Googleカスタム検索

私の好きな日本酒ブログ

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Qchanpapa

  • 日本酒
無料ブログはココログ

« 2016年12月 | トップページ | 2017年2月 »

2017年1月31日 (火)

銀座NAGANO日本酒講座で学んだ麹造りについて

長野県のアンテナショップである銀座NAGANOが主催で日本酒講座基礎コース後期連蔵講座として、9月から翌年の3月まで9回シリーズで洗米から瓶詰・貯蔵管理まで教える講座があることを11月に初めて知って12月より参加しました。12月は2回で麹造り、1月も2回で酒母、醪造りでした。参加して初めて知ったのですが、この講座は長野県の蔵で酒造りを体験する前の事前教育の意味もあったようです。 

Dsc_0497

蔵の体験をするためにはこの講座を最低6回受けなければいけないそうですが、今年の蔵体験は1月末から2月初めに麹造りを体験するそうですが、まだ4回しか参加していない僕の参加は無理と思っていましたら、最後まで受講すれば6回になるので、参加できることになりました。 

今回体験する蔵は丸世酒造店で体験内容は麹造なので、そのためにこの講座で勉強した麹造りについて事前に整理しておく意味で、ブログにまとめてみることにしました。この講座の先生は玉岡あずさんです。玉岡さんは銀座NAGANOに勤務している職員のようですが、お酒造りにはいろいろと経験をお持ちのようで、講義内容も深いものがありました。下の写真が玉岡さんです。 

Dsc_0610
今回は麹造りについて単にここで学んできたことを紹介するのではなくて、僕なりに蔵に行く前の整理としてまとめることが目的なので、僕が調べたことも書きましたから勘違いがあるかもしれません。もしあったら指摘いただければ幸いです。
 

まず麹造りの酒造りの中でどんな位置づけにあるかを考えてみます。酒造りで大切なのは一麹、二酛、三造といわれるように麹造りは非常に大切な工程であります。まず麹の役割はお米のでんぷんをアルコールの原料となる糖に変えることにありますが、それだけでしょうか。もっといろいろあるのでそれを整理してみます。 

<麹の役割> 

お米の中にはでんぷんだけでなく、蛋白質や脂質や配分やミネラルもあります。これが麹造りの段階でどうなるかを示します。 

・ でんぷんは麹菌が出す酵素のαアミラーゼやグルコアミラーゼによりブドウ糖を作ります。ブドウ糖はアルコールの原料となるだけでなく、香り成分にもなります。 

・ タンパク質は麹菌が出す酵素の酸性プロテアーゼや酸性カルボキシペプチターゼが蛋白質を分解し、アミノ酸を作ります。アミノ酸はまみ成分だけでなく、お酒の香り成分にも関わります。 

・ 脂質は麹菌が出す酵素のリパーゼにより脂肪酸を作ります。この脂肪酸は各種の脂肪酸エステルとなり香り成分や味わい成分の一つとなります。 

・ 灰分やミネラルは酵素活性のエネルギーとなるようです。 

ですから麹造りはアルコールの原料となる糖分造りだけでなく、味わいのもとになるアミノ酸のを作るのですから、アミノ酸の量をコントロールするためには麹造りが肝となるようです。 

このあたりをもっと知りたい方は僕の下記のブログを見てください。http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/9-2bb6.html

<酒造りの中での麹の位置づけ> 

酒造りの流れについてはいろいろな本に書かれていますので、僕は理解していたつもりでしたが、玉岡さんが造られた下記の図は酒造り全体の流れをうまく表現しているので、これなら全体がよくわかると感心してしまいました。こんな表現をしている図を見たのは初めてです。 

よく注意してみてください。細かいところに留意されています。例えば、麹は水と一緒に投入した後に、蒸米は必ず後から投入しています。それは水と麹を投入して麹を元気にしてから原料の蒸米を入れると麹菌が良く働くためだそうです。ですからこれを水麹と呼ぶこともあるそうです。また麹も酒母用の麹は酛麹、初添用麹は添麹という風に分けて表示しています。よく見ると面白いですね。 

Dsc_0500 

玄米から蒸米までは一直線に表示していますが、そこからが複雑になります。蒸米と麹は酒母と醪の工程の両方で使われるからです。もろみの工程には初添、仲添、留添の3つの工程があり、その作業は全部実施される日が違います。蒸米はその工程に合わせて造る必要があるので、それに合わせて蒸し作業が行われなければいけないことが分かります。 

麹はどうなのでしょうか。麹も酒母と醪の両方にに投入されますが、最初に作ったものでいいのでしょうか。当然酒母用の麹と醪用の麹は通常違います。酒母用の麹はでんぷん分解力やたんぱく質分解力の強く、ブドウ糖やアミノ酸をよく作る麹をつかうようです。ですから総破精の麹を使うことが多いようです。それに対して醪に使う麹は掛麹と言い、でんぷん分解力は強いが、アミノ酸の生成は少ないものを使うことが多いようです。それはアミノ酸が増えると味の濃いお酒になるのを嫌うからです。でも、実際にどのような麹を使うかは蔵によって違います。 

蔵によっては醪用の麹を初添、仲添、留添で同じ麹を使わないで、それに合わせて麹を作り投入することもあるようです。そうなると麹を作るタイミングも難しそうですね。麹が作り置きすることができればその点が楽になりそうですが、実際はどうしているのでしょうか。その点も考えて麹造りを勉強してみました。 

<蒸米と麹の投入量について> 

麹の行程を勉強する前に、醪に使う麹の量はどのくらいなのかを勉強しました。蒸米の量に対する麹の量は酒母の時が一番多く、最後の留添えの時が一番少なくなります。蒸米に対する麹の量の比率は以下の通りです。 

 酒母の時50%  
 初添の時40%   
 仲添の時30%  
 
 留添の時20%  
 

これだけでは比率はわかっても量的なことのイメージはできませんね。蒸米の投入時の蒸米の量の比率は酒母:初添:仲添:留添=1:2:4:6~7らしいので、簡略化して計算上1:2:4:7とします。すると蒸米の総量を1とすると、酒母は1/14、初添は1/7、中添は2/7、留添は1/2となるわけです。 

総米を600kg仕込みを考えた場合、総米(蒸米+麹米)は母で43kg、初添が85kg、仲添が170kg、留添で300kgになるわけで、各段階でそれにあった量の蒸米をタイミングに合わせて蒸す必要があることが判ります。蒸す時間は通常1時間ぐらいなので事前に準備できそうですね。 

それに対して麹の量は前述の麹の比率を当てはめてみますと、母が14kg、初添が24kg、仲添が39kg、留添が50kgとなり、総麹量は127kgとなり、麹の比率は21.2%となります。麹米の比率は20%~23%といわれているので、ほぼ合致いたしますね。麹の製造時間は丸2日かかるので、それに合わせて麹を用意するのは大変そうですね。 

蒸米に対して水の量は程同量入れますので、全体がどうなるかを示すわかり易い資料を見つけました。FBO出版の日本酒の基のテキストに図示されていましたのでそれをお見せします。銀座NAGANOで教わった麹の量より多いですが、普通酒の場合はこのぐらいになるのかもしれません。でもイメージをつかむには良い図だと思います。 

Dsc_0651

 <麹造りの工程:製麹(せいきく)> 

この工程についても玉岡さんはわかり易い工程表を作っていただいております。 

Dsc_0498_2

 麹の工程は通常蒸米を引き込んでから出麹をするまでは約2日強の時間かかります。上図の中でかっこ書きにしているところは、蔵によってはやらないところがあるからだそうです。これを簡単に表すと下記のようになります。 

1日目 引き込み ➡ 種切り ➡床もみ ➡切り返し
2日目 盛り ➡ 仲仕事 ➡ 仕舞仕事
3日目 出麹 ➡ 枯らし

それでは工程ごとにその内容を示します。 

<引き込み> 

蒸米を放冷して麹室に入れることを引き込みと言います。その時の温度は通常33~35℃くらいで、吸水率も+33%位です。引き込みは温度が変わらないように短時間でやる必要があるので人手をかけるようです。引き込んだ蒸米の温度を均一にするために、一度床と言われる台の上に積み置きして布をかけられ1-2時間おきます 

<種切り> 

蒸米の温度が均一になったら、床に積み上げた蒸米を崩して、床一面に広げて麹菌の胞子である種麹をまんべんに振りかけます。この工程を種切と言いますが、その間温度が下がらないように手早く行う必要があります。。 

<床もみ> 

振りかけた種麹が均一に蒸米につくように床の上でよくかけ混ぜます。この工程を床もみと言います。床もみの作業が終わったら再び床の上に積み上げて布野をかけて乾燥や温度が下がることを防ぎます。床もみの終わったときの温度をみあげ温度と言い、31℃から32になるようにするのが重要なことのようです。温度が下がると菌の繁殖が阻害されるからです。

<切り返し> 

床もみ終了後8-10時間たつと蒸米の表面が乾いて米の粒子同士がくっつき始め硬い状態になります。それをほぐしてよく揉み合わせる作業を切り返しと言います。切り返しは温度の水分を均一にすることと、麹菌に酸素を供給するのが目的ですが、この段階は菌がまだ食い込んでいないので、温度が下がらないよう迅速にやる必要があり、蔵人総出で行うようです。切り返し後は再び床に積み上げて布に包んでおきます。 

<盛り> 

切り返しから10~12時間後、引き込から22~24時間後になると、米に麹菌が繁殖した証である白い斑点が見えるようになります。このときはシャベルで崩すほどの硬さになっているので、通常は機械でほぐしてバラバラにします。この後は麹菌の繁殖による発熱で温度が高くなるので、一定の大きさの箱、(小さいもので15kg、やや大きいと30kgなどの箱)に入れる作業を盛りと言います。このときは下の図のように、通気性がいい室で専用の布の上に蒸米を片方または中央に6~8㎝くらいに盛るそうです。盛った箱は2~3段に積んで、積み上げた箱全体をキャンパスや毛布で包んで、温度を見ながら掛具合を調節します。 

1_2 

Photo_2

<仲仕事> 

盛りの作業の7-9時間たつと蒸米の温度が35℃から37℃に上昇します。このときの独特の青っぽい香りがするそうです。ここで熱の急激な上昇を防ぐために、再度温度が均一になるようにかき混ぜます。すると温度は1-2℃さがりますが、再び、箱の中で5-6cm厚さにひろげます。この作業を仲仕事と言います。通常は引き込んだ翌日の午前中に行うことが多いようです。 

Dsc_0505_2

積み上げた箱の上の温度が高くなりやすいので、定期的に上の箱は最下部に、下の箱は上に移動させます。この作業を積み替えと言います。 

<仕舞仕事> 

仲仕事の後6-7時間たつと蒸米の温度が37℃~39℃に上昇します。熱の急激な上昇を防ぐために、麹全体の温度を均一にするためにかき混ぜます。そのあと箱全体に薄く蒸米を広げて、表面積を広げるために表面に溝をつけます。この溝の形は蔵によって違い、丸くするところとかまっすくにつけるなど色々あります。この作業を仕舞仕事といいますが、この時が一番温度管理が難しくなるので、1時間おきに換気窓の隙間を調整するなど気を遣う作業だそうです。 

<出麹> 

仕舞仕事の後8~10時間前後、引き込みより43時間~45時間後に、麹が出来上がります。酒母麹の場合はさらに数時間延ばして出すこともあるようです。その時の麹の温度は40℃~43℃ですが、麹室の中で麹を手でほぐして敷き布ごと室の外に運び出して、これ以上麹菌が繁殖しないように冷却します。この作業を出麹といいますが、蔵によっては専用の部屋を設けているところもあります。 

<枯らし> 

麹部屋の外の寒冷で湿気のない通気性の良い床や棚に麹の用途別に布を広げて麹をさらします。掛麹が同じ麹でよい場合は用途別に分けて使えばいいですが、タイミングが合わない場合枯らした後に冷凍保存することもあるそうです。冷凍保存しても菌が死ぬわけではなく休眠状態になるだけだそうです。その場合はあらかじめ麹を作っておけば長期保存をすることができますし、季節の温度が上がったときにはもろみの温度を下げる冷却材としても使えるようです。 

以上で麹造りの工程の紹介を終わりますが、次に麹造りの全体の温度の流れを見てみましょう。 

最初にお見せするのが引き込み温度が高い場合の一例ですが、麹造りの各作業の初めに蒸米をかき混ぜる作業があるので、必ず温度が1~2度くらい下がっています。アミノ酸の量を抑えるためには35℃~38℃帯を素早くすり抜けることがポイントだそうです。逆にアミノ酸を増やしたいときはゆっくりその温度を通過させるようです。 

Dsc_05221_2 

低温引き込みの場合は初めの段階をゆっくり進めて、後半に一気に温度を上げる場合が多いので、アミノ酸の少ない切れの良いお酒になるようです。 

Dsc_05231_2 

<麹室について>

麹室は杉の木の壁で作られることが多いのは湿気を適度に吸うので、乾燥した室になりやすいからですが、最近は完全空調をしたステンレス壁の室もあるようです。麹造りの1日目の部屋と2日目の部屋は目的の違う麹を取り扱う可能性が多いので、部屋は最低2室必要です。大きな蔵では目的別に違う麹室を持つため10室くらい持っているところもあるようです。部屋のの温度は28℃が標準ですが、部屋によって温度や湿度の環境を変えることも多いようです。

<破精込みについて> 

麹の繁殖状態ついて麹菌の生育や度合いを表現する言葉に「破精」という言葉が使われ、米粒を割ってみた時に禁止の侵入した度合いを「破精込み」と言います。麹の形状には以下の4つがありますので、以下に示します。 

「総破精型」 

蒸米の表面全体が菌糸に覆われ、内部にも深く破精込んでいて、糖化力も蛋白質分解力も強いが、味が濃くなりがちです。酒母用に使われたり、濃醇タイプのお酒を目指すときに使われます。蒸米が膨軟だったり麹室のの湿度が高い場合にできるようです。 

「突き破精型」 

蒸米表面の菌糸の発育は表面全体を覆うことはなく、破精部分とそうでない部分に分かれているが、菌糸は内部に深く破精込んでいます。強い糖化力をもち、適度な蛋白質分解力を持っているので、吟醸酒や淡麗でふくらみのある酒造りに使われます。蒸米が外硬内軟で、麹室の乾燥状態が良い時にできるようです。 

塗り破精型」 

蒸米の表面全部が菌糸に覆われるが、内部への破精込みは少なく、糖化力も蛋白質分解力も弱く、味が薄くなりやすいく、粕が多くなります。蒸米の吸水が芯までいかず、表面のみが給水しているときの起きやすいそうです。 

馬鹿破精」 

蒸し米が柔らかすぎて中心部まで全体の破精が回り、握ると固まるようなものを言い、糖化力も蛋白分解力も弱く麹としては使えないようです。 

<麹室に使われている計測類> 

下記にしましたように昔からの乾漆温度計のほかに、デジタル温度計や留点温度計(最高温度を示す)ものとか、最近ではWiFI型の温度計とかロードセルなどの新兵器もあるようです。 

Photo_3 

以上で麹造りの紹介を終わります。

 にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ ←ご覧になったら、この日本酒マークをクリックしていただくとブログ村のページに戻ります。これでポイントが増えます。携帯やスマートフォーンでご覧の方はMobileModeではクリックしてもポイントは増えませんので、PC-Modeにしてからクリックしてください。よろしくお願いします。

2017年1月22日 (日)

蒸し燗に関する新しい工夫と一考察について

去年のことですが、フルネットの中野繁さんが企画した蒸し燗で愉しむ燗酒ベスト10に参加してきました。これは2015年に日本経済新聞に発表した「お燗にしたい日本酒ベスト10」に選ばれたお酒と主催者が推薦した2種類の銘柄を蒸し燗にして、お燗を楽しむ会です。まず最初に試飲したお酒のリストを紹介します。 

1.龍力    特別純米 生酛仕込み 3240円
2.船中八策 純米辛口酒        3024円
3.大七    純米生酛          2749円
4.神亀    手造り純米酒 辛口   3188円
5.常山    純米超辛口        2750円
6.飛良泉   山廃純米          2646円
7.一ノ蔵   山廃特別純米酒 円融 2489円
8.澤乃井   純米本地酒酒       2286円
9.真澄    純米酒 奥伝寒造り   2592円
10.男山   生酛純米          2490円
11.梵       ときしらず          2916円
12.菊姫   山廃仕込み 純米酒     3024円
 

上から10本は日本経済新聞が発表した順位で並べてあります。 

Dsc_0499 

Dsc_0498

 

Dsc_0497_2

今回は28人の参加で各テーブル7人が着席し、各テーブルに上記に示した順番で同一銘柄の蒸し燗したチロりが各テーブル1本が配られて、各人が50mlほど試飲をする方法で行われました。各銘柄でどれが良かったかを5点満点で採点してどれが人気だったかを投票しました。 

このブログはその評価結果を公表するのが目的ではないので、お酒の評価についてはコメントしませんが、1位は龍力で、2位は大七でした。この二つは僕も高く評価したので異論はありませんが、点数をつけるのは少し悩みました。それはどのお酒が旨いかという採点なので蒸し燗をしてどのくらいうまくなったかを調べるものではないので、もともとの酒質に左右されてしまうなと思うからです。龍力は何といっても兵庫県の特A地区の山田錦を使っていますので酒質が高いと思われますので、1位になるのは当然かもしれません。 

この会の初めに「庭の鶯」の特別純米「だるまラベル」で湯燗と蒸し燗との比較しましたが、確かに湯燗より蒸し燗の方が柔らかい気がしましたが、それだけでは手のかかる蒸し燗をする価値があるかどうかはわかりませんでしたが、中野さんが毎日蒸し燗を楽しんでおられるのですから、蒸し燗がおいしいことは間違いないと思います。しかも中野さんが、この方法を全国に広めようとこのような会を開かれたことはその熱意に頭が下がる思いです。ありがとうございました。 

このブログを書くにあたって、蒸し燗が本当に湯燗よりおいしいのか、おいしい場合はどうしてなのか、もっと簡単に蒸し燗をやる方法はないのかを実験で確かめることにしました。僕の努力の結果を示す前に、中野さんの蒸し燗の方法をご紹介します。 

これが蒸し燗用の杉の木製のせいろです。せいろの下には蒸気を出すためのお鍋、その下にはIHヒーターがあります。どう見ても一式そろえるためには約1万円はかかりそうですし、準備が大変な気がします。僕には蒸し燗をするのにそこまでするのかという感じで、なかなかその気にはなれませんでした。 

Dsc_0508
このせいろになかに下の写真のようにチロリを置きます。 

Dsc_0492

このせいろはこの大きさのチロリを4本置くことができるそうです。ですから28人の会が開催できたのですね。蒸し燗をしている写真をお見せします。 

Dsc_0501 

蒸し燗をするにはどのくらい時間がかかるのですかとお聞きしたら、水からやると20分くらいで、蒸気が出てからだと7-8分かなと言われました。ムーン、これは大変だ。こんなものを我が家に置くことはできない。もっと簡単にしかも短時間にできる方法はないかいろいろ調べましたが、内部を加工すれば可能な蒸し器を見つけました。それはツインバード製のSP-4137Wです。 

それを見てください。大きさはW260mm×D280mm×H320mmでそんな大きなものではありません。一番下がスチーム発生器でその上に2段のプラスティック製の容器が載っています。容器の高さは1段が80mmなので、その上のふたの高さを考えると、約17mmの高さのチロリは入るなと思いました。 

Dsc_0607

しかしこのようにには大きな問題がありました。2段目の容器の底は下記の写真のように網目状のプラスチックになっていて上下通しで使えないことが分かりました。 

Dsc_0650

でもこの蒸し器は定価が5400円で通販では3200円から3800円で販売されています。これ以上安価で使いやすいものはないと考え、購入してから底板を切り抜くことを考えました。 
でもそれは簡単なことではありませんでした。そのプラスティックは熱に強くしっかりした強度のあるものでしたので、カッターでは切れませんでした。そこで半田ごての熱で溶かしながらカットしてできたものが下の写真です。

Dsc_0651

これでチロルが入ることが確認されました。 

Dsc_0653

使った半田ごてです。どこでも売っているものです。 

Dsc_0660

使ってみて驚いたのは底部のヒーター部分に水を入れて電気を入れたとたんにスチームが発生したことです。それを調べてみると、とても優れた工夫がされていたのです。写真をお見せします。 

Dsc_0603_2

中央部にらせん状の壁があり、その中央にネズミ色の物体が見えるでしょう。それがヒーターでその周りの水だけが加熱されて蒸発する構造で、蒸発して減量した分だけ螺旋の壁の外から水が補給される仕掛けでした。ですからスチームが直ちに発生するのです。 

このようにに蓋をして蓋の中央から均一に蒸気が出る構造になっています。 

Dsc_0604_2

以上が今回使用した新しい蒸し器の紹介です。この蒸し器のほかに湯燗の代表としてサンシンのミニ勘助を使いました。 

Dsc_0647

蒸し燗のセットは蓋についている蒸気抜きの穴からデジタル温度計を刺し、チロリ内部のお酒の温度を測れるようにしました。この場合はしっかりお酒の中まで温度計が入っていいるかどうかを確認するのが重要です。 

Dsc_0655_2

この二つのお燗の味を確認する前にお燗を初めて。何分で何度になるかを水で調べましたので、お見せします。 

Photo

Photo_2

湯燗の場合は沸騰したお湯を勘助に入れて、3分たったら外に出して図ったものです。3分で約46℃になるのが分かります。蒸し燗の場合はスイッチをいてた時からの時間で35℃になったときに電源を切ったときの温度です。約8分で45℃になることが分かりました。 

このデータをもとにお酒をお燗をして飲んでみました。飲んだお酒は中野さんの会で1位になった龍力の特別純米 生酛仕込みです 

Dsc_0657_3その結果をお知らせする前に、冷でこのお酒を飲んだ印象を記します。生酛らしい香りとともに旨みが立ち上がり、優しい酸味がを少し感じながら、後味にゆっくりとした余韻を残しながら消えていくお酒で、冷でも結構うまいお酒でした。 

ミニ勘助で42度にお燗をして飲みましたが、口に含んだとたん冷と同じ旨みと香りがハット立ち上がり、さっと消えていくようになりましたが、何か荒々しさを感じてしまいました 

蒸し燗で42度にしたお酒は、口に含んだ感じは湯燗と同じように立ち上がるのですが、テクスチャーが全く違い、ソフトに当たってきます。後味は酸味はほとんど感じないでスウッと消えていきました。確かに蒸し燗の方が優しい味わいになりました。これはいけます。 

次に考えたのがどうしてこの差が出たのかということですが、実験する前は蒸気がお酒の中に入ったのではと思いまして、お燗が終わったときにチロリをよく観察しましたが、チロリの蓋の上には水滴がついていましたが、中に入っている様子はありませんでした。次に温度上昇時間ではないかという仮説のもとに、ゆっくりお燗ができるお燗器を探してみました。 

これは僕がたまたま持っていたお燗器で、ツインバード製のTW-D814Bです。今はこの型は販売中止でTW-4418Bで販売されています。定価は5400円ですが、通販では3200円程度で販売されています。写真をお見せします。 

Dsc_0599

左はヒーター部分でその上に酒器をおきます。ヒーター部分はアルミの金属になっておりこれで酒器を下から温めて温度を上げますが、メーカーの説明書では13分で所定の温度になるとのことでした。温度制御は4点できて、人肌燗37℃、上燗44℃、熱燗51℃、飛切燗60℃となるそうです。

これについても実際のどんな温度になるか測定してみました。その時の写真が下の写真です。

Dsc_0649_2

デジタル温度計の頭が重くて、うまくお酒の温度が図れないので、ミニ勘助に支えてもらっています、測定した結果を下記に示します。設定は上燗にセットしました。

Photo_3

13分で44度になると思ったのですが、8分で45度になりましたので、熱燗にセットされていたのかもしれません。セットがスイッチの位置なので本当に何にセットされているかがよくわからないのです。

このお燗器で42度にお酒を飲んでみましたら、蒸し燗とほぼ同じような感じがしましたが、蒸し燗の方が少し良かったかもしれません。まだ1回の試験なので正確なことはわかりませんが、湯燗との違いは温度上昇の違いなのかもしれません。

<僕の結論>

蒸し燗もお燗器でも約8分でお燗ができ、その味わいは湯燗より優しいテクスチャーが得られることが分かりました。でも現状では僕の選んだ蒸し燗器は自分で改造が必要で、メーカーに2段目の蓋の底がないものを作ってくれれば、すぐにでも蒸し燗器として使えますし、とても使いやすいです。

 

一方お燗器の方は温度計のセットが難しいこと、どのモードにセットされているかの表示がないので、温度計を内蔵していただければ、とても使いやすくなると思います

にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ ご覧になったら、この日本酒マークをクリックしていただくとブログ村のページに戻ります。これでポイントが増えます。携帯やスマートフォーンでご覧の方はMobileModeではクリックしてもポイントは増えませんので、PC-Modeにしてからクリックしてください。よろしくお願いします。

2017年1月10日 (火)

インフィニット日本酒中級コース第12回(酒の表現)

インフィニット日本酒中級コースも最終回の12回となりました。中級コースには卒業試験はありませんで、自分の判断で上級に進むことはできますが、今回は中級クラスのまとめとして、飲んだお酒の印象をどのように表現するかについて、実際に試飲したお酒で具体的に勉強しました。 

その例をお示しする前に、原則としてどのような手順で表現するかの原則論についてまとめておきます。香りについては日本酒の酒質を見ることにより、ある程度予想されるので、それを頭において嗅ぐことが大切だそうです。 

<香りについて> 

お酒の香りには香りのもととなる化合物を鼻で嗅ぎながら特定ししていき、その強弱、濃淡、状態、印象を言葉で表現していきます。まず香りの種類によって大きく8種類に分けて考えます。 

1.原料系の香り: 表現の一例(穀物のような) 

  ・ 原料のお米や酒粕から穀物系の香り
  ・ 蒸米、酒粕、ごはん、玄米、麹、餅の香りです
 

2.清涼系①の香り: 表現の一例(清涼感のある) 

  ・ エタノール、酢酸エチル、乳酸の香り
  ・ アルコールの香りはメンソール、すっとしたアルコール臭、
    酢酸エチルは溶剤とかセメダインの香り、乳酸はヨーグルト
    サワークリームの香りです。
 

3.清涼系②の香り: 表現の一例(青々しい)  

  ・ 新酒生酒に必ず存在するアセトアルデヒドや
    木桶や樽からくる木の香
  ・ アセトアルデヒドの香りは青草、ハーブ、青りんごの香りで
    木からくる香りは松の葉、杉の木の香りです。
 

4.果実系の香り: 表現の一例(フルーティな) 

  ・ カプロン酸エチルや酢酸イソアミルのエステル系の香り
  ・ カプロン酸エチルはリンゴ、メロン、グレープフルーツの香り
    
酢酸イソアミルはバナナ、パイナップル、洋ナシの香り、
    カプロン酸エチルのもとになるカプロン酸はミルクの香り
 

5.重厚系のの香り: 表現の一例(厚みのある) 

  ・ 高級アルコールからくる香り
  ・ 高級アルコールはその炭素数で香りは違ってきます。
  ・ 油性マジック、ろう、油脂、樹脂、穀物、木の実の香り
 

6.熟成系①の香り: 表現の一例(熟成の深みのある) 

  ・ 熟成によって生まれるフラノンの香り
  ・ 熟成の程度は温度や熟成期間で変わりますが、色である
    程度分かります。
  ・ 飴・シロップ、ナッツ、玄米、カラメル、紹興酒、ドライフル
    ーツなどの香りです。
 

7.熟成系②の香り: 表現の一例(漬物のような) 

  ・ Pスルフィド(硫黄化合物)の香りで、熟成の過程で出る
    ことがあるようです。
  ・ 硫黄、酵母、DMS,たくあん、温泉卵、ガス臭などの香り
 

8.不快臭系の香り: 表現の一例(鼻を刺すような、独特な) 

  ・ 製造工程のプロセスの中で生まれる化合物からくる香り
    で、色々なものがありますので、臭いから原因が推定
    できます。
    詳しいことは下記URLを見てください。

 http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/5-27fd.html                                                                         
  ・ ムレ臭(イソバレル)、糠(酸化)、老香(酸化や劣化)、紙臭
    (ろ紙)、カビ臭(TCA),つわり臭(ジアセチル)、丁子臭
    (4VG)などの香りがありますが、いい香りでないので、
    表現が難しいところです。
 

このように香りを特定したとしても、それを香りのもとになる化合物名のような専門的な言葉で説明するのではなく、表現の一例に示したように8つに分類した香りが分かるような表現をするのが基本のようです。そのほか、香りのの強弱、濃淡などの状態・印象を表現するのが良いようです。そのパターンもある程度決まっていますのでその例を示します。 

1.香りが強い場 :
  
しっかりとした、濃厚な、凝縮感のある、複雑な 

2.香りがやや強い場合:
  はっきりとした、ふくよかな、深みのある、
 

3、香りが中程度の場合:
  適度な、程よい 心地よい
 

4.香りがやや弱い場合:
  ほんのりとした、落ち着いた、優しい、やさしい
 

5.香りが弱い場合:
  控えめな、淡い、軽やかな、穏やかな、シンプルな
 

それでは香りの表現をまとめてみますと
①香りの具体例を出す
②香りの強弱を出す
③香の状態や印象を示す

と良いようです。

ではカプロン酸エチルの香りがあって、1回火入れで、まだアセトアルデヒドの香りがするお酒の場合の表現の例を下に示します。

リンゴののようなフルーティな香りに加え、メンソールのようなさわやかな香りが混在する」といった表現になります。もっといろいろな香りがあったとしても、印象の強い2点ぐらいを取り上げるのがポイントだそうです。 

<味について> 

味わいを書く場合は、口に含んですぐ感じるアッタク(1stステップ)、中程で感じる味(中域2ndステップ)、最後に感じるアフター(3rdステップ)に分けて考えます。例えば下記の表のように甘みは最初に強く感じたけど後は少なくなり、うま味はあるけど全体に薄い、酸は後半にしっかり感じるけど苦みは少ないが、滑らかさは抜群なお酒の場合を例にとると、下記の表のように示すことができます。  
 

Photo

このような時の表現は「しっかりとした甘みのボリューム感があり、舌触りがなめらかで上品な印象がある。そして徐々に酸味がしっかり広がり後口に苦みがほんのりと残る」といった表現になります。 

ポイントはこの表のようにはっきりと3つのステップに分けてチェックできるかどうかですが、これは簡単なようで難しいです。線の太さで表すことが難しい場合は、どんな味わいがどのステップで感じたかを認識できれば同じような表現ができることになります。 

以上のようなお酒の表現の仕方は、一般のお客様にお酒の特徴をわかり易く説明するときに使うので、蔵の専門家とお話しする場合は専門的な化学名を使ったほうが的確に情報交換ができるかもしれません。でもここでの表現の仕方は単なる印象ではなく、あくまでも科学的根拠に基づいての表現であることは忘れてはいけないところだと思います。

<試飲したお酒での例の紹介> 

それでは実際に2種類のお酒を試飲しましたのでそれについて、表現仕方を紹介します。

Dsc_0116_2

1.八海山大吟醸 山田錦40%精米 

  Alc度15.5、日本酒度+5、酸度1.0、AA度0.9、酵母協会1001、

2.あざくら 純米吟醸中取り 美山錦50%精米 
  Alc度15-17、日本酒度+2、酸度1.4、AA度1.1、酵母秋田15号

色を見てみましょう。あざくらは明らかに色がついています

Dsc_0115

それでは順番にテースティングしていきます。 

1.八海山 大吟醸

香はあまり強くなく、カプかイソかもなかなか判定しにくい程度である。そのために本当ならあまり感じない乳酸の香りも少し感じるので、これを表現すると、下記のようになりました。
「わずかにフルーツの香りがあるが、全体的にはシンプルで軽やかな印象です」

味については下記の表のようにまとめました

Photo
前述の例にちょっと似たバランスになってしまいましたが、表現としては下記のようにまとめました。
優しい甘みが広がり、滑らかな舌触りが心地いい。徐々に軽やかな酸味が爽快感をもたらし、後味に少しを苦みが残る
前述の例とはかなり印象が違うことが分かりますね。

2,あざくら 純米吟醸中取り

香りについては熟成によりできたフラノンの香りが少し出て、酵母が出すフルーティな香りが抑えられています。アセトアルデヒドが残っているので、さわやかな清涼感を少し感じさせる印象があるが、これはなかなか表現が難しい。

味を見ていくと最初に感じるのが酸であり、甘さは感じるけどシンプルなイメージで、うま味は多少支えているが弱い。滑らかさは酸が強いのであまり感じない。細かいコメントが難しいお酒ですが、次のような表現となります。
優しい甘みと酸味がしっかりとささえているのですっきりとした印象です

以上で紹介は終わりますが、コメントには正解はありませんが、まとめるのがいかに難しいかがよくわかりました。奥が深いですね・・・・・・ 

にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ ←ご覧になったら、この日本酒マークをクリックしていただくとブログ村のページに戻ります。これでポイントが増えます。携帯やスマートフォーンでご覧の方はMobileModeではクリックしてもポイントは増えませんので、PC-Modeにしてからクリックしてください。よろしくお願いします。

« 2016年12月 | トップページ | 2017年2月 »