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2016年12月17日 (土)

インフィニット日本酒中級コース第11回(他のお酒との違い)

インフィニット日本酒中級コースも11回となりあと2回となってしまいました。今回はちょっと趣向を変えて、日本酒を他のお酒とどう違うのかを考えてみることにしました。対象とするのは焼酎、ウイスキー、ワインです。

<焼酎について>

まずは焼酎を調べてみました。焼酎とはでんぷんを含む原料を麹で糖化し発酵させたもろみを蒸留して作ったお酒を言います。その原料としては、芋が有名ですが、米、麦、そば、ごま、黒糖などが使用されますが、原料によってその作り方は微妙に変わるようです。代表的な作り方を芋の場合で説明します。

原料のサツマイモを洗浄し、蒸した後冷却して粉砕します。それに麹菌をかけて芋麹を作るのかと思ったら、違っていました。最初は芋ではなく、お米を使います。まず洗米、浸漬したあと蒸し器で蒸した蒸米に麹菌をかけて米麹を作り、その麹と水と酵母を入れて25度から30度くらいで、1週間くらい発酵させた一次もろみを作ります。日本酒でいう酒母に相当します。

そのあとこの一次もろみに主原料の粉砕した蒸し芋と水を投入してさらに、10日から15日くらい発酵させた二次もろみを作ります。そしてその二次もろみを蒸留して焼酎を作ります。わかり易い図を見つけましたので、下記に添付します。ナツメ社の「うまい酒を科学する事典」を引用させてもらいました

Img003

本には説明はなかったので理論的なことはわかりませんが、粉砕した芋に麹菌をかけてもお米のような麹はできないのだと思います。その証拠に麦の場合は麦麹を作る工程があるようです。そばの場合は昔はそば麹を作るのは難しかったのですが、最近は技術が進歩しそば麹を作るようになったようです。

では麹菌には何を使っているのでしょうか。焼酎に使われる麹菌は黒麹菌、白麹菌、黄麹菌の3種類です。日本において最も馴染み深いのは黄麹菌で日本酒や味噌や醤油などに多く使われています。しかし、冬でも温暖な南九州ではお酒のもろみを作る最中に腐敗することが多く、酒造りは難しかったので、江戸時代の島津藩では日本酒の作りを禁止するおふれを出すほどでした。

しかし、九州より暖かい沖縄では泡盛が昔から普通に作られていました。鹿児島県の監督局の河内源一郎技師が、このことに疑問を持ち泡盛菌を取り寄せて、その中から黒麹菌の採取に成功します。この黒麹菌は飛散しやすいので蔵人の服を黒く汚してしまう欠点はありましたが、麹の中に大量のクエンを作るので、この酸のおかげでもろみの腐敗を防ぐ力が強かったのです。その後、九州ではこの黒麹を使った焼酎造りが定着しました。どうして黒麹が日本酒では使われないのかというと酸味が強いもろみができるので、お酒が酸っぱくなるのに対して、焼酎の場合は酸は蒸留されないので、お酒が酸っぱくならないからです。

その後河内さんは麹菌の研究を続けて黒麹菌からの突然異変によって白麹菌を発見します。黒麹菌は力強くどっしりした味わいになるのに対して、白麹菌はまろやかな香りの優しい味わいになるのと、飛散しにくいので服が汚れないという長所があったので、九州で広く使われるようになったようです。黄麹菌は華やかでフルーティな味わいになりますが、酸を出さないので、九州では焼酎用としては使われなくなっているようです。空調設備が整った現在では技術的には可能だと思いますが、設備費がかかりますからね

焼酎の蒸留には単式蒸留と連続式蒸留があります。この方法は下記の図のようにもろみをタンクに入れて下から加熱して蒸発したものを冷却する単純な蒸留方法で、もろみの中の成分が取り込まれるので、いろいろな風味の焼酎ができ、これを本格焼酎とか乙類焼酎と呼ばれています。一方連続蒸留は何段にも蒸留を重ねるので、雑味の少ない純粋なアルコールに近い焼酎になり、甲類焼酎と呼ばれています。

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焼酎と日本酒ははもろみの作り方は共通の部分はありますが、日本酒のようなキメ細かい造りではなく、かなり大雑把な造りのもろみであっても、蒸留することにより安定したお酒ができるようであり、どうしても日本酒のような複雑な味わいにはなりません。これをウイススキーのように樽で熟成させれば、違ってくると思います。

<ウイスキーについて>

ウイスキーは大麦の麦芽やライ麦やとうもろこしなどを主原料とし、発酵させたもろみを蒸留して作る酒を樽に入れて熟成させたものをウイスキーといいます。この製造工程を下記にしましますが、これもナツメ社の「うまい酒を科学する事典」から引用させてもらいました。

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まず、原料の大麦を水に浸して発芽させると、デンプンを分解する酵素を生成するので、ある程度酵素が増えてから発芽を止めるために乾燥させます。この工程を製麦といいますが、乾燥にピート(泥炭)を燃やした煙を使うとその煙臭がスコッチウイスキーを特徴づける香りの一つとなります。

 乾燥した麦芽はごみや小石を除去した後、粉砕され約63度の温水と混ぜられます。すると麦芽中のデンプンに酵素が作用し、デンプンが分解して糖分が温水中に溶け出す。こうして得られた液体を麦汁といい、この工程が仕込みと呼ばれます。 

麦汁を発酵槽に送り、酵母を加えてアルコール発酵させ、7%濃度のエタノールを含むもろみをつくります。ウイスキー適した酵母は数百種あると言われています。発酵の工程は48時間~70時間で、時間が長いほど乳酸菌が多くなり酸味が強くなるそうですが、この時間が味を変化させるようです。 

発酵で出来たもろみを単式蒸留器に送り、スチルの下部から加熱することにより、蒸発しやすいエタノールを優先的に蒸発させ、エタノールの濃度を増やしていきます。蒸留は通常2回行われ、最初に21%まで濃縮し、2回目に70%まで濃縮するそうです。そのほか連続蒸留でもっと高濃度にする方法もあります。この蒸留によって、エタノール以外の成分をどのくらい製品に含ませるかも味を決めていく大切な部分だそうです。 

蒸留により出来た無職透明な蒸留液(原酒)は加水して60%ぐらいしてから樽詰めされて、貯蔵庫で貯蔵ます。この濃度にするのは、樽に含まれる高分子成分を分解するのにそのアルコール濃度が適しているからだそうです。ウイスキー樽は気温の変化により呼吸するようであり、その呼吸により樽の外へ揮発成分が抜けながら熟成が進むようです。 

ウイスキーの味はどこで決まるのでしょうか。一番重要なのは樽の中での熟成期間のようです。行程的には焼酎と似ているところがありますが、樽での熟成期間が長いところが大きく変わります。ウイスキーの世界では数多くの種類のものが造られていますが、味わいの深さを比較するとワインや日本酒の方が味わい深いと思います。

<ワイン

ワインは原料となるブドウにアルコールの原料となる糖が十分に含まれているために、葡萄だけで発酵してアルコールを作ることができます。

ワインの製造工程については白ワインと赤ワインでは若干工程が違いますが、それについてもナツメ社の「うまい酒を科学する事典」から引用させてもらいました。

Img008

白ワインの場合は白ワイン用のブドウを使い、赤ワインの場合は赤ワイン用の黒色のブドウを使いますが、両方とも最初に余分な苦みが出ないように茎の部分を取り除く除梗を行います。そのあと果汁を取りやすくするために破砕を行います。

白ワインの場合はそれを圧搾し果汁を搾り取り、タンクに入れて酵母を加えて15度から20度で約2週間発酵さしますが、発酵を途中で止めれば糖分が残るために甘口になり、最後まで発酵させれば、辛口のワインになります。

赤ワインの場合は除梗・破砕の後、果汁、果皮、種子を一緒にタンクに入れて、酵母を加えて28度から30度で約1週間発酵させます。発酵が終わったワインはタンクの底から引き抜きを行った後、残った果皮と種子の粕を取り出し、それを圧搾してワインを取り出し、それをさらに発酵させます。

こうしてできたワインを入れたタンクの底には澱が溜まるので、澱引きをしてから樽に入れて1~2年熟成させ、それをに詰めてからさらに2年から5年熟成させますが、高級ワインは10年以上熟成させます。

以上がワインの製造方法ですが、日本酒と大きく違うのは日本酒はお米を麹菌で発酵させて糖を作るのに対してワインはブドウから直接作るのと、ワインは必ず熟成させること2つだと思います。これが味の差となるだけでなく、作り方の重点の置き方が大きく変わるもととなっています。

ワインの発酵はシンプルでその発酵のさせ方にあまり細かい管理は必要ありませんので、いかに良いブドウを作るかが大きな決め手となります。それに対して日本酒はお米の選択も重要ですが、お米違いを引き出すためには麹による発酵にきめ細かい管理が必要ですし、もろみの発酵も並行複発酵という高級な発酵をさせるので、もろみの状態を科学的分析をしながら管理していく必要があります。具体的にはもろみの比重、酸度、アルコール濃度、アミノ酸濃度、グルコース濃度などを測定しながら細かい管理をしていきます。日本酒の醸造は世界中のお酒の中で最も科学的な数値をもとに管理している方法です。

一方ワインの味を決めるのは熟成にあります。熟成は通常15度くらいの温度で熟成させますが、日本酒で同じことをすると熟成が進んで、色は茶褐色になり、香りも紹興酒のような香りとなり、ワインのようなきれいな熟成はできません。その原因は日本酒は酸度がワインの1/3以下と少ないので、熟成が進みやすくワインは熟成が遅いからだと思われます。日本酒の場合も温度を下げて熟成させれば、そのスピードは遅くなることはわかったいますが、まだまだ熟成に関する研究が浅く、ワインのような実績がないといえます。

以上いろいろなお酒の比較をしてみましたが、それを総括的にまとめると、以下のようになると思います。

香りや味の複雑さを順番に並べると、甲種焼酎<ウイスキー<乙種焼酎<日本酒<ワインの順になると考えます。ウイスキーが乙種焼酎より下というのは異論があるかもしれませんね。

蒸留酒であるウイスキーは樽での熟成に依存しているので、複雑といえども限界があるのに対して醸造酒は酵母が造り出す色々な成分がそのまま含まれているので、もともと複雑な要素を持っています。日本酒の場合は酵母の数が多く、焼酎よりずっと複雑です。ワインはブドウの種類が多いこと、樽による熟成が加わっていること、長期熟成により複雑な変化が起こることで一番複雑性が高いと思われます。

菅田先生の言葉によりますと、本当に良いワイン(1本30万円くらい)を飲みますと、複雑な香りと味が体を取り込み、とても幸せになるそうです。これは飲んだことのない人にはわからないそうです。日本酒では高級なお酒でも、なかなかそこまでいかないですが、科学的な研究に裏打ちされた技術があるので、世界のワイン業界からその製法については注目されていて、勉強のために日本来るワイン製造者が増えているそうです。日本酒でも「幸せになれるようなお酒」ができることを期待したいと思います。

ワインの酵母は日本酒のようにたくさんあるわけではなく、ボルドーの酵が一般的だそうです。ワインの世界でも野生酵母と呼ばれている自然酵母があり、土、ブドウの木、昆虫などから採取してるそうです。最近ではニュージーランドで、同じ果汁でも酵母によって全く違うワインができることが研究されていますので、これからもっと色々な酵母が使われるようになるかもしれません。日本の酵母は古い蔵で採取したものが協会酵母として普及しましたが、最近では各県の研究所で開発されたものがどんどん出てきているので、日本酒の酵母はワインの世界を凌駕しているものと思われます。

以上で日本酒以外のお酒との違いの説明を終わります。例によって試飲したお酒の違いをご紹介します。今回は下記の4種類のお酒でした。

1.黒龍38号 純米吟醸 山田錦50-55%精米 
  Alc度16、日本酒度+3.5、酸度1.2、AA度-、酵母自社酵母、

2.醸し人九平次 純米吟醸 山田錦50%精米 
  Alc度15、日本酒度+1、酸度1.4、AA度-、酵母協会1401
 

3.一念不動 特別純米 ひやおろし 夢山水60%精米  
  Alc度17、日本酒度-、酸度-、AA度-、酵母-
 

4.誠鏡 純米たけはら、山県産米65%精米 
  Alc度15.5、日本酒度-1、酸度1.3、AA度-、酵母小川酵母
 

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1.黒龍38号 純米吟醸 山田錦50-55%精米 

色はあまりついていないので、墨ろ過をしてるかもしれない。香りはイソ系をベースにしながら少しカプ系の香りがある。カプロン酸エチルの前駆体であるカプロン酸は少しミルクの香りがするのでわかるそうです。黒龍は熟成をさせてもフラノンの香りを出さない技術があるそうです。

味を見てみると甘うまい感じがぱっと感じるけど、テクスチャーがなめらかなのでそれを強く感じさせません。酸をうまくなじませて、アフターにコハク酸の苦みを少し出してバランスさせています。大人のバランスのお酒でした。 

2.醸し人九平次 純米吟醸 山田錦50%精米 

少し穀物系の香りがするのは熟成によるフランのから来ているものと思われます。14号系のイソ系の香りがベースとなっています

アタックに甘みがあり、過ぐに酸が出てほんのりうまみも感じてきます。その中盤から酸が強くなりとそのあとに苦みが混じって出てきます。1番のお酒はまとまった味がするのに対して、いろいろな味が飛び出してくるお酒でした。お燗を目的としているお酒かもしれません。  

3.一念不動 特別純米 ひやおろし 夢山水60%精米

カプ系の香りがベースで、イソの系の香りもします。酵母はたぶん7号酵母だとおもわれます。アルコールが高いので乳酸の香りとアセトアルデヒドの香りがあるので、若々しい印象です。

味を見てみると爽快感が強くてさわやかな味わいですが、酒質が荒く感じてちょっと刺激的な感じがします。   

4.誠鏡 純米たけはら、山県産米65%精米 

カプの香りがポンと来ますが、フラノンの香りと熟成香でマスキングされれカプロン酸の香りは見つけにくいし、イソ系の香りも見つけにくいです。

香りからは酸が強いのでは思いましたが、飲んでみると、思ったほど酸味はなく、トロットとしたうまみがあるので、アミノ酸が少し多いのかもしれない。最後の苦みはコハク酸からくると思われます。
  

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