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2016年9月12日 (月)

インフィニット日本酒中級コース第8回(ラベルの読み方)

インフィニット日本酒中級コースもすでに8回目になり、日本酒の味や香りを決める成分が何にで、何から生成するかを学んできました。でもお酒を飲む前にお酒のラベルからそのお酒の香りや味わいをどのくらい想像できるでしょうか 

日本酒のラベルには原料米の精米度アルコール濃度生酒かどうかは必ず記載されていますが、最近は原料米の種類を書かない場合が多くなっているのと生酒や生詰めや生貯蔵の表示はあっても火入れの回数はふつう書かれていません。お酒の味わいを推定できる指標としては日本酒度酸度アミノ酸度がありますが、これを書かない蔵が多くなっています。また香りを決める酵母の種類や熟成時間は書いてあることはほとんどなく、書いてある方が稀といえます。 

どうしてこのようなことになってるかは、どうも日本の法律に規制によるものと思われます。法律で定める必要記載事項の主なものは以下の通りです。 

① 原料名 使用した原料名を使用量の多い順で記載し、お米の精米歩合を併記します。原料米の種類を記載する必要はありませんが、醸造用アルコールを添加したかどうかは原料となるので記載する必要があります。原料が国産かどうかも記入します 

② 製造年月日 瓶詰めをして出荷できる状態になった年月日なのでお酒を上槽した日ではありません。瓶詰めをして貯蔵しているときはまだ出荷できないのであれば、出荷するときに書くことになります。ですから熟成期間はわかりません。 

③ アルコール濃度 小数点以下は不要。 

④ 容器の容量
⑤ 製造者の氏名か会社名と所在地
⑥ 保存または飲用上の注意事項
 

これらの基準を見ると消費者の安全と国税局の知りたい情報だけが掲載されているだけで、消費者が飲むときに参照になる酒質の表示は義務付けされていません。 

任意記載事項(書いても書かなくてもよい)の主なものには次の項目があります。 

①原料米の品種名 原料使用割合が50%超えている場合 

②清酒の産地名 全量がその地で醸造されている場合 

③貯蔵年数 1年以上貯蔵した場合 

④原酒 生成後加水しない場合(1%未満の加水はOK) 

⑤生酒 生成後一切加熱処理をしない場合 

⑥生貯蔵 加熱処理をしないで貯蔵し出荷時に加熱処理をした場合 

⑦生一本 単一の製造所だけ手製造した純米酒の場合 

⑧樽酒 木製の樽で貯蔵した清酒の場合 

ですから酵母の種類や日本酒度や酸度やアミノ酸度は記入する必要はありません。書くかどうかはあくまでも蔵の意思で決まるようです。最近は酒質を意識しないで飲んだ感覚で自分に合うかどうかを決めてくださいという蔵も多くなっていますが、飲む前からそのお酒の味を想像したい僕には書いてほしい情報です。 

以上のような実態のラベルの記述からどんな日本酒なのかを想像することはできるのでしょうか。菅田先生に言わせると、この情報からだけでも日本酒の味の骨格はわかるそうです。今回はそれを勉強することとなりました。 

1.原料の精米度からわかること 

お米に含まれる成分は心白の大きい酒造好適米でも、心白のない飯米でもその成分割合はほとんど変わらないそうです。 

  デンプン  75%
  蛋白質   7-8%
  脂質    2%
  灰分    1%
  水分    15%
 

ですから心白のない飯米は精米してもあまり成分は変わらないのに対して心白の大きいお米の心白はデンプンが多く含まれているので、精米するとその外側多く含まれる蛋白質や脂質が減るのです。だから精米度が60%以上の精米度が悪い場合は蛋白質や脂質が多くなるので、アミノ酸や高級アルコールが増えます。高級アルコールが増えるとマジックインクとか油ぽい香りが出てくるのと同時にアミノ酸が増えるのでうまみと苦みが増えてコクのあるお酒になります。 

精米度を40%以下に磨くと脂質はほとんどなくなり、蛋白質も半分以下になるので、高級アルコールの香りはなくなり、アミノ酸も減るので、軽やかですっきりした味わいになります。40-60%の場合はその中間ということになるようです。 

2.アルコール濃度からわかること 

アルコール濃度は15度~16度は中央値で、16~18度が高濃度、13度~15度が低濃度とすると、高濃度になるとアルコールによる甘みと同時に苦みを感じるので、力強い飲み応えのあるボリュウム感のあるお酒になります。一方アルコール濃度が低くなると軽くなり、飲みやすいお酒になりますが、相対的に水の量が増えるので酸味を酸度以上に強く感じるようです。 

3.火入れのお酒や生酒でわかること 

生酒は滓の香りや独特の甘みを感じますが、その後ろにアセトアルデヒドの青臭い清涼感のある香りを感じます。それを火入れするとアセトアルデヒドが揮発し減ると同時に加熱によるアミノカルボニル反応でわずかにフラノン類が出ますので飴のようなぽったりとした味わいが出ています。この変化の具合で1回火入れか2回火入れかが判るようです。1回火入れではまだ清涼感は残っていますが、2回火入れではほとんどなくなりますが、フラノン系の別の香りが出てきます。 

4.熟成の効果 

以上の3点がお酒の骨格を表すもので、それを熟成することにより、味わいに丸みが出てテクスチャーがぐっと良くなると同時にフラノン類が増加するので、どうしても熟成香が出てきます。でもこの変化の程度はお酒の酒質(アミノ酸が少ない方が熟成度が遅い)や貯蔵温度や時間で変わるので飲む前に判断することは不可能です。でも飲むとどのくらい熟成させたかがわかるようになるようです。 

酵母の違いについて

このほかには最も影響を与えるのが酵母の違いです。酵母にはカプロン酸エチルを多く出す酵母と酢酸イソアミルや酢酸エチルを多く出す酵母、両方を出す酵母の大きく分けて3分類できますが、これは飲んでみないとわかりません。この香りについては中級クラスの6回のブログを見てください。
http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-8eef.html 

米の種類やアルコール添加について 

お米の種類のよって確かに味わいは変わりますが、味は造りによっても大きく変わるのものなので、飲んでお米の種類を判定するのは難しいです。それからアルコール添加の有り無しの差はアルコール添加をするとアルコールの刺激があるのでわかるという人もいますが、これも上手く作るとなかなか飲んで判別できるものではないようです(非常に技術の高い蔵のアルコール添加は飲んだだけではわかりません)。 

活性炭ろ過について 

活性炭ろ過の表示はされていませんので、活性炭を使っているかどうかは外観の色で判断するのが良いようです。活性炭ろ過はフラノン類は取り除きますが、高級アルコールは取り除けません。また乳酸はとれませんが、他の酸はかなり取れます。香りは一部捕れますが、カプやイソの香りは取れません。ですから活性炭は使う量によ取り除く量をコントロールできるので、使用する側の技術力が問われるところです。 

以上でラベルから判断できる酒質についてのまとめは終わります。ラベルに書かれた3つの情報だけでもある程度お酒の酒質を想像することができますが、日本酒の販売店の売り子さんでこの論理の基づいて初心者に方に説明できる人はほとんど見かけないですね。菅田先生の理論をもっと定着させるべきだと思いました。 

いつものように、次に今回の試飲したお酒をチェックいたします。まず飲んだお酒の写真をお見せします。 

Imgp0615

1.獺祭 純米大吟醸 山田錦39%精米 2回火入れ
  Alc度16、日本酒度+6、酸度1.1、AA度- 酵母9号
 

2.東洋美人 純米吟醸 山田錦50%精米 1回火入れ
  Alc度15.6、日本酒度-5、酸度1.6、AA度-、酵母自社
 

3.蓬莱泉あ 純米吟醸 夢山水55%精米 生酒 
  Alc度12、日本酒度-、酸度-、AA度-、酵母-
 

4.浦霞 純米生酒 まな娘65%精米 生酒
  Alc度17、日本酒度+0、酸度1.3、AA度1.6、酵母自社

それでは一つ一つを解説していきます。 

1.獺祭 純米大吟醸 山田錦39%精米 

香りはカプロン酸エチルの香りですが、少しだけアセトアルデヒドの香りが残っているので清涼感があります。少しだけ飴のような香りがあるのは2回火入れによるフラノンの香りと思われます。そのほかの香りはほとんどなく、高級アルコールは全く感じないシンプルな香りなでした。飲んでみるとほんのりとした甘みと酸のバランスが良く、飲み込んだ後が軽く苦みが全くない。いかにも磨きの良い典型のお酒で、お魚料理に合うと思われます。

2.東洋美人 純米吟醸 山田錦50%精米

香りは酢酸イソアミルの香りで、でも奥に少しだけ油っぽい香りがあるのは高級アルコールのせいであり、50%磨きではこれくらいは普通のようです。アセトアルデヒドの香りは少しするのは1回火入れだからだと思われます。獺祭に比べると、うまみ成分が多く、苦みもあってそれが口の中でじわーと伸びてきます。これはアミノ酸の旨みと思われます。酵母が造るコハク酸の苦みがうまく旨みを引き出しているので、コクのあるお料理にあうお酒だと思います。 

3.蓬莱泉あ 純米吟醸 夢山水55%精米

お米の香り(酒粕の香り)がして、カプロン酸エチルの香りがあるが、その強さから考えると9号系酵母だと思われます。アセトアルデヒドがしっかり感じられ、青臭い清涼感が感じられます。飲んでみると、アルコール濃度が薄いので飲みやすいけど薄い感じがしました。水分が多いので、酸味を感じるはずだけど、それほど強く感じなかったのは旨く甘さを残しているからだと思われます。さっぱり感を出している夏酒として上手く仕上がっているので、さっぱりとしたお料理に合うと思われます。 

4.浦霞 純米生酒 まな娘65%精米

お米の香りとともにマジックインクのような油ぽい香りがするのは高級アルコールが多いからです。65%精米ならこの位は普通であるようです。生酒にもかかわらず青臭さを感じないのは高級アルコールによりマスキングされているからだと思われます。でも注意深く嗅ぐと少し感じられるようです。飲んでみると甘さ・旨さを感じるボリュウム感のあるお酒で、これはアルコール度数が高く、アミノ酸が多いからだと思われます。でもアフターに苦みがなくゆっくりと消えていき、飲みやすかったです。一言でいうとどっしりしている割にはさっと切れていき、お料理に合わせ易いお酒といえます。

以上試飲したお酒の説明は終わりますが、精米度やアルコール濃度はお酒の骨格を占めることがよくわかりました。それを生で出すとアセトアルデヒドの効果で清涼感がでるし、火入れすると清涼感はなくなるけど、ぽってりとしてくることが判りました。

以上で今回のまとめを終わります。

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