Googleカスタム検索

私の好きな日本酒ブログ

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Qchanpapa

  • 日本酒
無料ブログはココログ

« これで決まりだ! 我が家の日本酒冷蔵庫 | トップページ | 月の井酒造は奇跡を起こす蔵かもしれません »

2016年11月19日 (土)

インフィニット日本酒中級コース第10回(味の表現)

インフィニットの日本酒中級コースもあと3回(実際にはこのブログを書いている時期ではあと1回)となってしまいました。この中級コースを卒業して何か資格が得られるのでしょうか。そんなことはないそうです。このコースの上には上級コース、さらにその上にはプロコースがあるそうですが、プロコースの最後には厳しい卒業試験があるだけで、それまでは試験はなく、自己判断で進級できるようです。でも最初からプロコースに進む人はいないようで、今プロコースを卒業した人はまだ9人しかいないそうです。 

プロコースを卒業しても公的に認められる資格ができるわけではないけど、杜氏の補佐ができる営業になれる、酒販店の営業を指導できる、デパートの酒販売の営業指導ができるというレベルの実力をもち、日本酒の正しい情報を世の中に伝える仕事ができるような人を育てることが目的のようです。そして、今年、プロコースの人が中心になって酒研究会が発足したので、これからこの会がどのような活動していくかが見えてくるようになるものと思われます。楽しみですね。 

それでは中級コース(初級コースもあります)、上級コース、プロコースでどのような教育をやり、どのようなレベルになるのでしょうか。具体的な説明はなかったので正確なことはわかりませんが、インフィニットの今までの活動や今まで教わった中身から考えると、中級コースは、お酒の香りや味を構成しているものは何か、それが酒造りのどのプロセスで出来上がるか、そしてその香りと味の違いを体で感じ取れるようになるレベルだと思います。プロコースでは試飲するだけで、お酒のスペック(精米度、アルコール濃度、火入れの回数、熟成度、さらには酸度、日本酒度、アミノ酸度、酵母の種類)をある程度正確に推定できるレベルだと思います。もちろんお料理との相性の説明もできるし、造りの良さや悪さもわかるでしょうね。造りの部分まで考えるところがワインのソムリエとは違うところだと思います。上級コースは中級とプロの間ということになります。 

今回は中級コースの仕上げの段階でですので、お酒のスペックからどんな香で、どんな味がするのかを想像して、そのうえで試飲したお酒をどのように表現するかの説明を受けました。お酒の瓶のラベルにはお酒のスペックが書かれていますが、最近はそれをあまり書かない蔵も多くなっています。しかし、特定名称酒で必ず書いてあるのは、米の精米度、アルコール濃度、醸造アルコール添加の有無で、これが判れば、酒質の70%はわかるそうで、その上に酵母の種類、火入れ、熟成度が判ればからさらに正確に推定できるようです。 

<精米について> 

お米を精米すると蛋白質は少なくなり、デンプンの比率が多くなります。すなわち精米が進むと蛋白質からできるアミノ酸や高級アルコールが少なくなり、デンプンからできる糖や酸が主体となるお酒になります。精米度の高いお酒は糖を主体とした甘みを感じるシンプルで綺麗なお酒になります。精米度が悪いと油っぽい香りのする高級アルコールや旨みや苦みの素となるアミノ酸が多くなりコクのある複雑な味になりなります。中間の精米度は50-55%と思われます。 

<アルコール濃度について> 

アルコールには甘みを感じるグリセロールと苦みを感じるチロソールが含まれているので、アルコール濃度が高くなると、甘みと苦みが増えてきます。逆にアルコールが少なくなると甘さも苦みも減ってきます。したがってアルコール度数の高い17%以上の原酒はしっかりとした甘みとコクの元になる苦みがあるので、濃い味のおになります。 

アルコール度数が減ると甘みも苦みもなくなるので、軽い淡泊なお酒になります、。中間のアルコール濃度は15-16%といえます。通常は原酒を作って加水してアルコール濃度を下げることが多いので、加水すると酸度以上に酸を感じやすくなるそうです。 

<アルコール添加について> 

アルコール添加するアルコールは糖蜜から作られる蒸留アルコール(96%濃度)を薄めて30%濃度のアルコールを添加します。アルコール添加するとアルコール濃度は上がりますが、全体としては水が増えているので、味は薄くなります。加水してアルコール濃度を下げればなおさら薄くなります。アルコール濃度だけでは味の予測は難しくなってきますが、アルコール添加すると薄くなると考えるべきだそうです。 

<火入れについて> 

味そのものよりも香りに影響が出やすいそうです。入れすると香りが穏やかになり、丸みを帯びて穏やかになります。火入れをしないと多少角が立つけど清涼感やフレッシュ感が出てきます。火入れをすると丸みを帯びるのは、温度を上げることにより水分子が動き易くなり、冷やして動きが小さくなったとしても前の状態より変わりマイルドになるようです。また温度を上げることによりアルデヒドは飛散して清涼感はなくなりますが、少しポテッとした感じが出ます。また、メーラード反応によりフラノン類の生成も起こることもありますので、その時は老香のような香りが出てくることもあります。 

<熟成について> 

熟成は温度の影響が大きく、温度が低くなれば長い間熟成しても香りは多少減るけれども、熟成香は少なく、色もあまりつきませんが、温度が高いと短い時間でも熟成香が出ると同時に苦みも出てきます。ですから非常に複雑なので、色と香りで熟成の度合いを判断するしかありません。お酒の苦みを出すのは3つあるそうです。アタックから中域で感じる苦みはアルコールの苦みで、中域からアフターに感じる苦みはフラノンやアミノ酸の苦みで、アフターの最後に感じる苦みはコハク酸と考えるといいそうです。 

<味の表現の仕方> 

代表的な日本酒のスペックの味を考えてみます。 

アルコール度15-16%、日本酒度+5、酸度1.3、アミノ酸1.3という平均的なお酒を考えてみます。お酒を口に含んだ時に最初に感じるのがアタック、中ほどが中域、最後に感じるのがアフターです。冷たいお酒を口に含むと、口の中のお酒の温度もアタックからアフターにかけて温度が上がっていくので燗上がりのようにうまみを感じやすくなります。 

Dsc_0112

この表を見てください。上記のお酒の味のイメージを書いてみました。矢印の太さが強さを表しています。アルコールや糖の甘さは最初のアタックで強く感じますが、アミノ酸が多いので、うまみ成分が中盤から強くなり、アフターの余韻が強いお酒になります。酸は最初から最後まで同じように感じます。苦みはうまみと同等の動きをします。一般的に酸があってアフターでバランスするお酒がお燗に合うと思われます。それはアフターが一番温度が上がるのでお燗に近くなるからだそうです。 

一般的に飲みやすいお酒は中域でバランスが取れています。もし新政のお酒のように日本酒度0、酸度1.8、アミノ酸0.6のお酒でしたらば、味のイメージはだいぶ変わってくると思います。甘さが強いのでアタックがドンと出ます。でも酸はしっかり感じますが、アミノ酸が少ないのでうまみはあまり感じないで、酸によってアフターですうと消えるお酒になります。 

このようにお酒のスペックに合わせて、口の中でのアタック、中域、アフターで感じるイメージを持つと飲んだお酒をうまく表現ができるようになるそうです。そのポイントを教えてもらいました。 

<アタックのコメント> 

・ アタックは甘みを一番感じるとき場所なので、その甘さ感を表
  
現をする 

・ 舌触りが良いかどうかテクスチャーとして表現する

<中域のコメント> 

・ 膨らむ場合:甘みやアミノ酸が多いとアマ旨さが膨らんでくるの
  でそれを表現します
 

・ 膨らまない場合:甘みや旨みがないので、膨らまないと表現する 

・ 酸との全体のバランスも表現する  

<アフターのコメント> 

・ まず酸が顔を出てくるので、それを表現する 

・ 旨みと苦みの強さと余韻を表現する 

このように絞り込んで味の表現するといいコメントができるようになるそうです。 

<具体的の試飲したお酒をどう表現するか考えてみましょう> 

Dsc_0069

 

1.司牡丹 槽掛け 純米大吟醸 山田錦35%精米 
  Alc度16-17、日本酒度+4、酸度1.3、AA度1.0 酵母1801、
    熊本酵母
 

2.鶴齢 純米吟醸 越淡麗55%精米 
  Alc度15.5、日本酒度+2.5、酸度1.5、AA度-、酵母-
 

3.黒龍 吟醸 ひやおろし 五百万石55%精米  
  Alc度18、日本酒度+6、酸度1.2、AA度1.3、酵母自社
 

4.杣の天狗 純米吟醸 山田錦59%精米 生原酒
  Alc度17-18、日本酒度+4、酸度1.7、AA度-、酵母協会10号
 

まず色を見てみましょう 

Dsc_0066

一番色がついているのが1番と4番で一番薄いのが3番です。1番と4番は少し熟成しているかもしれません。また4番は多少濁りがあるので、滓が入っていることが判ります。

それでは先生のコメントを紹介します

1.司牡丹 槽掛け 純米大吟醸 

香りはカプロン酸の香りが強いのは酵母が協会酵母1801を使っているからです。精米度が35%なので、高級アルコールの香りは全くしないし、甘旨みが減るはずなのですが、アルコールが16-17%あるので、アタックでそれなりに甘みと苦みは感じます。中域での旨みの味はほとんどなく、酸も強く感じないまま、アフターでスッと消えるお酒です。舌触りの滑らかさはそれなりにあり、アルコールのピリピリ感はなく上手く仕上げています。 

一般的に35%も磨いたお酒でアルコール度数を15%にすると、どうしてもペラペラなお酒になるので、アルコール濃度を上げて造ることが多いそうです。 

2.鶴齢 純米吟醸 

1番とは違って香りが少ないので高級アルコールの油っぽい香りを感じます。この場合、香りが高い酵母を使えばこの高級アルコールの香りはマスキングされるそうです。飲んでみるとアタックに甘さはほんのりの感じ、中域から旨みをそこそこ感じます。中域に感じなかった酸をアフターで強く感じます。酸度1.5だと、甘さと旨みが抑えてあるので、どうしても酸度を感じてしまうのは仕方がないそうです。 きっと夏酒を狙ったバランスのお酒を造ったものと思われます。

アフターに少し苦みを感じますが、アルコール度数も少ないし、アミノ酸も少ないようなので、これはコハク酸からくる苦みと思われるそうです。そうなるとイソアミル系の香りを出す酵母を使ったのではないかと想像されるそうです。 

3.黒龍 吟醸 

香りはまさにイソアミル系の香りでしたが、アルコール度数が同じくらいであっても、4番のお酒に比べると少し淡い感じでしたが、それはアルコール添加しているからだと思われるそうです。イソアミル系の香りの奥にカプ系の香りがあることから88号のお酒と同じ系統の酵母が使われたのではないかと想像できるそうです。なぜ、アルコール添加をしたかははっきりはわかりませんが、綺麗さを保ちつつボリューム感を持たせるのが目的ではないかと思われます。 

飲んでみますと、アタックにほんのり甘みを感じた後中盤でうまみが広がり、アフターにはコハク酸の苦みを感じるお酒ですが、その苦みはそれほど強くはないお酒でした。原酒でありながらアルコールのピリピリ感はなく、アルコール添加で酸味を引き立てているので、酸度は1.2に抑え、日本酒度も+6と甘みを抑えるけど、アミノ酸1.3でうまみとバランスさせるよく考えられたお酒だと言われました。これが黒龍の腕のすごいところだそうです。 

4.杣の天狗 純米吟醸 

香りはイソアミル系の香りが強いけれど、カプ系の香りも感じる少し複雑な香りですが、香りの強さは3番の黒龍より強く感じます。それはアルコール度数が高く、原酒だからだそうです。酵母が協会10号なので両方の香気成分を出すのは当然で、これだけ香りが強いと、精米度が60%近くても高級アルコールの香りはマスキングされるようです。酵母由来の香りの他にお米の香りがするのは無濾過生原酒だからで、よく嗅いでみるとアセトアルデヒドの青臭い香りも感じられます。また、色から見ると熟成が進んでいるので、フラノンの苦みも感じるそうです。 

飲んでみるとアタックで甘みと舌触りの良い滑らかさを感じるけど、べったり来なくて、中域で甘み旨みと酸とのバランスが良く、アフターで酸がすっきり切ってくれるお酒でした。後味で苦みが残るはコハク酸だそうです。原酒としてのパワーを感じるけど全体的には旨く収める表現しています。上原酒造のお酒は初めてだったそうで、またお飲んでみたいお酒だったそうです。

 にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へご覧になったら、この日本酒マークをクリックしていただくとブログ村のページに戻ります。これでポイントが増えます。携帯やスマートフォーンでご覧の方はMobileModeではクリックしてもポイントは増えませんので、PC-Modeにしてからクリックしてください。よろしくお願いします。

« これで決まりだ! 我が家の日本酒冷蔵庫 | トップページ | 月の井酒造は奇跡を起こす蔵かもしれません »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185718/64496780

この記事へのトラックバック一覧です: インフィニット日本酒中級コース第10回(味の表現):

« これで決まりだ! 我が家の日本酒冷蔵庫 | トップページ | 月の井酒造は奇跡を起こす蔵かもしれません »