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2016年12月31日 (土)

志田泉酒造のお酒はは大人の食中酒かな

11月のことになりますが、調布市仙川町にある日本酒バー「あふぎ」志田泉酒造の望月雄二郎社長をお呼びして志田泉を楽しむ会がありましたので、参加してきました。このお店は今年の6月17日にオープンしたばかりで、お店の中もカウンターを含めて十数人が入れるくらいのとても小さなお店です。「あふぎ」とは扇という意味のようです。

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お店は板倉美香さんが店主を務めていますが、板倉さんは藤枝市出身で、昔から日本酒がお好きで利酒師の資格を持っている方です。今までは全く違うお仕事をしていたそうですが、個人的に蔵の方をお呼びしたイベントを開いたりした経験はありましたので、前々からお店を持ちたいと思っていたのが念願かなって、独立されたそうです。

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日本酒にはこだわっておられて、お店の冷蔵庫には静岡のお酒を中心にこだわりのお酒が並んでいました。森本酒造の「火の用心」は知っている人はいないのでは? 興味のある方はお店のURLをご覧ください。

お店を開いてから蔵元をお呼びするこのようなイベントは2回目で、最初は磯自慢酒造をお呼びしたそうです。やはり地元のお蔵さんを主体にされているようですね。望月さんとは西日暮里の稲毛屋でお会いしたのかきっかけで、お知り合いになったそうで、社長の2年後輩だそうです。
それでは最初に蔵の紹介をしましょう。志田泉酒造は静岡県藤枝市にある蔵でJRの藤岡駅から瀬戸川に沿って5Kmほど北上し、新東名高速道路を超えた瀬戸川のほとりあります。この蔵の特徴は何といっても仕込み水にあるようです。この仕込み水は瀬戸川の伏流水で硬度が3.4の超軟水で、飲んでみましたが極上の柔らかさの水でした。もう一つの特徴はこのあたりでとれるお米かもしれません。蔵の南の瀬戸川の東には助宗という地区がありますが、この地区の農家と志田泉酒造が協力して藤枝SAKENOMIXというプロジェクトを作って、「誉富士」という酒米を供給しているそうです。
この蔵は初代当主の望月久作さんが明治15年に創業し、志田泉と名付けたそうですが、地名の志田にある泉のように奇麗なお酒という意味と、志し太く泉のように沸き立つお酒を造りたという意味があるそうです。戦時中は一時休業したことがありましたが、昭和29年に再開した後は早くから吟醸酒造りに取り組み、昭和43年には当時最も権威のあった「東京農業大学品評会」で金賞を取りました。その後静岡県の吟醸酒造りを研究し昭和59年から3回連続で「全国新酒鑑評会」の金賞を受賞するなどの実績を上げています。今では生産高800石から900石の比較的小さな蔵で、ほとんどが静岡県で消費され、県外に出るは約1/3だそうです。
社長の望月雄二郎さんを紹介します。
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雄二郎さんは幼い時から瀬戸川で遊んで自然にいそしんでいただけでなく、お酒や味噌などの香りの中で育ったので、お酒造りはともかく味と香りにかかわる仕事に携わりたかったそうです。大学を卒業後は協和発酵でお酒には直接関係のない部門に勤務した後、28歳の時に蔵にも戻ったそうです。当時はちょうど南部杜氏のベテランの高橋さんが酒造りをしていた時期で、杜氏から指導を受けるほか、静岡県の工業技術研究所の河村伝兵衛先生に指導を受けて酒造りを勉強したそうです。河村さんは今年お亡くなりになりましたが、静岡酵母を開発された方で静岡県の酒造りに貢献された大先生です。雄二郎さんのお話では僕は河村先生の弟子ではあるけど、破門状態なのですよと笑って言われました。それは、河村先生の弟子なら静岡酵母以外の酵母を使わないのが決まりだったからのようです。
 
静岡酵母の話は後にするにして、蔵に戻って約10年後の2007年に社長となられます。その時までは南部杜氏できたのですが、2009年に能登杜氏の西原さんに変えました。西原さんはどんな人かはお聞きしませんでしたが、まだ若いけどしっかりした方で、今では酒造りは社長と杜氏の二人で決めているそうです。昔は社長はオーナーで酒造りは杜氏に任せるのが普通の時代で、最近になると社長が杜氏も兼務して、自分の作りたいお酒を造る人が出てきましたが、雄二郎さんのやり方は作りたいお酒のイメージは80%は自分で決めるが、それをどうやって作るかは主に杜氏が決めるやりかたで、二人でコラボレーションして造っているそうです。
 
ですから、他の蔵人の意見は聞かないし、飲み手の意見も聞かないそうです。でもこれは飲み手を無視しているわけではなく、最終的には飲み手が好きなように飲むのは全く構わないそうで、飲み方を押し付けることはしないそうです。どんなお酒を造るかについては、時代の流れに乗ったお酒を造るのではなく、志田泉らしい食事を邪魔しないお酒造りを目指しているそうです。それがどんな味なのかはこの会で志田泉の色々なお酒を飲んでみて考えることにします。
それでは早速飲んだお酒の紹介に入りたいですが、その前に静岡酵母についてご紹介しておきます。静岡酵母は静岡県の工業技術研究所で開発された酵母で以下の7種類が実用化されているようです。
 
HD-1    :華やかな香りでやや酸が高い(大吟醸用) 
NO-2   :酸が少なく淡麗(本醸造用) 
New-5  :華やかな香り酸が少なく淡麗(純米吟醸用) 
CA-50  :マスカットの香り、すっきりさわやか(本醸造用) 
SY-103 :爽やかなかおり(本醸造用) 
5MT-1  :リンゴのような香り(本醸造用) 
HD-101 :HD-1の泡なし酵母(大吟醸用) 

この表現は「静岡の酒」というサイトからとったもので、この表現が一般的かどうかはわかりませんが、僕の認識では静岡酵母の香りは強さの違いはあっても酢酸イソアミル系の香りが主体と思われます。HD-1の酵母は昭和61年の全国新酒鑑評会で静岡のお酒が大量に入賞した時の立役者となった酵母です。この酵母は河村先生が開運の蔵から分離抽出した酵母で、その時の杜氏の波瀬正吉のHと土井酒造のDの名前から付けられたといわれています。これはまさに酢酸イソアミルの香りがたつ酵母です。でも最近の金賞受賞酒はカプロン酸エチルが強いお酒が選出されるようになり、静岡酵母では金賞が取りにくくなっているようですが、香りが強くなりすぎて酢酸エチルのセメダインのような香りが出てくると嫌ですが、適度な香りの場合はとても良いと思います。 

志田泉ではどのような酵母を使っているかというと、以下のようです。 

HD-1 :吟醸、純米吟醸、純米大吟醸
NOー2  :普通酒、本醸造酒
NEW-5  :純米酒、純米吟醸酒
HD101:生酛純米酒

M310 :大吟醸、出品酒

酵母の使い方は時代とともに変えているようですので、そのつもりで見てください。全国新酒鑑評会用にはカプロン酸の出やすいM310を使っているようです。、

望月社長の乾杯でスタートしましたが、3時間たっぷりのゆったりとした会で、下の写真ののように10種類のお酒を社長に説明を受けながら味わうことができました

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それでは飲んだお酒を飲んだ順でご紹介します。 

1.シダ・シドール 純米発泡性酒 

Dsc_0513シードルとはリンゴから作ったスパークリングワイのことで志田泉の発泡酒という意味でつけたそうです。 

山田錦60%精米で、アルコール度14%の発泡酒で瓶内2次発酵で作っていて、日本酒度は-14、酸度は1..3でした。 

飲んでみると舌にピリピリきて、結構酸味を感じましたが、それは炭酸ガスからくるもので、甘さはあまり感じられませずに、スイッと飲めてしまいました。 

2.純米吟醸 兵庫県山田錦 

Dsc_0528兵庫県産の山田錦の50%精米を使用し、酵母はHD-1を使っています。スペックはアルコール度は16%、日本酒度4.0、酸度1.3の純米吟醸です。 

飲んでみると香りはイソアミル系の香りとカプロン酸エチルの香りが両方感じたので、HD-1はもっとイソ系の香りが強いのではとお聞きしたら、志田泉の酒はカプが出やすい造りなのだそうです。 

飲んでみると山田錦らしいしっかりしたうまみを感じ、後味が少し辛みを感じながら消えていくお酒でした。 

3.純米吟醸 誉富士 

Dsc_0534このお酒は地元で生産している誉富士55%精米を使用し、、酵母はNew-5です。スペックはアルコール度15%、日本酒度+4、酸度1.2の純米吟醸です。 

飲んでみると香りは山田錦と同じ香りがしましたが、山田錦よりうまみが少なくちょっと軽い感じのお酒でした。バランスは山田錦の純米吟醸と似ているように思えました。 

このお酒は3年目の造りになるそうですが、この蔵の標準的な味わいのような気がします。 

4.全国新酒鑑評会出品酒 

Dsc_0530このお酒は兵庫県産山田錦40%精米で、酵母はM310です。スペックはアルコール度17%、日本酒度+3.5、酸度1.1で、醸造アルコールを添加した大吟醸で、今年の全国新種鑑評会用のお酒です。 

香りはややカプロン酸エチルが強いけどイソアミル系の香りもする華やかなものでした。味わいは味もしかりしていて辛みも少ないので、いわゆる志田泉のお酒とは違うように思えました。 

今年は残念ながら金賞は取れなかったけど、もうちょっとグルコース濃度が高くないと賞を取るには難しいといわれましたが、賞をとれなくてもあまり気にしていないそうです。 

5.純米大吟醸原酒H25BY 

Dsc_0532このお酒は兵庫県産山田錦40%精米で酵母はHD-1を使った純米大吟醸を蔵の3℃の貯蔵庫で3年間熟成したH25BYのお酒です。 

スペックはアルコール度16-17度、日本酒度2.0、酸度1.3です。 

飲んでみると熟成香は強くないけど、元の華やかな香りはほとんどなくなって、角が取れて飲みやすくなっていました。でもちょっと物足りないかな。  

6.ラジオ正宗 純米吟醸生酛 

Dsc_0544ラジオ正宗は2代前の当主の時に作った生酛作りのお酒で、造りをやめていたのですが、生酛作りをしたいということで2年前に復活させたお酒だそうです。ラベルは看板に残っていたものを写真を撮り、似たようなものにしたそうです。 

静岡産の山田錦55%精米で、酵母にはHD-101を使ったお酒で、味わいは現代風にしたそうです。スペックはアルコール度16%、日本酒度+3、酸度1.3です。 

飲んでみるといわゆる生酛的な香りはなく、味に厚みがありコクは感じますが、飲みやすい生酛でした。お燗をして飲んでみると、やや高めの温度だと辛みを感じなくていいように思えました。  

7.純米原酒 八反35号 

Dsc_0537このお酒は広島県産の八反35号を50%精米し、酵母にNew-5を使った純米原酒で、スペックはアルコール度17%、日本酒度+3.0、酸度1.1です。 

香りは少ないけど最初にスペック以上の甘みを感じるせいか、志田泉の酒の特徴である辛みをほとんど感じない落ち着いた感じのするお酒でした。 

これについて社長にお聞きしたら、八反35号は溶けやすく味の出やすいお米なので、、それを静岡流の造りで抑えたお酒だそうです。なるほど、造りでお米の特徴も変わってくるのですね。 

8.純米大吟醸 泉 斗瓶どり 

Dsc_0540このお酒は兵庫県産の山田錦40%精米で酵母はHD-1を使った純米大吟醸で、袋吊の中取りの斗瓶どりのお酒です。スペックはアルコール度17%、日本酒度+2.0、酸度1.4です。 

今年3月に作ったお酒で、飲んでみると奇麗な香りの中に、しっかりした味わいがあり、うまみのパワーが中盤まで残って、奇麗さを保ちつつ後味は志田泉らしく消えていくお酒でした。 

さすが出品酒のもとになる原酒のいいとこどりですから,うまいはずですね。僕の一番のお気に入りです。 

9.静岡県品評会出品酒 H23BY 

Dsc_0542このお酒は兵庫県産山田錦50%精米で、酵母はHD-1を使った静岡県清酒鑑評会の吟醸部門に出品した吟醸酒で、蔵の-5度の冷蔵庫で5年熟成したお酒です。スペックはアルコール度18~19度、日本酒度+5.5、酸度1.2です。 

5年熟成していますが熟成香は全くなく、まだ作り立ての若さをそのまま残したまま、香は少なくなっているけどまだ奇麗な香りもあり、テクスチャーだけが丸くなり素直な感じで飲めるお酒でした。 

熟成していても後味に大人びた辛みを感じさえるところは志田泉らしさが出ていると思いました。  

10.梅酒 梅丸

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この梅酒は静岡産の山田錦で作った純米生酒で作った梅酒で、地元でとれた梅をフレッシュなうちに漬け込んで作った梅酒で、甘みの少ない酸味のしかりしたさっぱりした梅酒で口直しにはいいと思いました。アルコール度数は11度でした。 

以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、9本のお酒を飲んで感じたことは、田泉のお酒は仕込み水の奇麗さを生かした奇麗なお酒だけれど奇麗すぎず、コメの味をうまく引き出して、旨みや甘みと酸とのバランスをさせ、余韻を短くして切れの良さを出していくお酒で後味に辛みを残していくのが特徴のような気がしました。ですから飲み飽きしない食中酒を目指したものと思いました。
 
最後にこれからどんなお酒造りを目指すのかとお聞きしたら、今の方向をさらに追及して、どんなお酒も納得できるお酒を造っていきたいそうで、これは終わりのない目標だそうです。最後に望月さんとのツーショットを載せておきます。

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この会の最後にじゃんけん大会で志田泉の前掛けをいただきました。子の前掛けは裏表のない特殊なもので、ラッキーでしたね。
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