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« 栄光富士の酒が最近凄く旨くなったらしい | トップページ | あらたま・和田酒造は目が離せない蔵になりそうです »

2014年2月26日 (水)

朝日川酒造は昔からの道具が活躍しています

東北ツアー第3段の朝日川酒造への訪問です。鶴岡の蕎麦屋のしげ庵をバスで12時過ぎに出て、112号線を東にまっしぐら。雪の深い山道で大変かと思っていたのですが、意外に予定通り3時ごろ朝日川酒造に着きました。

朝日川酒造は山形県の河北町にある蔵で、天童から北西に7-8km離れた、最上川と寒河江川にはさまれた盆地にあります。蔵の名前は山形県と新潟県の境にある朝日連峰から最上川に流れる朝日川から取った名前だそうですが、この場所からは少し離れています。どうしてこの名前をつけたのでしょうね。でも、この辺りはコメどころとなっているので、酒造りが始まったのでしょう。創業は江戸時代からだそうで、現在の社長は8代目の浅黄勘七さんです。

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下の写真が蔵の入り口です。とても高い煙突が印象的ですね。しかも母屋もとても趣がありますね。

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の案内は常務取締役で杜氏の浅黄雅彦さん(勘七さんの弟)にしていただきました。

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この蔵の生産高は650石程度ですが、酒造りは古い装置を今でも大切にしながら作るぞという心がにじみ出ていて、特に木製の道具が今でも現役で頑張っているのに驚きました。木製の道具は手入れが大変で、修理するのにも職人がいないとできないから、むしろお金がかかるのではと思いました。今回の蔵見学ではその辺を主にご紹介します。

<仕込み水>

この土地の地下水は鉄分が多いので水道水を使っているそうです。塩素分を取るために爆気をして空気にさらしてから使うので、常時3本のタンクに水をためているそうです。

<洗米と蒸>

和釜の甑や洗米の桶も木でできているようです。布がかかっているので良くわから泣けど、専門家が見ればわかるでしょうね。甑は大小の2種類あるそうです。

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洗米したお米はざるに小分けして、手作業で丁寧に甑に入れるそうです。そうすることにより蒸気の通る道が均一になり、良い蒸米ができるそうです。確かにそうかもしれないけど、蔵人は大変ですよね。細かいことにこだわっているのですね。

この場所の天井を見ると、煤で真っ黒でした。昔が木をたいて湯を沸かしていたので、その時の煙で真っ黒になったままです。

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<麹室>

麹室は二つあってここは大きいほうの部屋です、58%より黒いものをこの部屋で麹造りをするそうです。

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奥に吟醸用の麹室がありました。麹蓋でやるそうですが、重要なところは杜氏自らでやるそうです。それで泊りこみになってしまうそうです

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<酒母室>

今仕込み中の酒母がありました。見てください。木製の暖気樽(だきだる)を使っています。今時、珍しいですね。金属製と違って熱湯を入れても外側が直ぐ熱くならないのでとても使いやすいそうです。1日に2回交換するそうです。

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速醸と生酛の酒母が同じ部屋にありました。大丈夫かなと思いましたが、人数が少ないので、別の部屋では難しいとのことでした。その代わり櫂棒は変えるそうです。それは当然でしょうね。その櫂が並べて置いてありました

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それから昔使っていた暖気樽や木桶などが置いてある棚がありました。大きな暖気樽は使いにくいので小ぶりの樽に変えたそうです

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それから杜氏が何やら奥から面白い道具を持ってきました

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左手に持っている桶は口の形が桃のようでしょう。ですから「桃だめ」というそうです。タンクの底を掬うのには丸よりは少しとがっていた方が良いそうです。右手に持っている四角い形のものはタンクの底を掻きとる「かすり」だそうです。どちらも現役だそうです。ここまでこだわるのかという感じです。

<仕込み蔵>

開放タンクがずらりと並んでいました。作業用の足場ができていましたが、安全のためにフロアにした方がいいのではと聞いてみると、フロアにすると却って危ないとのことでした。密閉タンクにして作業用フロアを造った方が安全のように思えましたが、山形県はまだまだこのような蔵が多いようですね。

蔵の建物は火事で焼けない構造になっているので、排水溝がないそうです。ですからタンクの掃除はホースからの垂れ流しでは出来ないので、タンクからの水を受けるものを用意して、手で水をまきながら洗うそうです。大変な作業ですね。

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この蔵では泡あり酵母を使っているようで、泡消しの小型の撹拌機をつけていました。泡ありは管理が大変なので、やめるところが多い中、昔からの泡ありにこだわっているようです。

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仕込みは1週間に2-3回仕込みのようで、1週間に何本やるかを決めて仕込んでいるようです。

最後に絞りのところに行きましたが、僕らが行く前の日にたまたま山田錦の35%精米の出品酒用大吟醸の袋刷りが終わったばかりで、搾りたてのこの酒を飲ませていただきました

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写真の白いタンクが袋絞りしているのタンクで、絞ったものが手前のステンレスの受けタンクにたまっている状態でした。

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タンクの中の写真を撮りましたが、確かに袋が首つりのように約30本並んでいました。この後これは袋からだして、薮田で絞るそうです

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雅彦さんがそのお酒を酌んでいるところです。鑑評会用のお酒です。飲んでみると思わずそのうまさに思わずにっこりする味でした。

Dsc_0161_2その他色々なお酒を試飲しましたが、僕は今年の新酒の純米吟醸 朝日川 米寿を購入しました。美山錦50%精米です。

新酒の割にはさらっとして飲みやすいけど、ちょっと後味が辛いので、もうちょっと甘みを出して、バランスさせてほしいような気がしました。

この蔵は色々な銘柄のお酒を出していますが、主に首都圏向けの特約酒販店向けの山吹極(やまぶき)が人気のようです。山形県のお米を使ったお酒で、無ろ過生の純米酒を基本としているそうです。

特約酒販店向けのお酒ですが、地元の人で蔵まで買いに来た人は売ってあげるそうです。

これで蔵見学の紹介は終わりますが、この蔵は昔ながら道具を使った、昔ながらのやり方で酒造りをしている蔵だと思います。それだけに蔵人は大変だろうと思いますが、何と言っても美味しいお酒を作るの喜びがあるからやっているものと思います。ぜひこれからもますます美味しいお酒を作るよう頑張ってください。

この日の夜は蔵の隣にあるお店でお食事をしました。浅黄医院の隣の蔵の奥に熊の茶屋というお店があります。浅黄医院は親戚なのですがもう廃業されているようです。

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お店の中の写真をちょっとお見せします。

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とても趣のあるお店ですが、予約だけでやっているお店のようでした。この写真は石踊さんからお借りしました。

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