫さんだけでなく、社長の徳永伸一郎とのそろい踏みの参加だったことです。これは代表理事の宮坂さんの熱意の賜物でしょうね。 

下の写真尾左の方が及川杜氏で、右の方が徳永社長です。 

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今回は西新橋の日本酒原価蔵の極で3月末に行われました。この会場は初めてでしたが、講演付きの立食パーティルームとしては参加人数の割には少し狭い夜泣きがしました。下の写真がその時のものです。 すごい混雑ですね。

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参加費が4000円はこのような会としては安いほうですが、とても心のこもった企画だと思うので、会費を6000円くらいに上げても、もう少しゆったりした場所を選んだほうが良いと思います。それにマイクがほしいですね。持ち運びの簡単なマイクスピーカセットくらいは協会で持っていてもいいように思います。音質が良くて小型で安いものがありますよ。会場選びは大変だとは思いますが、良い場所を見つけることも重要なことだと思います。 

このような会がもっと育ってもらいたい気持ちが強いので、敢えて苦言を申し上げてしまいましたが、参考にいていただければありがたいと思っております。それでは早速蔵の紹介をしたいと思います。 

<蔵の紹介> 

この蔵は千葉県香取市佐原にありますが、江戸への物資運搬の拠点として栄えた場所です。それは江戸時代の利根川の東遷事業によって、東北の物資が利根川を遡ってから江戸川を下って江戸に運ばれることになったからです。そして近くに香取神社もあり人が多く集まる場所であったことやお酒に適した良い水があったことからから、江戸に供給する酒の製造が盛んだったようで、千石を越る生産量を誇る蔵が2件あったそうで、その一つが江戸時代に日本地図を完成させた伊能忠敬の実家の伊能家だったそうです。 

東薫酒酒造を創業したのは石毛卯兵衛氏ですが、伊能家の蔵で酒造りを学び酒造りの権利を得て1825年に創業したそうです。ですから現在まで約200年弱の歴史のある蔵ですが、残念ながら昔は35蔵もあった酒蔵は現在では東薫酒造と馬場本店酒造の2つになっているそうです。現在の生産量は1000石に満たない量だそうですが、経営は結構苦しかったのではないかと思われます。というのは現在の社長は徳永伸一郎さんですが、ちょっと前までは太田健治郎さんが社長をされていました。お二人とも他社の社長をやられている方のようで、詳しいことはわかりませんが、経営者が変わって、経営の立て直しが行われているように感じました。 

でも東薫と言えば及川杜氏の名前が有名で、この蔵のお酒造りを長年やってきた方です。及川杜氏は茨木県出身ですが、20歳の時に杜氏を目指し。宮城県の石巻にある蔵で13年間修業をし、その時浦霞の平の杜氏に薫陶を受け実力を付けた後、富山県の蔵で6年を過ごされ、その間に南部杜氏の資格を取られたようです。その後、39歳の時に東薫酒造に杜氏として迎えられたそうです。それからずっと東薫酒造で酒造りをしていますが、及川さんのお話では現在84歳で杜氏として45年間勤められており、現在でも現役の杜氏だそうです。でも84歳で現役の杜氏は日本広しと言えども、ほとんどおられないと思います。それだけ、色々な事情があるのでしょうね。頑張って続けていってほしいですね。 

及川杜氏は数々の輝かしい受賞歴を持ち、数え上げれば切りがないですが、全国新酒鑑評会で金賞16回、東京国税局管内新酒鑑評会で優秀賞39回、南部杜氏自醸酒鑑評会で金賞連続40回もありますし、南部杜氏協会の会長を務められたほどの人です。今でも岩手県から冬場だけ部下を連れて東薫酒造に来ているそうです。どうして千葉まで来るのですかとお聞きしたところ、冬の厳冬の岩手より、千葉の方が天気が良くて気持ちが明るくなるからだそうです。現在は岩手の人3人と東薫の社員3人で酒造りをしているそうです。そんな気持ちはわからないわけではないですね・・・・ 

<及川杜氏の講演> 

会のはじめに及川杜氏による日本酒に関する講演をいただきました。講演の内容は日本酒の酒類、主な製造工程と初心者向けのお話なので、ここでは省略いたしますが、このために「日本酒とは」という冊子を用意されたいたことには驚かされました。 

そのお話の中で杜氏の仕事は酒造りの方針を決めて、設計図(仕込み配合)を決定しそれに合わせた酒造りをすることで、酒造りの全責任を負うことだそうです。ですから杜氏の言うことは絶対で杜氏が白いものを黒と言ったら黒として皆が力を合わせるそうです。でも酒造りは一人ではできません。蔵人のチームワークが大切で、寝食を共にして心を合わせることが大切だというお話を聞きました。 

今ではこの杜氏制度も後継者が少なくなって、だんだん減少してると聞いています。これも時代の流れでしょうね.。徳永社長はこの伝統を守っていきたいとおっしゃられました。

 

<試飲したお酒の紹介> 

1.大吟醸 叶 

Dsc_0698東薫と言えば叶と言われるほど、数々の鑑評会で受賞をしている銘酒です。 

山田錦35%精米、日本酒度+6、酸度1.2、アルコール度数17度の原酒ですが、口当たりが柔らかく、香りはカプロン酸の香りですが穏やかで、奇麗な余韻と切れの良さを持っているけど今どきの香り高いお酒ではなく、じっくりと味わえる昔ながらの大人のバランスのお酒だと思いました。 

酵母は公表されていませんが、杜氏のお話では18号系の酵母だそうです。さすが東薫の最高峰のお酒というだけのことはあります。 

 

2.搾りだて 本醸造 生酒 

Dsc_0703このお酒は千葉県産のふさこがね65%精米の本醸造の原酒の生酒の新酒です。本醸造ですから10%弱のアルコール添加しているお酒ですが、それを生の新酒を出すのは酒造りに自信がないと出せないお酒です。 

アルコール度数が19度もあるけど、アルコール感が少なく、あたりもさわやかで、しっかりした味わいの中にも、アルコール添加によるシャープさを維持したうまみたっぷりのお酒でした。 

これを会の2番目に飲むお酒として出してきたのは杜氏の自信の表れだと思いました。4合瓶で1518円と少し高めですが飲んでみる価値はあります。 

3.純米大吟醸 及川 生酒 

Dsc_0699このお酒は岩手県の吟ぎんがを使った精米度50%の純米大吟醸でアルコール度数は17度のお酒ですが、及川杜氏の名前がついたお酒です。インターネットで調べてもほとんど出てきません。 

このお酒を造ったいきさつは聞いていませんけど、飲んでみると叶のようなカプロン酸の香りは抑えられて、ややイソアミル系の香りがしました。口あたりが柔らかく、テクスチャーが良いお酒でしたので、杜氏に酵母を聞いてみましたら、M310だそうです。 

杜氏が新しい酒を狙った野心的なお酒ではないかなと思いました。 

この後お酒を2本ごとに写真を撮ってしまいましたので、ちょっと読みにくくなりますがご容赦ください

4.二人静 吟醸  5.原酒 

Dsc_0701_3二人静」とはすごい名前のお酒ですね。ラベルも静御前のような昔の女性姿でした。蔵元の奥様と前の社長の奥様が同じ名前の静子さんだったのでその名前を付けたそうです。名前よりお酒のイメージの方が先だったそうです。 

このお酒は新潟県産の5百万石55%精米の吟醸酒ですが、アルコール度数15-16度、日本酒度+2、酸度1.1という飲みやすさを目指したお酒だと思います。飲んでみると口あたりは優しく、すっと飲めるお酒なので、女性でも楽しめる淡麗なお酒でした。酵母はM310だそうです。 

原酒」は千葉県産のふさこがね70%精米のお酒ですが、どんな造りをしているお酒なのかは説明がなかったのでわかりません。何しろどっしりしたうまみのあるお酒で、ちょっと荒々しいので、熟成してから飲みたかった気がしました。 

6.卯兵衛 純米吟醸  7.辛口本醸造 

Dsc_0702卯兵衛」はこの蔵の創始者の名前で、地元の農家に契約栽培したもらった総の舞という米を使った純米吟醸です。純米らしい昔からのお酒の味を狙ったお酒のようですが、飲んでみるとちょっと酸味を感じるので、味はあるけどちょっとシャープなイメージを出していました。

辛口本醸造」はふさこがね精米655の本醸造ですが、2回火入れのお酒です。飲んでみると2回火入れで出てくるちょっと熟成したような香りがするので、好みのお酒ではありませんでした。しいて言えばお燗で飲みたいお酒です

 

8.夢と幻の物語 9.樽酒

Dsc_0700_4「夢と幻の物語」は関東地方の山田錦50%精米の大吟醸ですが、何となくわかるようで、わからないお酒にしたそうです。 

ラベルは映画監督の黒沢明がデザインしたもので、映画「乱」の絵コンテだそうです。

飲んでみるとサラリしているけど口に含んだとたんに辛みを感じてしまうお酒でした。どうしてこのようなお酒を造ったのかをもう少し聞いてみたかったです。

「樽酒」は飲み忘れましたので、省略します。
 

最後にこの蔵のお酒の印象を述べてみますと、この蔵は昔からの技法を守りながら、色々なお酒を造っていますが、良いお酒は口当たりがよく、単に甘いだけでなく適度な辛みを入れた造りが多いような気がしました。今のはやりのお酒に迎合しないで、素直にそのままの造りをしているのが良いと思いました。でも、及川さんは高齢なので、近いうちに新しい杜氏に代わる可能性も高いのではと思いますが、新しい杜氏による新しいセンスと過去の伝技術と融合した新たなお酒を期待して行きたいと思っていますす。 

最後にこの会を企画していただいた宮坂さんにお礼を申し上げたいと思いますが、せっかくここまで企画したのですから、会の中でお酒1本1本丁寧に杜氏に説明してもらってからお酒を出すようにしてもらえるといいなと思っています

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2017年5月 3日 (水)

福井県の小さな蔵は個性豊かでした。

各県の酒造組合が主催する日本酒のイベントは沢山ありますが、その中で最も大きいのが新潟県酒造組合が開催する「酒の陣」です。このイベントは毎年3月に行われ、試飲して気に入ったものがあれば、その会場で購入できるのが気に入って、毎年参加してきましたが、年々参加者が増えて入場するだけでも1時間以上並ばなければいけない状態になってきました。また場内も満員電車の中の混み具合となって、ゆっくりお酒を嗜む状態でなくなってきていました。 

そこで今年は酒の陣の参加をやめて、その後に行われる福井県酒造組合が開催する「春の新酒祭り」に参加することにしました。福井県のお酒を飲むのは2013年に東京の椿山荘でおこなわれた「蛍と夕べの会」以来のことですが、その時の様子は下記のURLをご覧ください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-c1dc.html
 
春の新酒祭りは福井駅から少し離れた田原町にあるフェニックス・プラザでおこなわれました。この会はたぶん今年で9回目になるほど地元に定着したイベントとですが、毎年フェニックスホールの1階にある大ホール(最大2000名入場可能)でおこなわれています。僕は初めての参加でしたが、入場前に30分以上待つほどの人気があり、予想以上の混雑ぶりでした。
 
ここがフェニックスプラザの入り口です。
 
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下の写真がホールに入る前の通路で、出品したお酒の一部が買えるのですが、ブースの所で買うのとは違って、会場を出ると気に入った酒がどれだったかわからなくなるので、買いずらいと思いました。僕は結局買わずじまいで終わりました。
 
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会場はさすがに広かったですが、会場のレイアウトが判らないし、出品されたリストもないので、どうやって飲もうかさすがに困ってしまいました。蔵のブースが会場のどこかにあるかは書いてあったのかもしれませんが、新潟酒の陣のように、入場する時にレイアウト図を手渡してもらいたいものです。来年以降ぜひとも改善してもらいたいと思いました。参加した蔵は椿山荘の17蔵より多い24蔵でした。
 
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会場に入ってみますと人気のある黒龍や梵の蔵には試飲したい人がすらりと並び、それをかき分けて他の蔵を探すという状態でした。結果的には人が並んでいない蔵のお酒だけを飲む形となりました。帰りの電車の都合で2時間半の短い時間でしたが、小さいけど面白い蔵を見つめましたので、それを中心にご紹介することにします。
前の日に訪問した田邉酒造や美川酒造場ももちろん出店していましたし、どちらも小さな蔵ですが、この二つはブログに書きましたので、興味のある方はそちらを見てください。
田邉酒造
美川酒造場
 
1.原平酒造
 
源平酒造は九頭竜川の上流の大野市にあり、ここは北陸の小京都とよばれる歴史と文化を今に継ぐ城下町で、四方を山々に囲まれた緑と水の豊かな場所です。名水百選に選ばれた「御清水」があるので、酒造りに適したところで、いまでの4つの蔵が存在しています。その中にあって、300年以上の歴史がある由緒ある蔵が源平酒造です。
 
昭和の時代は日本酒ブームで、この蔵の売り上げも1億5千万以上もあったようですが、平成に入って日本酒離れが始まり、年々売り上げが下がり経営の苦しい状況が続き、その中でも2008年には全国新酒鑑評会で、2009年には金沢国税局酒類鑑評会で金賞を取るなど努力をしてきましたが、20010年についに売り上げが5000万円を切ることにjなり、事業継続は難しいと民事再生手続きを取ることになったようです。
 
その後株式会社アーキクリエイション(東京の南大塚に本社を持つ会社)がスポンサーとなり、再生活動が始まり社長の荻原さんが代表となり、蔵人も外から集めて新しい体制がスタートしたのが2012年です。その後2013年にはワイングラスでおいしい日本酒アワードで金賞を受賞するなど、着実に動いているようですが、現在の生産高はまだ100石前後のようです。
 
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写真の方は新しく三重県から来られて杜氏になられた眞野さんです。持っていただいたのは6段仕込みの純米大吟醸蝶ラベルです。醪の仕込みは通常初添え、仲添え、留添えの3段仕込みで行いますが、さらに3段追加する方法を6段仕込みと言います。真野さんのお話ではこれは偶然生まれた方法だそうで、社長からもう1本仕込んでくれと言われたけど、時間がないので、さらに3段追加したら面白い味になったので、この方法が定着したようです。でもその仕込み方は秘密のようです。

飲んでみると最初に甘い香りがするけどしっかりした味わいの中に辛みも感じながら消えていく独特のバランスのお酒でした。最初のうまみと後味の引き締まりのあるお酒なので、しっかりしたお料理にもある食中酒として面白いように思えました。まだまだ生産量は小さいけどこれからどんな変化を示すか楽しみな感じです。 

2.鳥浜酒造
 
鳥浜酒造は若狭湾の中の三方五湖の三方湖の近くにある蔵で、大正9年に若狭の町民50人が出資してできた会社で、初代は小堀彦五郎さんが社長でスタートして、その後小堀家が歴代社長を継いできていますが、株式会社なので誰が社長でも良かったようです。
 
現在の社長は5代目の小堀康彦さんですが、康彦さんの父の茂彦さんの代に最盛期を迎えたようで、蔵人が7-8人くらい働いていたそうですから、1000石近い生産高があったかもしれません。しかし平成の時代になると生産量が少なくなり、安彦さんが蔵に戻った平成7年には経営が厳しくなってきたそうです。そして平成11年に父が亡くなり、安彦さんが社長になったのですが、経営はさらに悪化していたので、平成14年に廃業を提案したそうです。
 
ところが株主から増資をするので酒造りを続けるように懇願されて、平成15年に造りを再開したそうです。蔵の建物は土蔵・木造2階建ての近代の清酒醸造工場としては貴重な建築物で登録有形文化財なので、観光地として蔵の見学ができるようにか改造したり、従来のお酒とは違った新しいブランドの「鳥濱」を出すなどして今日に至っています。経営は少し安定してきていますが、現在の生産高は120石程度だそうです。
 
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写真の方が社長兼杜氏の小堀安彦さんで、持っていただいたのは「鳥濱五百万石50%精米の純米吟醸です。飲んでみるとしっかりとした旨みで、酸味はすくなく最後に軽い渋みでバランスしています。味付けの濃い料理に合いそうです。この地方は川魚が主流でその濃厚な味付けに合うお酒として、甘口の「加茂栄」が主流だったのを少し飲みやすくしたもののようですが、それでもしっかりした味わいでした。その秘訣はと聞いてみたら、秘密だけど、酒母造りに工夫をしているとのことでした。 
 
3.雲の井 吉田金右衛門商店
 
この蔵は福井市の中心から西北西に12㎞程東尋坊の方に行った九頭竜川の西域の小高い丘陵地帯にある佐野市にあります。越前海岸に近く海の幸に恵まれている地区で、酒造りは盛んでかっては杜氏を出した地区でもあるそうです。
 
蔵元は代々地主の家柄で、江戸時代からあったそうですが、酒を造り始めたのは明治4年だそうです。福井県は精米は共同精米と聞いていましたが、この蔵は地元の五百万石と山田錦を中心に、全量自家精米でやっているそうですから、酒質の管理には非常に気を使っているように思えました。すべて小仕込みで、蔵内平均精米歩合が55%の純米の特定名称酒のみを造っているそうです。生産高は200石たらずで少ないですが、日本名門酒会の会員だそうですから、知る人は知る蔵なのでしょう。
 
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写真お方は社長兼杜氏の吉田和正さんで、、杜氏歴の15年近くになるベテラン杜氏です。かなりこだわりの酒造りをしていて、麹造りは突き破精で丹念に小箱でやるとか、速醸でもしっかち打瀬を取るなど、徹底した吟醸造りにこだわっているようです。持っているのは雲の井の山田錦の純米大吟醸の袋撮り熟成生原酒で、一般には出回っていないようで、自慢の秘蔵酒かもしれません。香りはそれほど高くはないけど、テクスチャーも柔らかく、バランスの良いうまい酒でしたので、もし見つけたら絶対買いですね。 

4.華燭 豊酒造
 
豊酒造は鯖江市下野田町にある蔵で、ここはJR鯖江駅から西に2-3km行ったところになります。創業は1753年だそうですからとても歴史のある蔵です。華燭とは珍しい銘柄ですが、華燭とは会津の絵蝋燭のことをいうそうですが、おめでたい時のお祝いに使うもののようで、8代目の当主の時に大正天皇のご成婚を祝ってつけたらしいです。現在の生産高は300石レベルのようです。
 
下の写真の左の方が11代目の蔵元の佐々木宗利さんです。丹波、新潟、能登の杜氏のもとで、15年間修業をした後、2002年から杜氏として、蔵を引っ張ってきていました。右の若い方は息子さんの克宗さんで、茨城大学の農学部を出た後、蔵に戻って父から酒造りを学び、今年から杜氏として酒造りを始めたそうです。 
 
僕はたまたま2000年に蔵を訪れたことがあるのですが、その時宗利さんが蔵に眠っていた珍しいお酒を飲ませていただいたことが強く印象に残っています。ですから熟成酒に経験が豊富な方だなとは思っていました。
 
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持っていただいたのは平成8年のお酒で20年古酒ですか、見ての通り色がほとんどついていないのです。本当に古酒ですかとお聞きし飲んでみました。熟成の香りは少ししますが、飲んでみるとめちゃめちゃ柔らかくて、バランスのいいお酒に仕上がっていました。いくらなら買ってくれますかと聞かれたので、1万円でも買いますよとつい言ってしまうほどでした。
 
実はまだ市販していないお酒で、今年に販売する予定だそうで、出たらすぐ買いたいですね。あまり熟成が進んでいないので何℃で熟成しているのですかと、聞いたらなんと20℃以下の室温だそうです。さらにどうしてこんなお酒ができるのですかときいたら、一つは密閉型の琺瑯タンクの熟成させていることと、作り立てのお酒には味を乗せないで淡麗に作ることだけですよというお話でした。このお酒は五百万石60%精米で酵母がM31だそうなので、とても価格を1万円にはできないから、いくらにするかな?おっしゃっていました。
 
この蔵の熟成の技術はすごいと思いましたが、世間ではまだあまり知られていないような気がします。世の中には熟成古酒ランキングというのがありますが、調べてみたらまだ載っていません。でもとてもいいお酒ですので、ぜひ飲んでみてください。
 
5.白龍 吉田酒造
 
吉田酒造は黒龍のある永平寺町にありますが、同じ町ですが黒龍よりは九頭竜川のずっと上流にあります。創業は1806年といわれていますので、約200年以上の歴史のある蔵で、白龍という名をずっと引き継いできています。白龍とは九頭竜川の白く泡立つ激流を白い龍となぞらえたものだそうです。
 
歴史は長いのですが、6代目の蔵元となった吉田智彦さんが蔵を引き継いだ時は福井県の中では最も小さな蔵と言われたほどだったそうです。智彦さんは東京農大を卒業後国税局農業試験所で酒造りを勉強し蔵に入ったのですが、まずやったのが自社田で山田錦を栽培することだったようです。最初は生産量が少なかったのですが、完全熟成堆肥を使って、生産量が安定したそうで、その後順調に生産が伸び、現在ではお酒の生産量も430石になっているそうです。
 
ところが昨年突然智彦さんがなくなり、現在は奥様の由香里さんが社長となり、娘さんが酒造りをしていますが、まだ杜氏見習い中だそうです。
 
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中央の方が由香里さんです。持っていただいているのは自家田の山田錦60%精米の山廃仕込みの特別純米原酒です。山廃仕込みは得意な蔵ではないそうですが、このお酒は評判が高く、このイベントで人気になったお酒のひとつのようです。うまみと酸のバランスが良く、後味の奇麗なお酒でした。ご主人をなくして、大変な状態なのでしょうから、ぜひみんなで応援しましょう。
 
6、福千歳 田嶋酒造 
 
この蔵は福井市の中ですが、福井駅から西に1㎞弱行った足羽川のほとりにあります。創業は1849年ですから江戸時代末期だそうですが、その場所は今の地ではなく今よりずっと西のはずれの清水町にあったそうです。そして今の地に来たのが昭和28年で、その時から町に名前(今はその名前はありません)の千歳を取って福千歳という銘柄が誕生したようです。
 
酒造りは昔から能登杜氏が来て行ったそうで、昭和51年までは全量山廃つくりだったそうです。昭和51年以降に初めて速醸のお酒を仕込むようになっていますが、やはり一押しは山廃でしょう。そのお酒も今変わろうとしています。それは蔵の跡取りの田嶋雄二郎さんが蔵に戻ってきたからです。
 
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この方が雄二郎さんで、東京農大を卒業後、蔵に戻ってきたのが6年前で、杜氏となったのが2年前だそうです。雄二郎さんがやりたい酒造りは以下の3つです。
 
  • 1.楽しみながら常にチャレンジして、笑顔になる蔵造り 
  • 2.福を呼べる酒造り(実際に喜んでいただける商品作りなど) 
  • 3.オンリーワンな酒蔵(ライスワイン、サクラロックなど) 
  • 持っていただいたのが左手に山廃純米大吟醸で、右手に持ってもらったのがサクラヌーボ生原酒です。山廃純米大吟醸はという名が、山廃純米吟醸はという名がつけられていて、ラベルもとわかり易くなっています。いずれも福井県産の越の雫というお米を使っていて、自家製酵母田嶋2号(9号系)を使った山廃つくりで精米だけが違います。この山廃の酸度は1.7もありますが、穏やかで、テクスチャにとろみがあってなかなかのお酒でした。 

    サクラヌーボはさくら酵母を使ったお酒で、生原酒はアルコール度数が19もあるので、ロックがいいように思えました。サクラヌーボにもいろいろな種類を造っているので、飲むときは要注意です。この酵母は農大時代に自ら開発した酵母なので、思い入れが強いようです。いずれにしてもこの蔵は雄二郎さんがこれから舵を取っていくのでどのように変わるのか楽しみです。蔵の生産高は聞きませんでしたが、雰囲気では500石ぐらいでしょうか? 

    7.越の鷹 伊藤酒造
     
    この蔵は福井駅から西北に九頭竜川を10㎞程下って行った江上町にあります。創業は明治27年ですから、すごく古い蔵ではないようです。歴史についてはホームページにあまり記載されてはいませんが、写真を見る限り昔からの酒屋で趣を感じる雰囲気を感じました。でも、設備は昔からのものをつかっているようですが、お酒の質は新しさを感じるように思えました。実際はどうなんでしょうか。
     
    現在の杜氏は下の写真の伊藤抵治さんです。伊藤さんは東京農大を卒業され他の仕事についたのですが、蔵の杜氏が他界したので、急遽蔵に戻ってもう約20年になるそうです。蔵に戻った時は借金まみれで、経営も苦しく、特定名称酒は一切なく普通酒しか作っていなかったので、営業にまわっても相手にさせす途方に暮れたそうです。
     
    そんな時に常山の元社長に励まされて一念発起し、新しい酒造りの勉強を色々方に教わり、特に食品加工研究所の久保先生のお力を借りて科学的に醸造する方法を取り入れたそうです。そうして生まれたのが純米吟醸酒越の鷹だそうです。
     
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    目指す酒造りは福井県の米と福井県の酵母を使ったお酒でちょっと濃厚さもあるがフルーティでシャープなお酒を目指しているそうです。持っていただいたお酒は最近福井県が開発した酵母のFK-80を使った純米大吟醸です。お米は越の雫100%使用で、精米歩合は50%だと思います。この酵母は昨年開発されたばかりでこの蔵以外では使用されていないとのことでした。 

    飲んでみるとカプロン酸の香りと酢酸イソアミルの香りのするフルーティなであるけど切れの良さもあるお酒でした。FK-80酵母をインターネットで調べてもまだ出ていません。こんな酵母をいち早く導入できるのは、伊藤さんならではのことではないでしょうか。きっと経営の方も順調なのでしょうね。生産量は聞き損ないましたけど、200~300石ぐらいではないでしょうか。
     
    「春の新酒祭り」に出展した蔵の中で、生産高500石以下と小さいけど頑張っておいしいお酒を造っている蔵を見つけて紹介いたしました。他にも同様な蔵もあったと思いますが、たまたま出会って気に入った蔵を紹介したので、見逃している蔵もあるとおもぃますがご容赦願います。
    僕は日本酒を愛するものとして、日本の日本酒業界全体のレベルを上げるためには、大きな蔵のレベルアップはもちろん必要ですが、小さな蔵が良いお酒を造ることが全体を引き上げるベースになると信じていますので、小さな蔵で、いいお酒を造る努力をしている蔵を見つけたら紹介していきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
     

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