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2016年11月22日 (火)

月の井酒造は奇跡を起こす蔵かもしれません

八芳園の日本料理店の槐樹で恒例の蔵元さんと一緒に楽しむ会が9月16日に開かれました。今回で15回目になりますが、毎回槐樹のお酒に合わせた特別料理をいただきながら、比較的少人数で蔵元さんと直接お話ができる貴重な会なので、今回も参加いたしました。今回の蔵元は茨城県の大洗町にある月の井酒造の社長の坂本敬子がおいでになりました。月の井酒造はここ2年間連続して全国新酒鑑評会で金賞を受賞している蔵なので、その理由を知りたくて参加したものです。 

2か月以上前の会の話を、どうして今頃ブログに書くのかといいますと、実は10月12日に東京で起きた大停電で、僕の写真データーや録音を保管していたハードディスクが壊れて修理不能となり、その時の写真がなくなってしまったので、ブログアップをあきらめていました。その会の様子をとっていた録音データだけは何とかほかの方法で復旧できましたので、この会を主催している八芳園の窪田さんにお願いして、その時の写真を送っていただいたので、ブログが書ける状態になって、今日に至ったというわけです。 

僕がブログアップを目的とした写真とは異なりますので、うまくはめられるかわかりませんが使わしてもらいます。お酒の個別の写真はインターネットからの写真を使わせていただくことにします。 

まずは蔵の紹介から始めます。蔵は茨城県大洗町にありますが、この地は那珂川のきれいな伏流水があり、潮風が吹き抜ける磯浜で、漁業で栄えたところで、約150年前に創業した老舗の蔵です。代表銘柄の「月の井」は漁船の出船や入船の時の祝い酒として地元に愛飲されており、一時は1500石の生産高があったようです。「月の井」の名前は民謡の「磯節」の歌詞の中にある中秋の名月から名づけられたとも、初代当主の彦市さんが川崎大師に参拝したとき境内にある「月の井」とういう井戸の名前にあやかってつけたといわれているそうです。 

Img_9251

現在の当主は7代目の坂本敬子さんですが、敬子さんは6代目の当主の坂本和彦さんと1985年に結婚され、蔵の女将として活躍され、3人のお子様にも恵まれました。ところが、2003年に和彦さんに食道がんが見つかり、余命1年と言いわたされたのです。その後、あらゆる最新の治療をしたにもかかわらず、2004年に帰らぬ人となるのです。その年から敬子さんは7代目の党首として、蔵を引き継ぐことになります。 

敬子さんはそれまで酒造りにはほとんど関わってはいませんでしたが、和彦さんと一緒になってオーガニックの酒造りを目指して、それに合った米つくりや蔵の再生などを準備していました。闘病生活の中で、和彦さんが「俺の代で残せるものが何もない」という言葉を聞き、夫の生きた証拠に有機の酒を造ろうと決意して、夫の前でそれを約束したのです。2人で考えて始めた有機のお酒造りをなんとか遂げさせようと思ったそうです。 

そして死の80時間まえに夫が書き残したのが「和の月」という新しいラベルの文字だったそうです。それは感動の物語ですね・・・・・ 

このいきさつについて取り上げた朝日新聞の記事の「80時間」が話題となり、2005年5月にに文芸春秋より死を前にした夫婦、家族の愛の物語として、「さいごの約束 夫に捧げた有機米の酒”和の月”」という単行本がが発行されたのです。その後、2006年の5月にフジテレビで、舘ひろしと安田成美が夫婦役でさいごの約束」の再現ドラマが放映されたそうです。 

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有機米の日本酒を作ることは簡単なことではありません。まずは有機JASの認定を受けたお米を使う必要がありますが、この認定を受けるためには3年以上無農薬である田圃で作る必要があるそうです。たまたま茨城県では長年無農薬のお米を作り続けていた農家の山崎正志さんにお願いして、無農薬の酒造好適米の美山錦を作ってもらえることになったそうです。JASの認定を受けた日本酒を作るためには、製造工程においても有害な化学物質を含んだものは使えません。たとえば、蔵の壁に合板を使うこともできませんし、消毒も化学薬品は使えないので、すべて熱湯消毒をするそうです。大変ですね・・・・・ 

敬子さんのお話では、古くからある蔵なのでJAS認定が取りやすかったのですよとおっしゃっていましたが、麹室だけは思い切って、和彦さんがやりたがっていた杉板つくりにしたそうです。 

念願の有機米「和の月」(なのつき)のお酒ができたのは2004年だったそうですから、和彦さんが闘病中に仕込んだお酒だったのでしょうね。夫にそのお酒を飲んでもらいたかったのではないでしょうか(飲まれたかどうかは聞いていません)。最初のお酒は美山錦60%精米の特別純米酒で、その翌年は玄米に近いお米でお酒を造りたいということで、80%精米の純米酒を造っています。このお酒は試飲できませんでしたが、酸味が強いワインのようなお酒になったそうです。その後はこの2種類を「和の月」として販売してきましたが、2年前に息子の直彦さんが蔵に戻ってきたのをきっかけに、精米度39%の純米大吟醸を今年初めて試験醸造したそうです。 

東京農大に行った息子さんが蔵に戻ってくるまでは蔵元として頑張りたいと酒造りをしてきましたが、何も知らない状態でもここまでこれたのは蔵人が一丸となってサポートしてくれたからと感謝しているそうです。後で知ったことだそうですが、和彦さんが死ぬ前の「和の月」の仕込みに入る前に杜氏の菊池さんに敬子がやりたい酒なのですから、親方何とかお願いしますと頼んでくれたそうで、それだから蔵人が一丸となったのでしょうね。人は心を一つにすると思いがけないパワーがでることを知ったそうです。 

以上「和の月」のメインに蔵の状態をご紹介しましたが、2年前に長男の直彦さんが戻ってきて造りを始めたのがきっかけで、今新しい風は吹き始めたそうで、全国新種鑑評会で2年連続金賞が取れたのもその現れかもしれません。今回その直彦さんが初めて作った新しいお酒の試飲もできましたので後で紹介します。 

試飲をしたお酒は下記の5種類で、それを紹介しましょう。 

1.発泡酒 アクア 純米酒  

2.全国新酒鑑評会金賞受賞酒 大吟醸  

3.和の月 有機純米大吟醸  

4.彦市 純米酒  

5.鯛より 吟醸酒 

いつものように氷が入った桶にきれいに並んでいました。右側に大吟醸と和の月が見えます 

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彦市の酒と鯛よりの酒が見えます。 

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では早速飲んだお酒を紹介しましょう 

1.発泡酒 アクア 純米酒 

Img_9269このお酒は地元のチヨニシキを使った純米発泡酒で、日本酒度-48、酸度3.7、アミノ酸度1.1、アルコール度数8-9%の瓶内発酵させた発泡酒です。 

このスパークリング清酒で、アルコール度数が少ないので、とても飲みやすい女性向きのお酒を狙ったものです。 

名前のアクアは水という意味ですが、大洗町にはアクアワールドという大洗水族館があるので、そこから名前をとったそうです。 

酒質的には甘酢ぱいはずですが、炭酸のさわやかさが前面に出ているので、口当たりの良いお酒になっているので、乾杯酒や睡寝前のドリンクにもいいかもしれませんね。 

2.全国新酒鑑評会金賞受賞酒 大吟醸 

07151041_57883f67d76e8このお酒は平成26年度、平成27年度と連続で全国新酒鑑評会の金賞をとったお酒です。兵庫県特Aの山田錦40%精米で、酒質は日本酒度4.5、酸度1.3、アミノ酸度1.1、アルコール15.8です。 

袋吊りの斗瓶どりを10本とった中から選び抜いた2-3本の斗瓶からとった1升瓶で2-30本という貴重なお酒です。酵母は明利のM310を使ったそうです。 

香りはカプロン酸のかおりですが、それほど強くなく、旨みもほどほどに抑えているけど、中盤からの膨らみがきれいで、酸とのバランスが良く後味の切れ方が素晴らしく、辛みを全く感じさせないお酒で、これなら金賞間違いないというお酒でした。 

温度が上がってくると滑らかになりテクスチャーが素晴らしい。この蔵の杜氏は南部杜氏の菊池さんですが、しばらく金賞をとっていなかったのに、息子さんが蔵に戻って一緒につくりをやるようになってからの連続受賞です。 

3.和の月 有機純米大吟醸 

このお酒は今年初めてオーガニックのお酒として初めて取り組んだ試験醸造のお酒なので、インターネットには写真がありませんでしたので、桶の中の写真で想像してみてください。 

今まで和の月(オーガニックの酒)は美山錦で60%と80%だけを作ってきたのですが、店頭にでると純米大吟醸のお酒と比べられるので、少し悔しい思いをしていたのですが、今までやってきたことに感謝するつもりで39%精米(サンキュー)の純米大吟醸を作ることにしたそうです。有機米を提供している山崎さんと相談したら、茨木では山田錦の栽培は難しいということで美山錦39%でやろうとしてたところに、兵庫県のある農家から有機米の山田錦を使ってくれないかとの申し入れが来てそれを使うことになったそうです。 

酒質についてはよくわかりませんが、飲んでみると上述の山田錦には少し及ばないお酒でしたが、有機米らしい優しさはありました。今年2度目のチャレンジをするので、期待してくださいとのことでした。 

有機のお酒を造るにはお米や設備に制約があるだけでなく、データーをきちっと取っておいく必要があるし、酵母も有機の証明書がなくてはいけないので、酵母は秋田今野の7号系の酵母を使っているとのことでした。そこまでしなくてはいけないとは大変なことね。・・・ 

4.彦市 純米酒 

20150907204536彦市は息子さんが蔵に帰ってきて初めて仕込んだお酒です。彦市という名前は歴代の蔵元が襲名していた名前で、その名前を復活させたもので、地元のお米を使い大洗らしいお酒を造ってみたいということでできたお酒です 

原料米は大洗産の一般米であるチヨニシキ100%使用で、精米度60%、アルコール度数は15-16度で、酵母は協会酵母7号を使っているそうです。 

ラベルは地元の海をイメージしていて、大洗らしさを出していました。 

飲んでみるとお米の香りと高級アルコールの香りがするけど、いやな香りではなく、味は甘みと酸とのバランスが良いなかなか面白いおさけで、後でまた飲んでみたいなという思いをさせるお酒でした。4合瓶で1200円だそうですから、コストパフォーマンスはすごくいいですね。 

5.鯛より 吟醸酒 

02282025_56d2d924645deこのお酒は月の井の定番のお酒として昔から作っていたお酒で、漁師が漁から帰ってきて「今日はよくやたね」と晩酌するお酒としてく造ったものだそうです。ラベルには鯛の絵が描かれていますが、これは落語家の鶴太郎さんが書いたものだそうです。 

お米は美山錦55%、酒質は日本酒度3.5、酸度1.3、アミノ酸度1.1、アルコール度数15.5と標準的なお酒です。 

飲んでみるとさわやかなさらりと飲めるけど、お酒の輪郭がきちっとしていて、食中酒としてとてもいいお酒だと思いました。これは適切なアルコール添加の技だと感じました。 

以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、飲んだお酒はどれも個性があり違い味わいを持っているのに感心しました。これは杜氏の菊池さんの腕が言いことを表しています。 

最後に敬子さんが言った言葉が気になりました。 

今では生産高は500石と小さくなりましたが、10年ぶりに息子が帰ってきて作りを始めたら、また昔の活気が出て蔵人が一つになり始めましたので、これからまた奇跡が起こるような気がします・・・と 

それを大いに期待しましょう。 

最後にお料理をお見せしたいのですが、写真がないので一つだけお見せします。それは「はなみえ」のてまり寿司です。 かわいいでしょう!

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2016年11月19日 (土)

インフィニット日本酒中級コース第10回(味の表現)

インフィニットの日本酒中級コースもあと3回(実際にはこのブログを書いている時期ではあと1回)となってしまいました。この中級コースを卒業して何か資格が得られるのでしょうか。そんなことはないそうです。このコースの上には上級コース、さらにその上にはプロコースがあるそうですが、プロコースの最後には厳しい卒業試験があるだけで、それまでは試験はなく、自己判断で進級できるようです。でも最初からプロコースに進む人はいないようで、今プロコースを卒業した人はまだ9人しかいないそうです。 

プロコースを卒業しても公的に認められる資格ができるわけではないけど、杜氏の補佐ができる営業になれる、酒販店の営業を指導できる、デパートの酒販売の営業指導ができるというレベルの実力をもち、日本酒の正しい情報を世の中に伝える仕事ができるような人を育てることが目的のようです。そして、今年、プロコースの人が中心になって酒研究会が発足したので、これからこの会がどのような活動していくかが見えてくるようになるものと思われます。楽しみですね。 

それでは中級コース(初級コースもあります)、上級コース、プロコースでどのような教育をやり、どのようなレベルになるのでしょうか。具体的な説明はなかったので正確なことはわかりませんが、インフィニットの今までの活動や今まで教わった中身から考えると、中級コースは、お酒の香りや味を構成しているものは何か、それが酒造りのどのプロセスで出来上がるか、そしてその香りと味の違いを体で感じ取れるようになるレベルだと思います。プロコースでは試飲するだけで、お酒のスペック(精米度、アルコール濃度、火入れの回数、熟成度、さらには酸度、日本酒度、アミノ酸度、酵母の種類)をある程度正確に推定できるレベルだと思います。もちろんお料理との相性の説明もできるし、造りの良さや悪さもわかるでしょうね。造りの部分まで考えるところがワインのソムリエとは違うところだと思います。上級コースは中級とプロの間ということになります。 

今回は中級コースの仕上げの段階でですので、お酒のスペックからどんな香で、どんな味がするのかを想像して、そのうえで試飲したお酒をどのように表現するかの説明を受けました。お酒の瓶のラベルにはお酒のスペックが書かれていますが、最近はそれをあまり書かない蔵も多くなっています。しかし、特定名称酒で必ず書いてあるのは、米の精米度、アルコール濃度、醸造アルコール添加の有無で、これが判れば、酒質の70%はわかるそうで、その上に酵母の種類、火入れ、熟成度が判ればからさらに正確に推定できるようです。 

<精米について> 

お米を精米すると蛋白質は少なくなり、デンプンの比率が多くなります。すなわち精米が進むと蛋白質からできるアミノ酸や高級アルコールが少なくなり、デンプンからできる糖や酸が主体となるお酒になります。精米度の高いお酒は糖を主体とした甘みを感じるシンプルで綺麗なお酒になります。精米度が悪いと油っぽい香りのする高級アルコールや旨みや苦みの素となるアミノ酸が多くなりコクのある複雑な味になりなります。中間の精米度は50-55%と思われます。 

<アルコール濃度について> 

アルコールには甘みを感じるグリセロールと苦みを感じるチロソールが含まれているので、アルコール濃度が高くなると、甘みと苦みが増えてきます。逆にアルコールが少なくなると甘さも苦みも減ってきます。したがってアルコール度数の高い17%以上の原酒はしっかりとした甘みとコクの元になる苦みがあるので、濃い味のおになります。 

アルコール度数が減ると甘みも苦みもなくなるので、軽い淡泊なお酒になります、。中間のアルコール濃度は15-16%といえます。通常は原酒を作って加水してアルコール濃度を下げることが多いので、加水すると酸度以上に酸を感じやすくなるそうです。 

<アルコール添加について> 

アルコール添加するアルコールは糖蜜から作られる蒸留アルコール(96%濃度)を薄めて30%濃度のアルコールを添加します。アルコール添加するとアルコール濃度は上がりますが、全体としては水が増えているので、味は薄くなります。加水してアルコール濃度を下げればなおさら薄くなります。アルコール濃度だけでは味の予測は難しくなってきますが、アルコール添加すると薄くなると考えるべきだそうです。 

<火入れについて> 

味そのものよりも香りに影響が出やすいそうです。入れすると香りが穏やかになり、丸みを帯びて穏やかになります。火入れをしないと多少角が立つけど清涼感やフレッシュ感が出てきます。火入れをすると丸みを帯びるのは、温度を上げることにより水分子が動き易くなり、冷やして動きが小さくなったとしても前の状態より変わりマイルドになるようです。また温度を上げることによりアルデヒドは飛散して清涼感はなくなりますが、少しポテッとした感じが出ます。また、メーラード反応によりフラノン類の生成も起こることもありますので、その時は老香のような香りが出てくることもあります。 

<熟成について> 

熟成は温度の影響が大きく、温度が低くなれば長い間熟成しても香りは多少減るけれども、熟成香は少なく、色もあまりつきませんが、温度が高いと短い時間でも熟成香が出ると同時に苦みも出てきます。ですから非常に複雑なので、色と香りで熟成の度合いを判断するしかありません。お酒の苦みを出すのは3つあるそうです。アタックから中域で感じる苦みはアルコールの苦みで、中域からアフターに感じる苦みはフラノンやアミノ酸の苦みで、アフターの最後に感じる苦みはコハク酸と考えるといいそうです。 

<味の表現の仕方> 

代表的な日本酒のスペックの味を考えてみます。 

アルコール度15-16%、日本酒度+5、酸度1.3、アミノ酸1.3という平均的なお酒を考えてみます。お酒を口に含んだ時に最初に感じるのがアタック、中ほどが中域、最後に感じるのがアフターです。冷たいお酒を口に含むと、口の中のお酒の温度もアタックからアフターにかけて温度が上がっていくので燗上がりのようにうまみを感じやすくなります。 

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この表を見てください。上記のお酒の味のイメージを書いてみました。矢印の太さが強さを表しています。アルコールや糖の甘さは最初のアタックで強く感じますが、アミノ酸が多いので、うまみ成分が中盤から強くなり、アフターの余韻が強いお酒になります。酸は最初から最後まで同じように感じます。苦みはうまみと同等の動きをします。一般的に酸があってアフターでバランスするお酒がお燗に合うと思われます。それはアフターが一番温度が上がるのでお燗に近くなるからだそうです。 

一般的に飲みやすいお酒は中域でバランスが取れています。もし新政のお酒のように日本酒度0、酸度1.8、アミノ酸0.6のお酒でしたらば、味のイメージはだいぶ変わってくると思います。甘さが強いのでアタックがドンと出ます。でも酸はしっかり感じますが、アミノ酸が少ないのでうまみはあまり感じないで、酸によってアフターですうと消えるお酒になります。 

このようにお酒のスペックに合わせて、口の中でのアタック、中域、アフターで感じるイメージを持つと飲んだお酒をうまく表現ができるようになるそうです。そのポイントを教えてもらいました。 

<アタックのコメント> 

・ アタックは甘みを一番感じるとき場所なので、その甘さ感を表
  
現をする 

・ 舌触りが良いかどうかテクスチャーとして表現する

<中域のコメント> 

・ 膨らむ場合:甘みやアミノ酸が多いとアマ旨さが膨らんでくるの
  でそれを表現します
 

・ 膨らまない場合:甘みや旨みがないので、膨らまないと表現する 

・ 酸との全体のバランスも表現する  

<アフターのコメント> 

・ まず酸が顔を出てくるので、それを表現する 

・ 旨みと苦みの強さと余韻を表現する 

このように絞り込んで味の表現するといいコメントができるようになるそうです。 

<具体的の試飲したお酒をどう表現するか考えてみましょう> 

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1.司牡丹 槽掛け 純米大吟醸 山田錦35%精米 
  Alc度16-17、日本酒度+4、酸度1.3、AA度1.0 酵母1801、
    熊本酵母
 

2.鶴齢 純米吟醸 越淡麗55%精米 
  Alc度15.5、日本酒度+2.5、酸度1.5、AA度-、酵母-
 

3.黒龍 吟醸 ひやおろし 五百万石55%精米  
  Alc度18、日本酒度+6、酸度1.2、AA度1.3、酵母自社
 

4.杣の天狗 純米吟醸 山田錦59%精米 生原酒
  Alc度17-18、日本酒度+4、酸度1.7、AA度-、酵母協会10号
 

まず色を見てみましょう 

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一番色がついているのが1番と4番で一番薄いのが3番です。1番と4番は少し熟成しているかもしれません。また4番は多少濁りがあるので、滓が入っていることが判ります。

それでは先生のコメントを紹介します

1.司牡丹 槽掛け 純米大吟醸 

香りはカプロン酸の香りが強いのは酵母が協会酵母1801を使っているからです。精米度が35%なので、高級アルコールの香りは全くしないし、甘旨みが減るはずなのですが、アルコールが16-17%あるので、アタックでそれなりに甘みと苦みは感じます。中域での旨みの味はほとんどなく、酸も強く感じないまま、アフターでスッと消えるお酒です。舌触りの滑らかさはそれなりにあり、アルコールのピリピリ感はなく上手く仕上げています。 

一般的に35%も磨いたお酒でアルコール度数を15%にすると、どうしてもペラペラなお酒になるので、アルコール濃度を上げて造ることが多いそうです。 

2.鶴齢 純米吟醸 

1番とは違って香りが少ないので高級アルコールの油っぽい香りを感じます。この場合、香りが高い酵母を使えばこの高級アルコールの香りはマスキングされるそうです。飲んでみるとアタックに甘さはほんのりの感じ、中域から旨みをそこそこ感じます。中域に感じなかった酸をアフターで強く感じます。酸度1.5だと、甘さと旨みが抑えてあるので、どうしても酸度を感じてしまうのは仕方がないそうです。 きっと夏酒を狙ったバランスのお酒を造ったものと思われます。

アフターに少し苦みを感じますが、アルコール度数も少ないし、アミノ酸も少ないようなので、これはコハク酸からくる苦みと思われるそうです。そうなるとイソアミル系の香りを出す酵母を使ったのではないかと想像されるそうです。 

3.黒龍 吟醸 

香りはまさにイソアミル系の香りでしたが、アルコール度数が同じくらいであっても、4番のお酒に比べると少し淡い感じでしたが、それはアルコール添加しているからだと思われるそうです。イソアミル系の香りの奥にカプ系の香りがあることから88号のお酒と同じ系統の酵母が使われたのではないかと想像できるそうです。なぜ、アルコール添加をしたかははっきりはわかりませんが、綺麗さを保ちつつボリューム感を持たせるのが目的ではないかと思われます。 

飲んでみますと、アタックにほんのり甘みを感じた後中盤でうまみが広がり、アフターにはコハク酸の苦みを感じるお酒ですが、その苦みはそれほど強くはないお酒でした。原酒でありながらアルコールのピリピリ感はなく、アルコール添加で酸味を引き立てているので、酸度は1.2に抑え、日本酒度も+6と甘みを抑えるけど、アミノ酸1.3でうまみとバランスさせるよく考えられたお酒だと言われました。これが黒龍の腕のすごいところだそうです。 

4.杣の天狗 純米吟醸 

香りはイソアミル系の香りが強いけれど、カプ系の香りも感じる少し複雑な香りですが、香りの強さは3番の黒龍より強く感じます。それはアルコール度数が高く、原酒だからだそうです。酵母が協会10号なので両方の香気成分を出すのは当然で、これだけ香りが強いと、精米度が60%近くても高級アルコールの香りはマスキングされるようです。酵母由来の香りの他にお米の香りがするのは無濾過生原酒だからで、よく嗅いでみるとアセトアルデヒドの青臭い香りも感じられます。また、色から見ると熟成が進んでいるので、フラノンの苦みも感じるそうです。 

飲んでみるとアタックで甘みと舌触りの良い滑らかさを感じるけど、べったり来なくて、中域で甘み旨みと酸とのバランスが良く、アフターで酸がすっきり切ってくれるお酒でした。後味で苦みが残るはコハク酸だそうです。原酒としてのパワーを感じるけど全体的には旨く収める表現しています。上原酒造のお酒は初めてだったそうで、またお飲んでみたいお酒だったそうです。

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2016年11月 4日 (金)

これで決まりだ! 我が家の日本酒冷蔵庫

僕が日本酒冷蔵庫を探して見つけた冷蔵庫はれマコムで、それが我が家に来たのは2008年6月です。それからレマコムを使いこなそうといろいろと手を加えてきました。何をやってきたかを整理してみます。

我が家に初めてレマコムが届いた2008年6月の時のブログです。うれしくて気に入っているようすが判ります。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_53ae.html

レマコムはガラスのショーケースなので、ガラス面から冷気が逃げやすいとかガラス面に露がつく問題なあり、このためにいろいろ試験をした結果の最終案が9月に書かれていました。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-8af8.html

レマコムの最大の問題は温度制御です。その解決のために温度記録ロガーを付けて測ったり、メーカーに問い合わせて改善を試みましたが、解決しませんでした。その経過を記録に残しました

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-73dd.html

そしてその中でも最後の奥の手として行った改造は庫内にFANを入れることです。これは多少良くなった程度で本質的改善はできませんでした。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-10b8.html

以上のような改造を施し使いこなしてきましたが、なんといってもこの冷蔵庫は温度設定ができないのが最大の欠点です

結局夏場は7-8℃、冬場が3-4℃と成り行き任せの制御で、それ以上はできないことが判り、レマコムには生酒は入れない、生酒は家庭用大型冷蔵庫に入れて使ってきましたが、最近時々自分で食事を作るようになってから大型冷蔵庫を本来の機能に戻す必要を感じ、本格的な日本酒冷蔵庫を探索することにしました。

まず選択条件は以下の4点としました。

1. 現在のダイニングルームに違和感なく収まること

2. 保管温度が0℃から3℃が可能なこと(生酒保管のため

3. 1升瓶が9本以上入り、4合瓶が30本以上入ること

今のダイニングルームの冷蔵庫のレイアウトを見てください。

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レマコムが右端に置かれていて左奥に大型の冷蔵庫がおいてあり、レマコムの左には移動式のボックス(以前はステレオアンプ用の棚で、上にレコードプレーヤーがおける)があるので、これを動かして空いた場所における日本酒冷蔵庫を探してみました。

そうなると横型冷蔵庫ということになります。インターネット検索すると横型冷蔵庫家庭用というものがありますが、良く調べると業務用を家庭用に使えると書いてあるだけです。部屋の大きさから寸法を幅1200mm~1500mm、奥行き450mm、高さ800mm~900mmとして調べてみました。

メーカーとしてはHoshizaki、Fukusima、Daiwa、Panasonicの4社がありましたが、どういうわけか、内容積が各社違うのです。僕は4合瓶を2段におけるということで、検討しましたが、1升瓶は105mmφ×410mmH、 4合瓶81mmφ×280~300mmHですから、4合瓶を縦に2段詰するとなると、内部の高さが630mmは必要になります。それで選ぶとPanasonicしかありませんでした。Panasonic以外は600mmしかありません。

次にPanasonicについて調べてみると、2つのタイプがありました。1200m幅のものは55000円から70000円で売られているのに対して、1500mmのものは95000円から105000円するのですから、普通は1200mmを選びたいところです。 

そこで寸法の詳細を調べてみました。下の写真が1200mmの冷蔵庫の寸法です

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1500mmの冷蔵庫の寸法は下記の通りでした 

Dsc_0088

よく見てください。横幅の寸法が違うのは当たり前ですが、大きな違いを見つけました。1200mmの方は扉がドアポケットになっているので、庫内の奥行きが250mmくらいしかないように見えるのに、1500mmの方はしっかり300mmあります。これなら合瓶が3列並べられるということで、1500mmの冷蔵庫を選択しました。その型番はSUC-N1541Jです。価格は税込みで96000円弱でした。

品物はPanassonicから10月28日に直送されましたが、積み下ろしと家までの引き込みは自己責任でやることになっていましたが、集まった人が力のない人ばかりでしたので、運転手さんが特別に運んでくれました。重量は約70kgあるので、素人では難しいです。この辺は購入するときよく考えないといけないですね。 

では据え付けた状態をご覧ください。 

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ものの見事に収まりました。光の加減で赤っぽく見えますが、ステンレス製なので金属肌です。それではどのくらいの収容能力があるのでしょうか。 

予想通り中間に棚を置けば、その上下には4合瓶を入れることができました。一方1升瓶は直径が105mmあるので、300mmでは3本は並びません。ですからちょっと横にずらして詰めれば、300mm×400mmのエリアの棚を外せば1升瓶が9本入ることが判りました。 

Dsc_0082こんな状態で入りますが、冷蔵庫の奥に白いパネルが見えますが、これが庫内を冷やす冷却版です。これがあるために、棚がおけません。ちょっともったいない感じですよね。何とか手製で棚を作れば、1升瓶を横に置けそうなので、2本くらい増量できそうです。 

それでは4合瓶の方は何本くらい入るでしょうか。二つの扉の中は棚が平におけるので、上段に3列×8列=24本、それが上下ですから48本おけることになります。 

これで1升瓶9本、4合瓶48本がおけることになりました。大満足です。 

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 では温度制御はどうでしょうか。 

Dsc_0087これが制御パネルですが、温度設定のダイヤルとアルコール温度計がついていますが、アルコール温度計は見にくいので、デジタル温度計にしてもらいたかったね。下の写真は出たロガーRC5で、2000円で購入できます。 

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実際に2日間デジタル温度ロガーを設置して測ってみましたので、その記録データを見てください。、すごい。0.5℃~2.5℃でコントロールしていました。氷温でもできそうですが、パネルの凍結が心配なのでやめておきます。 

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これで究極の家庭用日本酒冷蔵庫を手に入れることができました。問題点は運転時の低音の騒音が少し大きいことなので、静かなところに置くのは向いていません。気を付けてください。気になるのは1升瓶の上の空間がもったいないことですね。

メーカーにお願いしたいことは1200mm長さの横型冷蔵庫のSUC-N1541Jのドアポケットのない製品を出してもらいたいです。そうすると9本の1升瓶と30本くらいの4合瓶が入るので、家庭用としては最適だと思います。

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