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2016年7月28日 (木)

丹後天酒まつり・蔵めぐりツアー PART2

PART1では若宮酒造の紹介をしましたが、次に訪れた蔵は池田酒造でした。この蔵は舞鶴市ではありますが、舞鶴市の西にある宮舞線の東雲駅の近くの由良川沿いにあります。下の写真は由良川の土手から池田酒造を見た風景ですが、右手の川を手前の方に下ったところがもう河口といったところにあります。 

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 左側のテントが見えるところが池田酒造で、その手前に僕たちのバスが止まっているのが見えますね。もっと近づいてみましょう

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蔵の周りにはテントが張られていて、、色々なおつまみが売られていましたが、とても安く提供してしていました。 

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蔵の案内は社長兼杜氏の池田恭司さんにしていただきました。下の写真に写っている子は池田さんのお子さんで、説明中にいろいろ飛び回って怒られていました。家族蔵という雰囲気がよくわかります。 

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蔵を紹介する前に蔵の歴史を簡単に紹介します。創業は明治12年で5代前の当主がこの地に酒蔵を作り、灘の大手の蔵の下請けが主な仕事をしてきました。一時は1000石くらいの生産をしていたようです。その当時は丹波の杜氏が冬場だけ来ていたそうですが、昭和50年ごろ、大手の蔵との契約が切れて、急激に生産が落ちることになり、杜氏も来なくなり、昭和の末に酒つくりを休止したそうです。その後20年間は他の蔵からお酒を買いブレンドしてお酒を販売していたとのことです。 

この蔵の面倒を見ていた池田さんのおばさんが、平成18年に自分で酒つくりをしようと、少量ではあるけど自家醸造を始めたそうです。その後、少しづつ量を増やしてきたころ、10年前に蔵に戻ることを決意しておばさんの手伝いをしながら酒つくりを勉強し、3年前から杜氏として製造責任者となったそうです。 

池田さんは滝野川の酒類研究所で修行しただけで、酒つくりの特別な勉強をしたわけではないそうですが、現在杜氏として3造り目で、去年からやっと100%自家醸造にしたばかりで生産高は100石だそうです。現在勉強中の新しい蔵と言えそうです。それではどんなつくりをされているのかご紹介しましょう。 

ここが洗米と蒸をしている部屋です。結構広いですね。 

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洗米はウッドソン洗米器を使っていました。10kgのお米を1分洗浄し、40秒シャワーをかけた洗浄をし、それを籠に受け水に浸漬させ給水させます。給水時間は6分から30分とお米によって変えるそうです。次に給水した籠の中の余分な水をとるための水切りを行います。 

籠がひもで吊るされていますね。このひもをねじって戻せば籠が回転し水が切れるというわけです。これは自家製ですが、ある蔵のやり方を真似たものですが、了解は取ってあるそうです。遠心脱水機より安くて良いですね。 

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蒸しは小型の甑を使っていました。総米200kgだそうですからかなり小さいです。この大きさの甑は去年東広島の展示場で見たことがあります。 

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甑の中をのぞいてみました。とても単純な構造です。 

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これはおばちゃんが酒つくりを始めるときに購入したそうです。 

次の写真はこれなんだかわかりますか 

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これは自家製の放冷器だそうです。かわいいですね。網の上に載っているのは何でしょうか。 

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今回の見学用に作った精米したお米のサンプルです。これが放冷器とは気が付きませんね。次は麹室ですか中は見学できませんでした。でも外観はきれいです。 

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 ここが仕込み室で、400kg~500kg仕込み用の解放タンクが4本あるだけだそうです。これで年5回転仕込むと1升瓶500本×20=10000本(約100石)というわけです。酒母室は特に設けてないそうです。

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次は搾りです。

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今までは搾りはおばちゃんが買った小型の槽型の搾り機を使っていたそうですが、去年に横型の搾り機を購入したそうです。やっぱりこの装置の方が使いやすいですよね。 

もっと昔は下の写真のような木製槽搾り機があったようです。 

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この場所には昔は大型の仕込みタンクがあったようですが、今では大型タンクを10本も処分して今は貯蔵庫となっていました。 

以上で蔵の紹介は終わりますが、小さいながらしっかりしたつくりができるような環境を作りつつあるようですので、今後が期待できます。 

試飲したお酒の印象 

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純米大吟醸池雲は兵庫県産山田錦40%精米、協会18号酵母、日本酒度ー4、酸度1.9のお酒でしたが、飲んでみるとカプロン酸エチルの香りが華やかで、ちょっと甘めのお酒で、今はやりの味を狙っていることはわかるけど、後味にもっとすっきりさがほしい気がしました。 

純米吟醸雄町は岡山県産雄町55%米、協会6号酵母、日本酒度+3で、今年初めてチャレンジした野心的なお酒でしたので、大変興味がありましたが、ちょっと6号酵母らしい香りも少なく、雄町らしい余韻も少なかった気がしました。 

この蔵は生産量は小さいけど、非常に前向きに取り組んでいる姿勢はとても評価できるのですが、あまりお酒の種類を広げないで、この蔵の味をもっと磨いてもらいたい気がしました。もう少し努力されると変わってくるのではないかと期待されます。でもこんな小さな蔵が頑張っている姿を見るとうれしくなりますね 

他の蔵の話はPART3にすることとしました。

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2016年7月18日 (月)

丹後天酒まつり・蔵めぐりツアー PART1

5月の28日・29日にかけて第3回丹後天酒まつり開かれました。この企画は丹後酒造ツーリズム運営委員会が開催するもので、京都府北部にある9件の蔵が一斉に蔵開きをして、それに合わせて京都丹後鉄道の企画切符を発券したり、もよりの駅からシャトルバスを出して、蔵めぐりをするもので、今年で3回目になるそうです。 

僕は丹波杜氏というのは聞いていましたが、丹後はどこにあってどこに蔵があるのかは全く知りませんでした。そこでインターネットで調べてみましたら、丹波杜氏が出た地域は京都府綾部市から20から30kmほど南の兵庫県篠山市あたりのようで、灘のお酒つくりを支えたところでした。 

では丹後はどこなのでしょうか。丹後といえば舞鶴の西北にある丹後半島ですね。この丹後半島のつけににある丹後一宮 元伊勢籠神社の文献に伊勢に伝えられた神の酒が最初に作られたのが丹後であると書かれていたそうです。そこから、丹後は御神酒のルーといわれるようになったそうです。ですから丹後は今の京丹後市あたりを中心とした広い地域と考えていいようです。

でも、京都酒造組合連合会のHPで調べてみると丹後酒造組合というのはなく、京丹後市の周りにある組合には、峯山酒造組合(京丹後市)に7蔵、宮津酒造組合に5蔵、福知山組合に2蔵あることが判り、その中で9蔵がこのイベントに協力したということのようです。 

今回の企画は御神酒のルーツの蔵を回ろうというのが狙いのようです。このイベントのパンフレットにその9蔵がMAP上に描かれていましたので、ご紹介します。字が小さいですが、クリックすると大きく見ることができます。 

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この9蔵は28日、29日両方ともオープンしているわけではなく白杉酒造以外は片方だけの蔵オープンでした。 

28日:池田酒造(舞鶴)、若宮酒(綾部)、と東和酒造(福知山)、与謝娘酒造(与謝野)、谷口酒造(与謝野)、白杉酒造(京丹後) 

29日:木下酒造(京丹後)、熊野酒造(京丹後)、竹野酒造(京丹後)、白杉酒造(京丹後)

という具合でした。 

このイベントに合わせて、いろいろなバスツアーが企画されていて、東京発の1泊2日ツアーや京都や大阪発の日帰りツアーや観光地見学と組み合せたツアーなどいろいろなツアーが企画されたようです。僕は全く事情が分からない初めての参加でしたので、日本酒友達の入江さんと京都発に日帰りツアーに参加しました。 

このツアーは日本旅行が企画したもので、京都駅に8時15分集合、バスで10時に綾部の若宮酒造見学、舞鶴西のとれとれセンターで昼食、13時に舞鶴の池田酒造見学、15時から与謝野町の谷口酒造と与謝娘酒造を見学して、19時半ごろ京都駅で解散というコースでした。 

それでは早速蔵見学の様子をご紹介します。参加人数が減って、バスは予定していた大型バスが中型バスに変更されましたが、ほぼ計画どおり始まりました。そして、予定よりちょっと早めに若宮酒造に到着しました。 

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ここが蔵表玄関です。まだお客さんはあまりいませんでした。 

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出迎えてくれたのは、社長兼杜氏の木内康雄さんでした。 

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康雄さんはもともと静岡の酒卸問屋に生まれた方で、この蔵を継ぐつもりはなかったそうですが、祖父の時代にこの蔵をの引き受け、静岡の問屋と両方の経営をしてきまして、父の時代に問屋をたたんで、この蔵1本になったものですから、やむを得ずこの蔵を継いだのですと教えてくれました。 

ですから、大学は文学部の教育学部に行ったので、蔵のことは何も知らずに蔵に入ったのが13年前です。その後、最初に酒つくりを丹波杜氏に2年教わって、そのあと但馬杜氏が蔵に来てくれたので、その人の下で勉強し、5年前から杜氏としてやってきたそうです。 

この蔵の歴史を簡単に紹介しますと、創業は大正9年だそうで、市内にあった三丹酒造を若宮酒造として名を改めたのがスタートだそうで、市内にある若宮神社の宮水で仕込みを始めたこともあってその名を付けたようです。これが祖父の時代のことなのでしょうね。 

お酒の銘柄は綾小町と名付けたそうです。この地は養蚕業が盛んで、明治29年の現在のグンゼ㈱がこの町に初めて設立した工場の郡是(ぐんぜ)製絲株式会社がある場所として有名であり、綾部町で機を織る優しい乙女をイメージして綾小町となずけたと聞きました。 

早速蔵の中を簡単に紹介します。 

ここが蔵の入り口です。奥の煙突が見えますね 

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まずは洗い場を見ました、普通酒は機械洗浄をしていますが、ほかのお米はこのような大きなたらいを使って手洗いをしているようです。

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蒸米は和釜でやっていました。奥に甑が見えます。

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 ここは酒母室です

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酒母室の隣が仕込み室で、解放タンクがずらりと並んでいました。生産高は800石だそうです。 

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 櫂入れの道具がずらりと並んでいました。

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簡単な見学でしたのでお見せするものはあまりなかったですが、ひとつ面白いものを見つけました。それはろ過機です。普通の蔵は横型が多いのですが、この蔵では縦形のろ過機を使っていました。 

Dsc_0249_2これは仕込み水のフィルターではなくお酒のろ過に使っているそうです。縦に三つのフィルターが取り付けられ、目的の応じてフィルターを変えて使うようです。 

銘板にはオムにミクロフィルターと書いてありました。 

これで見学は終わりましたが、蔵の出口あたりをを使ってお酒の試飲とおつまみを買える場所があって、そこでのんびりを試飲をすることができました。 

バスツアーの代金の中にここでの有料試飲酒を3種類飲めるチケットがついていたので、そのお酒を試飲いたしました。下の写真をよく見ると有料試飲と無料試飲が見えるでしょう。 

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 椅子はP箱を利用した簡単なものです。

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飲んだお酒は下記の3種類でした。 

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 左から 

① 綾小町 純米大吟醸 綾部産祝50%精米 2700円/720ml 

② 大吟醸 星降る夜の夢 山田錦35%精米 3200円/720ml 

③ 綾小町 純米生原酒 五百万石65%精米 1500円/720ml 

お酒の一つ一つの紹介はしませんが、全体的に仕込み水の性格がよく出た優しい軽めのお酒でした。この中では①の純大が丸みのある甘さときめの細かい酸味がバランスしていてよかったと思いましたが、全体的にはもう少し、個性があってもいいかなと思いましたが、木内さんのお話では僕の性格が出てしまったかなと笑っておりました。 

これで若宮酒造を後にして、西舞鶴にあるとれとれセンターに行きました。

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中には鮮魚の市場と食べもの屋がいっぱい。でもどのお店も高そうでしたので、リーズナブルの価格でしたとれとれ寿司でお寿司を食べました。

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 確か、サバの巻きずしと握りのセットで1200円ではなかったかな。これを2人で食べたので割安だったと思います。

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食事をした後、外をぶらぶらしていたら、九州の波佐見焼の陶芸の御お店が出ていたので、何気なく見ていたら新潟の松の井酒造のお酒を見つけてしまいました。ご主人にどうして松の井のお酒があるか聞きましたら、、松の井の蔵元がここの酒器を気に入ってくれて買ったいただいてから仲良くしているとのことでした。お店の名前は彩雲窯です。 

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松の井酒造のことが知りたかったら、下記のURLをクリックして見てください。 

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-7c16.html 

以上でPART1を終わります。

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2016年7月13日 (水)

高温山廃もとの木戸泉酒造はどんな蔵?

僕たち大学の仲間は毎年5月と11月に大原・御宿ゴルフクラブでプレーをすることにしていますが、今年はゴルフの前日に、大原駅の近くにある木戸泉酒造の蔵見学をしてきました。木戸泉酒造は昔から古酒や高温山廃もと造りで有名な蔵ですが、僕自身はあまり飲んでいないお酒でしたので、楽しみにしてきました。 

蔵はJR外房線の大原駅のすぐそばにあり、海からも約1kmしか離れていない場所にあります。蔵のご案内は5代目蔵元で専務取締役兼杜氏をされている荘司勇人(しょうじ はやと)さんにしていただきました。荘司さんは東京農大を卒業され、現在40歳で伯楽星の新澤さんの同期だそうです。2001年に蔵に戻ってきて、3年前から杜氏として頑張っておられます

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蔵見学のご紹介の前に蔵の歴史をご紹介します。創業は明治12年で酒造業を始める前は、味噌醤油の卸業や漁業をいとなんでいたようです。3代目の昭和14年に、漁業権を大原漁業組合に譲渡して酒造業に専念することになったそうです。 元大

この3代目の荘司勇さんは酒つくりの研究に熱心で、元大蔵省技官の古川薫さんを技術顧問として迎い入れて、その古川さんが中心になって開発した方法が高温山廃酛です。この高温山廃酛とは酒母を作る方法ですが、どんな方法なんでしょうか

酒母とは日本酒のアルコール発酵をスムーズに進めるために最初に作るもので、乳酸の多い環境で大量に酵母を増殖させたものを言います。アルコール濃度はあまり高くないけど、とても甘酸っぱい濃厚なものです。これを作る方法は昔からいろいろな方法が開発されてきているので、まず、それを紹介します。 

室町時代に奈良のお寺で菩提酛が開発されました。これは酒母の仕込みを行う前に生米と蒸米を水に浸け乳酸菌を繁殖させた水「そやし水」を作り、この乳酸を大量に含んだ「そやし水」を仕込水とし、一緒に浸けていた生米を蒸して蒸米にして麹と共に仕込むという方法です。乳酸を大量に含んだみずをつかうということで水酛とも呼ばれています。 

気温の高い時期の向いた菩提酛に対して、冬季に品質の高い酛つくりとして開発されたのが生酛つくりです。酒母の仕込みの段階から、半切り桶で丹念に蒸米と米麹をすりつぶす山卸しや、酛の温度をじんわり高める暖気樽などを使って25日間もの長い時間をかけて酵母を低温からゆっくりと育ててて、乳酸と酵母の豊富な酒母を作る生酛が完成したのは江戸時代です。この方法はその後酒つくりの主流となり明治時代まで広く使われました。 

その後明治42年に、国立醸造試験所が、米の精米度が上がった現代では、麹の中の酵素で米を十分に溶かせるので、生酛つくりの作業の中で重労働となる山卸作業は必要がないことを発表しました。それ以降このやり方の山卸廃止酛を略して山廃酛と呼ぶようになったそうです。 

その後明治43年に国立醸造研究所は自然界の乳酸菌を取り込んでそれを育成する方法ではなく、醸造用の乳酸を添加して、乳酸の多い環境を作る方法が開発されました。乳酸菌を育成しないで良いので、早くしかも安定して酒母を作ることができるので速醸酛と呼ばれています。現在では日本酒醸造の9割が速醸酛を使うようになっています。 

昭和15年ごろ広島で速醸酛の半分の時間で酒母を作る高温糖化酛という方法が開発されました。それは56度前後の高温で酒母の仕込みを開始すると約6時間で糖化が完了するので、その後40度まで急冷した時に乳酸を添加し、さらに冷やして25度近辺で酵母を添加する方法です。この方法は酒母を作る時間が短くなる長所がある反面設備が不十分だと雑菌が淘汰されずに変なお酒ができる恐れもあるので、現在ではあまり使われていないようです。 

それに対して木戸泉酒造では高温糖化酛の工程の中で、乳酸を入れる代わりに乳酸菌を入れる新しい酛つくりを開発し、それを高温山廃酛と呼んでいます。この工程で難しいのは乳酸菌なら何でも良いわけではなく、それに適した乳酸菌の選定にあったようです。この方法が確立したのは昭和31年ごろだったそうで、それ以降この蔵では全量高温山廃酛で酒母をつくっているそうです。この方法は乳酸菌を育てながら乳酸を作るので、生酛系の作りのように、乳酸を添加する方法よりは味の幅や深みがあるお酒になるようです。生酛系は自然界の乳酸を取り込んでいて、乳酸菌を投入しないのではと思ったのですが、調べて見ると、自社で培養した乳酸菌を入れることもあるようです。ですから高温山廃酛といってもまちがいではなさそうです。 

この蔵の歴史を調べてみると昭和31年から高温山廃酛導入した後、そのお酒の特徴を生かして、長期熟成酒の開発に取り組み昭和40年にそれを完させたそうです。ですから蔵には40年以上熟成した古酒もあるようです。また昭和47年には1段仕込みでワインのように酸の多い日本酒の「アフス」を販売しています。また昭和52年には無農薬栽培のコメを利用した自然酒の販売を始めるなど米つくりにも力を入れているようです。 

以上でこの蔵の歴史の紹介を終わります。では早速蔵見学した様子を紹介します。ここが蔵の入り口です。奥の建屋が酒つくりをしている蔵です。

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ここは洗米浸漬をする装置がある場所ですが、これを使うのは掛米だけで、麹米はすべて手洗いだそうです。奥に和釜が見えますね

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 和釜は2つありますが、一つは蒸米用で、もう一つが洗浄用のお湯を作るためのようです。仕込み水は近くの山から流れ出る伏流水を井戸を掘って使っているそうです。今は2か所から取って使っているそうです。硬度7-9の中硬水だそうです。

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 和釜の上に載せる木製の甑です。今でもこの木製の甑を使っているそうで、使っていないときは定期的に水をかけて乾燥しないように管理しているそうです。この大きさで600kgから700kgのお米を蒸すそうです。

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 ここは酒母室です。今の生産高は500石だそうですが、結構広い場所を確保していますね。麹室は見せていただけませんでしたが、2部屋×2の広さがあるそうです。

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 ここは仕込み蔵で、すべて開放タンクでした。タンク数は約30個で年3回転の仕込みをしているそうです。全部のタンクを使っているわけではなく、絞ったお酒を入れるタンクとしても使っているそうです。冬季は冷却用のジャケットを巻いて使っているけど、夏場は取り外しているそうです。

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 絞りは薮田1台だそうです。

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 サーマルタンクがありましたが、これは生酒貯蔵用のタンクだそうです。

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 大型の冷蔵庫がありましたが、これは生酒の便貯蔵用だそうです。

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 最後に7種類のお酒を試飲させていただきました。すべて精米度60%の特別純米で左からAFS,スパークリング、自然栽培の山田錦、普通の山田錦、五百万石、花吹雪、濁り酒です。一つ一つのお酒の味の説明は省略しますが、総じて酸が強く、味わいは濃潤ですが、僕には雑味が多く感じられ、ちょっと苦手かもしれません。酵母は全部7号酵母だそうです。

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 最後に二つのお酒を紹介します。AFSは1段仕込みのお酒で、白ワインのように酸味が強よいお酒で、日本酒度は-30、酸度が10もあります。この開発に携わった3人の名前(A:安達源右衛門、F:古川薫、S:荘司勇)の頭文字をとったものです。

 二つ目は山廃無濾過原酒の白玉香というお酒です。兵庫県産の山田錦を用いた特別純米酒で、このお酒も酸度が2.4もありますが、うまみもあるので比較的良いバランスになっていました。僕はこのお酒を買ってしまいました。

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この蔵のお酒は酸味が特徴で、山廃つくりのためか独特のうまみと香りが特徴のように思えました。でも欲を言うとこの酸味を生かしながら、もう少し綺麗な甘みや旨みを感じるお酒ができたらいいなとも感じました。杜氏の勇人さんはまだ杜氏になって3年だそうで、これからいろいろチャレンジされるそうなので、期待したいと思います。 

最後にみんなで集合写真を撮りました。この日は雨でしたが、翌日のゴルフは天気がよく気持ちよくプレーできました。 スコアは滅茶苦茶でしたけど。

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2016年7月 2日 (土)

インフィニット日本酒中級コース第6回 (酵母)

この講座もすでに第6回目を迎えることになりました。この講座は似たような内容を繰り返すことにより、体で理解していくやり方なので、毎回内容が重複することがあります。それは講座としては意味のあることですが、このブログのように講座の内容をまとめるときには、できるだけ整理したいと思っています。今回の講義は酵母によるお酒の違をまとめてみました。 

酵母の種類によってお酒の味や香りが変わること、最近の吟醸酒ではカプロン酸エチルの香りが好まれて、その香りを一番出しやすい酵母が協会18号酵母であることはよく耳にしますが、それでは清酒酵母がどのくらい種類があって、どんな働きをするかを知っている人は少ないと思います。 

インターネットで清酒酵母と検索してみると、一番詳しく出ているのがフリー百科事典「ウイキペディア」の清酒酵母のようですが、それを読んでもどんなお酒ができるのかを理解するのはなかなか難しいようです。また、素人の僕などが手に入れやすい日本酒の教科書である、日本酒サービス研究会が出している「日本酒の基」では簡単にわかりやすく記述されているものの、協会14号以降の新しい酵母の紹介がされていないなど、なかなか酵母の情報を集めるのが難しい状況にあります。 

今回菅田先生が日本醸造協会から配布している協会酵母と地方自治体の試験研究機関で開発された各県の酵母をまとめて整理した表を作っていただきました。こんなにきちっと纏まった表は他にないと思います。この表は菅田先生が時間をかけて作った表ですから、この表を皆さんにお見せするわけにはいきませんが、どんな性質の酵母であるかを理解するために、母にどんな働きがあるかという点だけ抜粋して紹介します。この内容は酵母の配布元で発表しているものですので、菅田先生が研究されてまとめたものではありませんので、そのつもりで見てください。 

協会6号:「K6号酵母」、「新政酵母」
 ① 発酵力が強く、香りはやや低く穏やか
 ② 端麗にしてソフトな酒質に適し味は深みが出る
 

協会7号:「K7号酵母」、「真澄酵母」
 ① 発酵力が強く、オレンジのような華やかな香りを出す
 ② 呼吸能が比較的弱く発酵能が強い
 

協会9号:「K9号酵母」、「熊本酵母」、「香露酵母」
 ① 酸は少なく吟醸香が高い
 ② 低温で良く発酵し吟醸酒向き
 

協会10号:「K10号酵母」、「小川酵母」、「明利小川酵母」
 ① 酸が少ない(特にリンゴ酸)
 ② 高い吟醸香をだすこことが特徴
 

協会12号:「K12号酵母」、「浦霞酵母」、「初代宮城酵母」
 ① 山廃にも適し芳香の高い吟醸酒向き
 ② 特有の吟醸香をだすが、極度に水と造りを選ぶ

協会14号:「K14号酵母」、「金沢酵母」
 ① 生産される酸が少ないため綺麗な味の仕上がりとなる
 ② 吟醸酒本来の香りを生むのに適する

協会16号:「K16号酵母」、「小酸性酵母」、「旧No86酵母」
 ① 7号酵母より酸が少ない。
 ② カプロン酸エチル高生産性である

協会18号:「K18号酵母」
 ① 酸が少ない(16号並み)
 ② カプロン酸エチル高生産性(16号の40-50%増)

以上が代表的な協会酵母です。各県の酵母は非常にたくさん出ていますので、代表的なものの一部だけ紹介します

秋田酵母:「AK-1酵母」、「協会15号酵母」 
 ①アルプス応募などと同様に上立香の華やかな酒になる
 ②カプロン酸エチル高生産性で酸の生成が少ない

山形酵母:「山形YK-0107」「山形YK-2911」
 ①YK-0107は高い吟醸香を有する
 ②
YK-2911は酸味が多く香りが高い

福島酵母:「F'7-01酵母」、「うつくしま夢酵母」 
 ①カプロン酸エチル高生産性(協会7号の4倍)
 ②酸の生成が少なく、柔らかな味わい

福井酵母:「FK-501酵母」 
 ①バナナ香など熟したフルーツの香りが特徴
 ②香りは控えめだが味わいは繊細

静岡酵母:「HD-1酵母」
 ①酢酸イソアミル優勢の柔らかな果実香
 ②優しい味と香りで食中酒として最適

高知酵母:「CEL-19」、「CEL-24}
 ①CEL-19はカプロン酸エチルが多く9号酵母の約2倍
 ②CEL-24はカプロン酸エチルが多くCEL-19号酵母の約2倍

以上で代表的な酵母の特徴を示しましたが、これを読んでも、各酵母がどんな香をどのくらい出すかはよくわかりません。この表現は酵母が開発された時点での評価であり、時とともに香りの評価自身が相対的に変わってきているので、比較できるような表現ができていません。また、協会14号酵母は生産される酸が少ないと書いてありますが、実際に作られているお酒には酸度が1.8以上のお酒もあります。それは同じ酵母でも造りによって違ってくるということのようです。

そこで菅田先生は酵母が作り出す香をカプロン酸エチルと酢酸イソアミルだけに注目して、どちらの成分をどのくらい出しているかをイメージ的にまとめると下記のようになると説明されました。これはあくまでもイメージであって、実際には異なることも多くあることを頭においておけば、大変参考になる図だと思います。 これは先生が黒板に書いたものを僕がエクセルで作ったもので、先生のチェックを受けているものではないので、間違っている可能性があるかもしれないことをご承知おきください。

酵母が作り出す香の強さのイメージ図(この図をクリックすると大きくなります)

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この図からわかることはカプロン酸エチルを一番作りやすい酵母は高知酵母のCEL酵母で、次が協会18号酵母、次に協会19号酵母、協会12号酵母、協会10号酵母となり、その下に協会9号酵母が来るようです。一方酢酸イソアミル系の香りを一番出すのが静岡酵母、次に福井酵母、協会14号酵母、協会6号酵母、福島酵母の順になるようです。 

ちょっと注目したいのは協会10号酵母で、造りによってはカプロン酸エチルと酢酸イソアミルの両方を同じくらい出せる能力があるようです。また協会12号酵母や山形酵母もカプロン酸エチルをベースにしながら酢酸イソアミルもある程度出すようです。

こんな表は今まで見たことがありません。これはあくまでも菅田先生の経験からくるイメージであることを頭においてください。 

問題はこれを実際に試飲してみてわかるかどうかです。カプロン酸エチルの香りはリンゴやメロンの香りと言われますが、これは濃度によって変わってきます。濃度が高くなると、パイナップルやミルクの香りのようになるそうです。一方酢酸イソアミルはバナナや洋ナシの香りと言われていますが、濃度が高かくなると桃の香りのようになるそうで、同時に発生する可能性の高い酢酸エチルはセメダインのような香りがします。 

問題は両方の香りが出ている場合で、注意深く嗅がないとよくわかりません。この場合、上記にのべた香りのほかに、もう一つのチェックポイントがあります。それは酢酸イソアミルを作る酵母はコハク酸を作る傾向があります。このコハク酸があるとお酒を飲んだ後の終わり方で貝の出汁のような苦みを感じるそうです。これは僕にとってまだ難しいチェックポイントですが、勉強中で、少し判りかけています。 

最後にお酒に苦みを感じるのは通常アルコール、フラノン、コハク酸の3種類で、飲んだ時に最初に感じる苦みはアルコール、中盤から後半にフラノン、最後のアフターでコハク酸の苦みを感じるようです。それ以外で感じるときによくある苦みは、脂質やアミノ酸が変質した場合に感じるそうです。これは変な苦みなので、わかるそうです。この苦みは精米度が悪い(60%以上)お酒に出る可能性が高いそうですが、高級アルコール等の他の味にマスキングされて見つけるのが難しいそうです。逆に精米度の高い(40%以下)お酒の場合は目立つので見つけ易いそうです。 

それから酵母は増量するためには培養する必要がありますが、酵母が増殖するときに少しずつ変化するようなので、同じ酵母でも全く同じということはないそうです。ですから、大きい蔵では自分で培養した性格のわかった酵母をいくつか持っていて使い分けているそうです。例えば、黒龍酒造では30種類以上の酵母を使い分けているそうです。

それでは早速酵母の違うお酒を試飲してみました。飲んだお酒は以下の4酒類です

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1.福祝 純米吟醸 山田錦50%精米 生原酒
  Alc度17-18、日本酒度-、酸度-、AA度:- 酵母 9号
 

2.スーパーくどき上手 純米大吟醸 改良信交35%精米
  Alc度17-18、日本酒度+1、酸度1.2、酵母 M310
 

3.十九 Trifoglio 五百万石50%精米 無濾過生原酒 
  Alc度16.3、日本酒度+7.5、酸度2.4、酵母 14号
 

4.朝日鷹  特別本醸造 美山錦、たつのおとしご60%精米 
  Alc度15-16、日本酒度+2、酸度1.4、酵母 山形酵母
 

まず例によって外観を見ます 

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どれも透明度は同じくらいで、フランンがあるようには思えないそうです。ただ3番のグラスには気泡がついていますので、炭酸ガスがあることがわかります。 

それでは飲んだ印象を先生が語ってくれたことを紹介します

1.福祝 純米吟醸 山田錦50%精米 生原酒

口に含むとすぐにカプの香りがぱっと広がります。そして後味に苦みがなく切れていきます。ツンとした香りはありません。このバランスが9号酵母の典型だそうです。その香りの強さで18号かどうかが判断できるそうです。最初の感じる苦みはアルコールの苦みだそうです。このお酒は滑らかさがあって全体のふくらみもあり、アルコール度数の割にはアルコールの辛みが少なく、うまく仕上がっているとのことでした。

2.スーパーくどき上手 純米大吟醸 改良信交30%精米

口に含むとぱっとカプの香りが膨らむけど、奥にツンとするイソアミル系の香りがあり、アフターにじわっと苦みを感じます。このバランスがM310や10号酵母の特徴だそうです。このお酒は適度の甘みもあり綺麗さがあり、余韻が軽やかです。30%磨いてもインパクトが強くあり、なおかつ綺麗さがあるのは酒つくりの技術が高い証拠だそうです。

3.十九 Trifoglio 五百万石50%精米 無濾過生原酒

口に含むと最初にツンとしたイソアミル系の香がきたあと、アフターにじわっと貝の出汁のような苦みを感じます。コップを良く振るとセメダインの香りも少し感じます。これが14号酵母の特徴です。このお酒はフレッシュ感満載ですが、炭酸ガスが残ってアルコールも16.3あるので、ピリピリ感が残ります。これくらいぴりぴり感があり、後味の苦みがある場合は、合わせるお料理が難しいそうです。

4.朝日鷹  特別本醸造 美山錦、たつのおとしご60%精米 

飲んでみると穏やかで薄い感じがするけど厚みを感じながらさらっと飲めます。アルコール添加しているので、エタノールの香りは少しするけど、アルコールの苦みはあまり感じません。このお酒は地元だけしか出していないお酒で食中酒としてうまくバランスさせてるそうです、東京に出ている本丸はうまみが多いけれどももっとアルコールのピリピリ感があるそうです。香りはカプ香りも、ツンとしたイソ系の香りもあるけど、乳酸香も感じます。これは加水したために起きるそうです。鼻にぬける香にモサットとした油ぽい香りがするのは高級アルコールが多いことからくるそうです。でも僕にはわかりませんでした。

以上で飲んだ印象の紹介を終わりますが、飲んだだけで精米度、アルコール度数、加水量、酵母の種類などがわかるようになるそうですが、これは訓練で身につけるしかないそうです。僕にはとてもできるようになるとは思えませんが、とりあえず勉強していくつもりです。

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