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2013年3月10日 (日)

ゆきの美人は小さな蔵の見本になるかも

今年もWE LOVE SAKEの秋田ツアーに参加して、最初に訪れた秋田の蔵はゆきの美人の秋田醸造です。この蔵への訪問はこれで2回目です。前回来たのは2年前の同じころの同じツアーで、新政に訪問した後、個人的に訪れた時のことです

このときの蔵の様子は下記のブログをご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-ebd8.html

この蔵は秋田市の中心部にある蔵で、なんとマンションの1階にあります。外から見ると蔵の入口は見えないし、当然煙突もありません。始めてきた人は驚くでしょうね

Dsc00174

この写真の右上にマンションらしき建物が見えますが、そのマンションに1階に蔵があるのです。蔵の入口はここだけです。社長兼杜氏の小林忠彦さんが迎えてくれました。小林さんは中央大学の精密工学科出身の技術屋です。お酒の造りもその片鱗が見えるような気がします。

Dsc001891

この蔵の特徴は蔵の広さが200坪しかないことです。この中で現在300石(1升瓶で約3万本)のお酒を造っています。ですから如何に合理的に酒造りをするかがポイントになります。今回はその点に注目して、前のブログと余り重複しないように書いてみたいと思います。

最初にこの蔵のハード的な特徴をご紹介しましょう

・ ここでは仕込み水は取れないので、車で1時間くらいかかるところまで毎日ローリーで取りに行っているそうで、仕込み水は1200L入るタンクに貯蔵しているようです

・ 蔵全体が24時間空調可能で、やろうと思えば四季醸造が可能です。

ここの酒造りを語る前にここで使っているお米を説明します。秋田県の酒米としては秋田さけこまちが主体で、次は美山錦、美郷錦、吟の精を使っています。秋田酒こまちは蛋白質が少なく、余り精米しなくてもきれいな味が出せるけど、逆に味を出しにくいお米だそうです

酒米については良く研究をしておられるようで、秋田酒こまちは麹米に使うと少ない蛋白質を食べようとして蛋白分解酵素をたくさん出すので、全量秋田酒こまちにすると、アミノ酸の多いべたっとしたお酒になるのに対して、山田錦は菌にとって食べやすい蛋白質なので、蛋白分解酵素を余り出さないので、秋田酒こまちの掛米の良さが出て奇麗な味になるそうです。

したがって秋田酒こまちは麹米としては使わないで、山田錦か愛山を麹米に使っているそうです。今年から雄町を麹米としたお酒を造ったそうです。どんなお酒になるのか楽しみですね・・・・・

秋田県では通常2日に1本仕込む半仕舞が多く、大きな蔵では毎日仕込む日仕舞もやられているようです。仮に仕込み日数を30日にすると、タンクを上手く利用するためには、日仕舞のときは仕込みタンクが30個以上必要となり、半仕舞のときは15本以上必要となります。そのためには広い場所が必要となると同時に、洗米、蒸、麹室、酒母室等すべての酒造りの設備を大きくしないと出来ないと言うわけです

この蔵は1週間に1回仕込みをしていますので、仕込みタンクは5個あれば回転することになります。しかも仕込みタンクはすべて800kg仕込みなので、酒造りに必要は設備が小型になるわけです。

<手洗い・浸漬について>

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左の布がかぶっている円筒状のものが甑上部で奥の設備が蒸米の放冷機です。その手前の広場が実は洗米するところです。

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手洗いはすべて10kg単位のザルによる手洗いで、浸漬は時間管理によるによる限定吸水管理で行っています。一番多い時で1日300kgぐらいの生産だそうです。この場所は部屋を冷却できるので、蒸したお米の冷却場としても使っているだけでなく、瓶燗火入れも行う場所となっているそうです。

手洗い吸水をするのは水の温度によって浸漬時間が大幅に変わるから機械浸漬では難しいからだそうです。たとえば55%精米の雄町の場合冬場では浸漬時間は13分ですが、夏場から秋にかけては水温が20度になるので、このときは3分半くらいで良いそうです。これは気を使いますね。・・・・

<麹について>

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この日は室には入れないで、外からの写真だけでしたが、麹米を広げる床と、麹蓋の置き場からできていますが、全部杉壁の大変きれいな部屋でした。

種麹はほとんど秋田今野のブレンドを使っているそうで、約50時間くらいで麹を造るそうです。仕込みには初添え、仲添え、留添え用の麹が必要になりますが、この蔵では麹は造り置きするのだそうです。つまり色々な種類の麹を製造したら冷凍保存をして、必要な時に取り出して使うのです。冷凍しても全く効能は変わらないどころか、もろみの温度を下げる冷媒として役に立つそうで、蒸米も6度まで冷やして使うそうです。

<酒母について>

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酒母タンクは300Lくらいのものが5-6本ほどありましたが、酒母を造るには約2週間かかるので、1週間に1本の仕込みには最低2個が必要となるはずで、酒母室としては十分能力がありそうです。必要量は800kg仕込みには45kg、品評会用には24kg使うそうですが、品評会用は10kgの酒母を何本も造って最も良いものを組み合わせて使うそうで、それを考えるとこのくらいのタンクがいるのかもしれません。

<仕込みについて>

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仕込みタンクは9本あるようですが1本は水タンクとして使っているので、実質8本を使いまわしているようです。醪日数の長い大吟醸を入れても少し余裕があるようですね。搾ったお酒を貯蔵するタンクは3本だけで、出来るだけ貯蔵期間を短くして回転させているようです。火入れは10日以内にするように努力しているそうです

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ここが仕込みタンクの作業フロアです。すべて密閉型のサーマルタンクです。酵母はすべて協会酵母1401の泡なし酵母です。泡あり酵母を使うと1トン仕込みに出来るそうですが、それに対応する麹造りが対応できないのと、泡が出ると使いにくいので使わないそうです。通常の仕込み日数は32日だそうです。

<火入れ・瓶詰め>

搾ったお酒は4℃のタンクで1週間から10日間熟成させてから、瓶詰して瓶燗火入れするそうです。瓶詰めの機械は下記に示すびん太君を使っているそうです

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タンクから直接この瓶詰め機で瓶詰するので、空気に触れない特徴があります。ですから酸化による傷みがないので、手間はかかるけれども使っているそうすが、完全に手作業なので1本のタンクの酒を瓶詰して火入れすると3日はかかるようです。

ですからこの蔵は火入れしたお酒を貯蔵するタンクはありません。すべて瓶貯蔵になり、冷蔵の利いた部屋に山高くP箱が積まれていました。早く造ったお酒はどうしても奥の方になってしまうので、冷おろしとか熟成酒は早く醸造するように計画しています。貯蔵庫内の酒の取りだし順序まで考えて酒造りをするとは思いませんでした。

以上がこの蔵でやっている酒造りですが、現在は従業員3名、アルバイト3名体制で行っていて、300石としては特に少ないわけではないけど、杜氏以外は土日も休暇を取れるような分担ができるようです。

現在は1年中酒造りする状態にはなっていませんが、お米の確保やより多くの貯蔵がができるようにすれば、年間通して酒造りをする四季醸造ができますので、狭い場所でも良いお酒を定常的に造れることになります。これからの酒造りの一つの解であるかもしれません。大切なことは良い質のお酒を年間を通して製造できる技術があることが前提ですね

以上で蔵の紹介は終わります。

その日の夜は秋田の居酒屋蘇州で打ち上げましたが、夜遅くなって小林社長が思いがけなく乱入されて盛り上がりました

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この会は女性が多くてお酒が強い人ばかり。小林社長もにっこりですね

最後に小林社長にゆきの美人の名前はどうして付けたのかと聞いたら、そのことは聞くなと言われてしまいました。そう言われると余計に聞きたくなりますよね。誰か知っている人いますか。いましたらこっそり教えてください。

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