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« インフィニット日本酒中級コース第3回(熟成) | トップページ | 君の井酒造は伝統の技を大切にする蔵です »

2016年4月14日 (木)

松乃井酒造は地味ですがしっかりした蔵でした

新潟酒の陣の前に新潟県の十日町にある松乃井酒造を訪問しました。松乃井酒造を訪問したいと思ったのは用賀のなかむらやで東京農大の平成7年卒の同期が6蔵集まるイベントがあって、その時松乃井酒造の杜氏兼常務取締役の古澤裕さんの奥さまである古澤布美子さんにお会いしたのが切っ掛けです。その時初めて松乃井のお酒を飲んだのですが、飲んだお酒はどれもいわゆる淡麗辛口の新潟のお酒とは一味違う味はしっかりあるのに、すいっと飲めてしまうお酒に感心しまして、どんな蔵で造っているのだろうかと思っていました。その時の様子は下記のブログに纏めてありますので、ご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-5daa.html 

今回は新潟酒の陣の準備でお忙しいところを、酒の陣の2日前の日に無理をお願いして訪問したのものです。十日町は新潟県南部にある町で町の中央を信濃川が流れ、雄大な河岸段丘(川の洪水や土地の隆起によって川の流れに並行して出来た階段状の地形)が形成されたところです。この土地は縄文時代以前から人が住みついたところで、昔から交通の要所らしく、今ではほくほく線飯山線が交わる町となっています。ここは魚沼産のコシヒカリの産地として広く稲作がされるだけではなく、京都・西陣と並ぶ紬織りの一大産地だったそうです。 

その日は駅まで布美子さんが車で迎えにしていただき、町並みを車上から見学しながら、蔵に向かいました。蔵は駅から少し北へ信濃川を超えた河岸段丘の上にありました。川からは数十mも上にあるので、とても見晴らしの良いところにありました。 

蔵の方から信濃川の方を見た景色ですが、雪の積もった大地は蔵が所有している田んぼでコシヒカリを造っているそうです。右に見える山が巻機山で左が八海山だと思います。この地は大雪が降る所で今年は平年の1/3だそうです。 

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それでは松乃井酒造の方を見てみましょう。松乃井酒造と書いてあるコンクリート製の大きな煙突が見えますね。 

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青い建物が事務所です。右の古い建物が母屋です。 

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母屋の正面の写真をお見せしましょう。母屋は100年前にこの地に引っ越してきた時に建てられたものですが、平成16年の中越地震に時に大規模半壊で使えない状態になったのですが、平成20年に十日町の文化財相当ということで、県から復旧の補助金4000万円が出ることになり、建物の基礎から変える大工事をしたそうです。具体的には建物を2mもジャッキアップし、基礎を造り直して耐震補強をするとともに、内部の修理を行ったそうです。 

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外観はできるだけ昔のままの残して、中はすっかり綺麗に修理したので、今でも蔵元の住宅として使用しているそうです。下の写真が玄関で帳場や検査室があったところのようです。赤い壁は土壁で東京や名古屋から専門の職人を呼んで再現したもののようです。ピカピカですね。 

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蔵の歴史や今までの経過については社長の古澤実さんにしていただきました。

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<蔵の歴史> 

明治27年(1894年)に初代古澤英保(本家の次男)が本家(酒銘「澤乃井」)から分家して独立し、創業したそうです。酒銘「松乃井(まつのい)」は、赤松林から湧き出る横井戸の軟水を仕込水に使っていることから命名したとのことです。この横井戸のある今の地に来たのは100年前だそうですから、創業後20年以上後のようです。 

その後3代目の当主が若くして亡くなって、その奥様の古澤棟子さんが4代目の当主となり子供が育つまでと安藤杜氏と社員たちとで頑張ってきてきたそうです。現在はその息子の古澤実さんが5代目当主の社長、弟の古澤裕さんが杜氏兼常務取締役をされ、順調に業績を伸ばし、連続して全国新酒鑑評会で金賞を取るほどになっています。 

現在の生産量は約1000石で、普通酒が6割で地元で約7割が消費されるのですから、まさに地元密着な蔵になっています。 

<蔵見学> 

蔵の内部の紹介は常務取締役の裕さんにやっていただきました。酒つくりの工程順にご紹介します 

<精米場> 

千代田醸造精米機が1台設置されていました。十日町付近には5蔵あるそうですが自家精米をしているのはここだけだそうです。化工米以外はすべて自家精米をしているそうです。 

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使っているお米は山田錦、越淡麗、五百万石、たかね錦、越いぶき(化工米)だそうです。特に越淡麗は地元の蔵人が造っている有機米を使っているため、高価だけど品質の良いものが手に入るので、大吟醸用として使っているそうです。 

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ぬかは下の機械で赤ぬか、中ぬか、白ぬかに選別されて袋詰めにされます。白ぬかはお煎餅屋さんに売られます。 

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<洗い場> 

右の奥にあるのが本醸造や普通酒用の洗米機で、それ以外はざるによる手洗いをするそうで、15kgと10kg用のざるを使用するそうです。 

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<蒸し場> 

ここでは和釜が使われていました。大小2つあるのですが、現在は大きいほう(1トン用)だけを使っているそうです。 

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<放冷機> 

黄色い蛇腹のホースは放冷機で冷却用に使った空気を外に送るものです。すべてのお米を放冷するわけではなく、麹米は放冷機は使用しないで麹室で自然放冷するほか、エアシューターで送るものは詰まりを防ぐためにあまり冷やさないそうです。 

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<麹室> 

麹室の中は床がありましたが、ネガティブフレーバーがつかないように去年からステンレス張りにしたそうです。木製だとどうしても香がついてしまうそうです。 

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2階にあった枯らし場を見せてもらいましたが、ちょうど溝を造っている作業を見ました。V字の溝になるような道具を使っていました。自作だそうです。 

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<酒母室> 

酒母室の入口には神棚があり、奥に酒母タンクが見えますね 

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ここで使っている酵母は普通酒は7号酵母、本醸造は14号と9号のブレンドですが、酵母を混ぜて使うのではなく、できたお酒をブレンドするそうです。吟醸酒は新潟県の9号系酵母G-9やG-CRを、大吟醸酒は酵母1901号を使っているそうです。 

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酒母室から下の仕込みタンクには直接落とせるようになっていました。 

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<仕込みタンク> 

仕込みタンクはすべて開放タンクで、普通酒と本醸造と特別純米は1500kg仕込みで、大吟醸は600kg~700kg仕込みだそうです。その中間の大きさのタンクもあるそうです。 

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 仕込みタンクが所狭しとぎっしり並んでいました。仕込みタンクが少ないので、1シーズンで3回転くらい使うそうです。奥のお部屋に小ぶりの仕込みタンクが見えますが、はじめて使用するお米を使う場合は、酵母の種類を変えた試験醸造をするそうです。このような努力が良いお酒を造る秘密なのかもしれません。

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<貯蔵庫> 

貯蔵庫のには小さな開放タンクがありましたが、これは調合用のタンクだそうです。 

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<袋絞り> 

ちょうど純米大吟醸の袋絞りをしている最中でした。袋を釣り下げるところが少ないので、槽搾り機や小型の開放タンクが使われていました。 

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 絞っている途中の越淡麗35%純米大吟醸のお酒を試飲させていただきました。とても香もあり、味わい深いお酒でしたが、炭酸ガスが含まれピリピリ感があるフレッシュなお酒でした。これを半年以上熟成させるとあの英保となるのです。英保には3年熟成もあるのですが、今回のお酒は良いところを選んで、原酒で5年熟成させるつもりだそうです。どんなお酒になるのでしょうか

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<薮田絞り> 

この蔵は吟醸系は槽搾りで、普通酒と本醸造と純米酒は薮田を使っているそうです。 

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 ちょうど酒粕を取っている作業をしていました。

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従業員は活躍盛りの6人が働いており、皆造りの担当が決まっていて、ぴちぴちとたらいていたのが印象的でした。ここで働いている人たちがホームページに載っていますので、ご覧ください。活気のある様子が見取れます。

http://www.matsunoi.net/kura.html 

最後に蔵見学した印象を述べますと、特に新しい設備を導入しているわけではないけど、細かいところに手を抜かない、基本を大切にした造りをしている蔵だなと思いました。またそれを支える従業員とのコミュニケーションが凄く良い蔵だと感じました。 この蔵の造りの原点が見えた感じでした。

以上で蔵の内部の様子の紹介を終わります。見学の最後に母屋のお座敷で、お手製のおつまみとお酒をいただきました。 

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 簡単に左からお酒を紹介します。 

・ 英保 純米大吟醸 越淡麗35%精米 1年熟成 

・ 普通酒 五百万石65%精米 

・ 特別純米 たかね錦55%精米 9号酵母 

・ 吟醸酒 越淡麗50%精米 袋絞り生酒 

・ 純米吟醸 山田錦50%精米

どのお酒も味のバランスが良く、テクスチャーは柔らかいのに、ちょっとシャープでキリリとしているけど、すっと飲めるお酒でした。水が軟水なのと、お米にあった酵母を選択しているのが、共通の味わいとバランスを造っているのではないかと思いました 

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大根を乾燥させたものやニシンの山椒漬け(福島の名物のレシピを教わって造ったそうです)などでした。 

本日蔵をご案内いただいた古澤裕・布美子ご夫妻です。布美子さんは麒麟山のある阿賀町育ちで、東京農大を卒業して地元に戻っていた時に清酒研究会で裕さんと知り合ったそうで、この蔵に嫁いできたそうです。今では3児の母として、チームマネージャーとして活躍されています。裕さんは若い時から蔵に入ったそうですが、製品管理の仕事が長く、造りをあまりしていなかったそうですが、杜氏が高齢になったことから杜氏の下で酒造りを勉強して、4年前から杜氏として活躍されています。今では安定した造りをしているのですから、これからが楽しみですね。期待していますよ・・・・・・

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新潟酒の陣の前でとてもお忙しい中にも関わらず、こんなにも御もてなししていただき、大変ありがとうございました。

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