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2015年3月 7日 (土)

南部美人の蔵には驚かされました

WE LOVE SAKE の東北蔵めぐりツアーの第2弾の蔵は岩手県二戸市にある南部美人です。陸奥八仙のある八戸市からバスで約1時間半、南部美人の近くにある二戸シティホテルに着いたのはもう夜の6時半ごろでしたかね。 

そのあとは南部美人の人々とご一緒に大懇親会が近くの「三五郎」というお店で開かれました。社長の久慈浩介さんを筆頭に、杜氏の松森淳次さん、営業部長の三澤淳一さんの他に営業の人が二人と5人のメンバーとの大宴会となりました。この時のお話はfacebookでもいろいろ書かれていますので、ここではブログの終わりにちょっとだけ触れさせてもらうことにします。
 
そしてその翌日朝から南部美人の蔵を見学させてもらいました。南部美人といえば全国新酒鑑評会ではここ20年で12回も金賞を取っているほか、岩手の清酒鑑評会や東北清酒鑑評会でも優秀な成績を収めている実力のある蔵です。最近は全米日本酒鑑評会やモンドセレクションで金賞を取るなど、国内外で高い評価を得ています。生産高も2800石もある蔵なので、どんな作りなのか大変興味がありました。
 
最初に蔵の歴史に触れておきます。創業は明治35年でそれほど古い蔵ではありません。その後大正時代に久慈酒造となったようです。南部美人という銘柄のお酒を初めて出したのは、3代目の当主の久慈秀雄の時の昭和26年です。普通酒が主流だった時代に端麗できれいなお酒を造るということで、南部美人と名付けたそうです。
 
その後経営的に苦しい時代があったようですが、昭和56年に小泉商店と手を結んで特定名称酒を中心に販売を拡張していったようです。東京農大を卒業した現社長の久慈浩介さん平成9年に蔵に戻ってきてから、大きな飛躍が始まった気がします。それまで長年杜氏をしていた山口さんと手を組んで新しい酒作りに取り組み、その年に全国新酒鑑評会の金賞を初めてとったのも偶然ではないと思われます。
 
久慈酒造が南部美人に改名したのは平成13年だそうですから、ごく最近のことです。今では山口さんは杜氏をおやめになり、弟子の松森淳次さんが8年前に杜氏になりました。松森さんはこの蔵に入社して以来、名杜氏と言われた山口さんに指導受け、れっきとした南部杜氏の腕を持った人で、現在50歳だそうです。今では浩介さんとともども、岩手県が認定している「青年卓越技能者表彰」受けており、まさに南部美人の技術を支える穂とと言っていいでしょう。 
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蔵見学の日は社長は出張されており、杜氏の松森さんに案内していただきました。見学者の人数が30人を超えたので、2班に分かれた短い時間の見学となりましたので、詳しい説明はできませんが、蔵のホームページの内容を踏まえてご紹介することにします。
 
翌朝の雪の中で訪れた南部美人のお店の正面です。ここからは蔵は見えません
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この母屋の右わきの通路を歩いていくと蔵の入り口に着きます。 
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左の黒い母屋の建物の奥の平屋建ての建物が蔵です。遠くに煙突が見えますね。 
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もうちょっと進むと蔵の煙突がはっきり見えてきます。この煙突は今でも現役で活躍しているとのことでした。煙突の先が色が違うのは、東日本大震災の時壊れたので、金属製のものに交換したとのことでした。
 
それではできるだけつくりの流れに従って蔵の中をご紹介します。
 
1.仕込み水
 
蔵の中で湧き出る井戸水を使用しています。折爪馬仙峡から流れ出る伏流水で中硬水だそうです。蔵の建屋の入り口にありました。井戸の周りが木枠で囲われており、水神守護のお守りが貼ってありました 
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井戸の中の写真を撮ってみました。そんなに深い井戸ではありませんが、レンガつくりの神秘的な井戸でした。きっと伏流水が豊富に出るのでしょう。
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2.お米
 
お米の保管の状態は見る機会はありませんでしたが、使用している主なお米は岩手県で開発した「吟ぎんが」は吟醸酒用として、「ぎんおとめ」は純米酒や本醸造用として使っているそうです。その中でも「ぎんおとめ」は二戸の農家と契約栽培をして作っています。 
そのほか。山田錦、愛山、雄町、美山錦なども使用していますが、美山錦は滝沢市の合鴨農法による無農薬栽培の美山錦を使っているようです。
 
3.洗米
 
洗米は2種類の方法でやっているそうです。大吟醸のような高精白米の場合ざるで手洗いしますが、それ以外は米をジェット気泡で洗って汚れを排出し、ジェットで流送する方法です。ジェット洗米器は2011年に導入した新しい装置です。
 
当日はざるによる手洗いをしているところでした。右奥にジェット式洗米器があるのがわかります。 
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洗米作業に4人がかかわっていました。でも活気がありましたね。奥には次のお米が積まれていました。
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4.蒸米
 
洗米の場所の奥に蒸米の場所がありました。右の布がかぶっているのが甑でその奥によく見ると和釜があります。そして左にある機械が放冷機です。エアーシューターで蒸米を送る設備はあるようですが、メインの蒸米の搬送は手作業のようです
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洗米の場所と蒸場が近いのは作業上とてもいいことだと思いますが、御覧のように何しろ狭いので、よく作業ができるなと驚いてしまいました。
 
5.麹つくり
 
今回はここは見学できませんでしたが、ホームページ方情報を書いておきます。麹米はすべて限定吸水で管理しているとのことでした。僕が驚いたのは出来上がるお酒の種類によって種麹を変えていることでした。
 
大吟醸のような香りを出す酵母には「グルコ菌」や「HI-G」、すっきりした辛口のお酒には「ヒカミ」、生酒のように生ヒネを抑制したときは「IVー2」を使い分けをするそうです。
 
麹を作るときは大箱法や麹蓋法などが有名ですが、この蔵では10kg盛りの中箱も使っていて、3種類の方法を使い分けているそうです。
 
とても細かい管理をしないとできませんよね。どんな管理方法をしているのかお聞きしませんでしたが、とても興味があります。今度教えてください。
 
6.酒母
 
この蔵は山廃つくりはやっておらず、全量速醸酒母仕込みをしているそうです。この酒母つくりはたった2週間ですが、ここで雑菌汚染をすると後のもろみが悪くなるので大切にしている工程だそうです。
酒母室は比較的こじんまりとしていますが、きれいに管理された部屋でした
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7.仕込み蔵(もろみ
 
ここが仕込み室の入口です。1850kg用の解放タンクがずらりと並んでいます。あまり整理整頓が良くない感じですが、作業しやすさが優先されているのでしょう。 
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仕込み室の奥にはプラスティック製の小型のタンクがおいてありました。これは1回目の仕込みに使うタンクで、酒母と酵母と水と蒸米を入れるタンクです。2回目以降は周りの大きなタンクで仕込みます。
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仕込み室の作業フロアです。作業スペースが広いわけではありません。少し手狭な感じがしました。
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一番奥に雄三スペシャルのタンクがあって、7号酵母の泡ありを使っていたので、泡消しがついていました。今時珍しいですね 
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酵母は主にM310が使われていますが、9号酵母のほか、岩手2号酵母や「ゆうこの想い」や「ジョパンニの調べ」も使われているようです。7号酵母は雄三スペシャルで使われています。
 
8.絞り
 
通常の絞りは薮田の自動圧縮ろ過機を使っています。薮田は空調のきいた部屋の置かれています。肝心なところにはお金をかけていますね。
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Dsc_0621大吟醸は槽(ふね)で絞るようです。佐瀬式の槽が薮田の隣の置いていましたが、あまり使われる頻度が少ないのか、まるで荷物置き場のようでした。
 
袋絞りは大吟醸の鑑評会用出品酒にしか行われないようです。
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昨日出品酒の袋絞りをした後の酒粕がありました。食べてみたいですね・・・・ 
9.火入れ
 
火入れは残念がら時間がなく見せてもらえませんでしたが、以下一番こだわっている工程だそうです。絞ってから火入れまでの時間は昔は作業のやりやすさを優先し、ある程度の時間をおいてまとめて火入れすることが多かったようですが、それでは生ヒネしたり、甘だれするので、今ではできるだけ早く火入れをするそうです。
 
火入れまでの時間は大吟醸クラスは絞ってから7日以内、吟醸クラスは絞ってから2週間以内、純米酒、本醸造は20日以内としているそうです。
 
しかも火入れはプレートフィン熱交で瞬時に65度まで上げて、またプレートフィンで10度まで一気に下げるそうです。大吟醸のように量が少なくて1回火入れのものは、従来通りの瓶燗火入れをしているそうです。きめ細かい管理をしているのですね。
 
以上で蔵見学の紹介は終わりますが、僕の感想はよくこんな狭いところで、2800石もの生産ができるなというところです。はっきり言ってこの狭い空間でこれだけの生産をするにはきっと作業の管理はすごくきめ細かくやっているものと思われます。狭いながらも場所を有効に使って、酒の品質は落とさない努力をしていることはよくわかりました。
 
でももうちょっと整理整頓してもらいたい気がしましたね。僭越ではありますが、その証拠となる状況をちょっとお見せします。つくりには関係ない場所とはいえ、見学者が通る場所としてはちょっとね。イメージが悪くなります。
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大懇親会の様子
 
最後に前日の懇親会の模様を少しお見せします。なんとテーブル席のゆとりある大宴会となりました。このお店は浩介さんの先輩が経営するお店で、お料理がどれもおいしかったです。 この会は浩介さんの独壇場で場を盛り上げていましたが、会の最後までおられて、その日のうちに出張されたようです。すごいパワフルな人ですね。
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飲んだお酒その1
左のお酒は昨日絞ったばかりの鑑評会用出品酒(山田錦35%の大吟醸)のあら走りの生酒です。この酒はフレッシュで、なおかつうまみもきれいだし、バランスがとてもいいお酒でした。まだ発売前のお酒でしたが、豊島区の升新商店に入ることを聞いて、その場で電話予約してしまいました。
 
右のお酒はこの日の宴会には出す予定のなかったお酒ですが、浩介社長が宴会の途中で蔵まで取りに行って出たお酒で、純米大吟醸斗瓶どりです。JALのファーストクラスに採用されている、この蔵の最高級のお酒です。みんなで大騒ぎで飲みました。 これが旨くないという人はいないでしょう。
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飲んだお酒その2
 
左のお酒は純米吟醸心白です。2年前に純米酒大賞を取ったお酒です。ユダヤ教のユーシャ認定のKJをうけています。米国への販売をかなり意識しているものと思われます。これは浩介さんのアイデアでしょう。
 
右のお酒は南部美人の特別純米酒です。ぎんおとめ55%精米の純米酒でこの蔵の定番のお酒
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<盛岡市で見つけた地酒屋 芳本酒店>
 
南部美人の蔵見学の後、盛岡市にバスで行き、南部美人の元蔵元がやっている居酒屋のMASSに行き、お昼の宴会となりました。偶然そのお店のすぐ近くに地酒屋芳本酒店を見つけて、中を探索したところ、なんと南部美人の雄三スペシャルがずらりとならんでいました。
 
雄三さんは浩介さんの弟で常務取締役です。主に経理を担当しているようですが、岩手産の美山錦を使って完全発酵をさせた辛口の食中酒を狙った雄三スペシャルを作っています。このお酒はお燗にぴったりで、常温で寝かせて、飲むとおいしいそうです。そのうちの中で23BYの純米吟醸があったので、早速Uさんと購入して、東京まで持って帰りました。
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この酒屋さんはお燗酒に合うお酒をいろいろ取り寄せていて、独自に寝かせて販売していました。うれしかったのは1升瓶を新聞紙でくるんでくれたことです。我が家でもう1年熟成したから飲んでみます。
<恥ずかしながらのツーショット>
 
久慈浩介社長とのツーショット お互いに笑顔がいいですね
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松森杜氏とのツーショット
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以上で南部美人の蔵見学を終わりますが、最後に、久慈浩介社長と松森杜氏にお礼を述べたいと思います。
ありがとうございました。今度ゆっくり訪問し,新工場も見たいです

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