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2011年2月23日 (水)

最近の注目蔵 新政酒造訪問 

毎年2月の連休の時期は鶴岡市の大山・新酒・酒蔵祭りがおこなわれますが、今まではこれに合わせて竹の露の相沢さんに色々な企画をしていただいておりましたが、今年も連休の最後に日に竹の露と栄光富士を見学することになりました。

この企画には必ず京都のWE LOVE SAKE 京都支部のメンバーが協力してきていますが、今年は大山新酒・酒祭りには参加しないで、秋田の蔵を見学してからバスで鶴岡に入り、蔵見学をするいうとてつもない企画を計画していました。

2月の連休といえば真冬の雪の多い時期なのに、こんな企画をして大雪になって飛行機や電車が止まったら大変なことになるのは承知の上で企画されたものです。でも秋田の蔵を冬場にまとめて見学できる機会はめったにないことなので、天候はなんとかなることを期待して、参加しました。

この連休の1週間前の天気予報では連休中に猛吹雪が来るとの予想でしたが、幸いに天気予報が外れて関東地方が珍しく雪になったものの、東北はそれほど荒れた天気になりませんでした。本当に良かったですね。

東京9時56分発のはやて13号で秋田駅につくのは14時の予定でしたが、雪のため秋田駅には25分ほど遅れて着きました。秋田新幹線は盛岡までは順調ですが、盛岡ー秋田間は単線の在来線を使うので、ちょっとでも雪が激しくなると大幅に遅れるようですね

田沢湖の駅ですれ違いのためにちょっと停車したときの写真をお見せしましょう。

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ちょうどすれ違う新幹線が見えますね。雪の中に線路がかろうじて見ることができます。雪が積もったら除雪をしないと動かなくなるのは良くわかります

飛行機組もほとんど遅れないで、秋田につきましたので、全員秋田駅のメトロポリタン前で合流できました。ごらんのようなバスに乗ってさっそく蔵見学です。このバスはIDEHA観光と書いてあるでしょう。なんと鶴岡市の観光バスです。鶴岡から呼び寄せたのですね。凄いものです。幹事ののぶりんさんご苦労様。

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総勢30名強の大部隊で蔵見学です。最初は市内に蔵がある新政酒造です。いざ出発!!

蔵は秋田市の大町にあり、バスで10分ほどで到着しました。下の写真が蔵の入口です。外見は蔵というよりは事務所といった感じですね。

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この辺りは旭川のほとりだったので、米や材木の集約地点として栄え、多くの蔵が立ち並んでいたそうですが、今では新政酒造くらいしか名残がないそうです。この写真ではわからないですが、蔵はこの建物の裏に在って、6つの蔵の集合体でできているそうです。

当蔵は創業160年の老舗蔵ですが初代の佐藤卯兵衛のときに西郷隆盛が使っていた「新政厚徳(しんせいこうとく)」の名前をいただいたのですが、その後4代目の佐藤佐吉のときに「新政(あらまさ)」としたそうです。そしてその息子の五代目佐藤卯三郎のときに全国から新技術の導入を図り、酒質の向上させて、数々の賞を取るなど、酒造りの絶頂期を迎えたそうです。蔵つき酵母の協会6号酵母が発見されたのもこの時代のことです。ですから協会6号酵母は新政酵母とも言われています

第2次世界大戦の末期に秋田の酒蔵合併が行われ、秋田酒類製造会社となったようですが、昭和27年に6代目のときに佐藤家の単独営業に復帰して現在に至っています

現在は7代目が当主ですが、その息子の佐藤祐輔が蔵に蔵に戻ってきたのが平成19年で、つい最近のことですが、そこからこの蔵は大きく変革が始まったといえます。今まで準大手の蔵としてきた新政酒造を劇的にその醸造方針を買えたのです。具体的には以下のようなことが言えると思います。

・ 冬季の一括製造を廃止して、暖かい時期でも製造できる設備改善をした。現在は5月まで仕込みをして6月の絞りを最後としている

・ 全国から蔵人を集めて、若手中心の社員醸造とした。現在は社員は9名です。正社員の週休二日体制としているので、実質7名の作業体制です

・ 仕込み量を小さくして醸造期間を長くとることにより細やかな酒造りを可能とした

・ 酵母を6号酵母に統一した。

・ 平成22年度から原料米を秋田県産の米と酒造好適米に限った。(従来の山田錦や雄町は今年から使用していない)

・ 特定名称酒はすべて純米酒としたので、本醸造は造りをやめた。

さっそく説明していただいた佐藤祐輔専務を紹介します

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佐藤祐輔さんは蔵元としては珍しい東京大学出身の人ですが、そんな風には見えず、写真のように普通の若い蔵人という感じですが、お話は凄くわかりやすく、気負いがなく、大きな変革も強調せずにすらっとお話しするとところが、凄いですね。蔵が抱える本質的な問題を抜本から変えようという気持ちが伝わってきます。今回は蔵の説明というよりは、説明を通して祐輔さんの思いをお伝えしたいと思います。

造りの順番に行きます。

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まずはお米ですが、翌日洗米される精米されたお米がこんなように積まれています。袋は通気性の良い袋に入っています。去年までは兵庫県産の山田錦など他県から購入しているお米もありましたが、今年からは秋田県産の酒造好適米だけにしたそうです去年の秋田県ではお米の造りが大変だったことから、サポートする意味で秋田県産米に切り替えたと言っていましたが、それだけではなく酒造りの地産地消を狙っているものと思います。扱っているお米の説明はありませんでしたが、美郷錦、美山錦、あきた酒こまち、秋の精、改良信交でしょうか・・・

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洗米機は2種類あって、大量に洗米するときは左の機械で、少量づつ計量して洗米するときは右の機械を使うそうです。その後に浸漬して水分を調整した後、甑で蒸されます。

これがその甑です。すごく大きいでしょう

出荷量が今より多かった時のものですが、、甑は大きい方がいいのだそうです。少量のときでも大量の蒸気で蒸す方が均一に仕上がっていいそうです。なるほどそんなものかもしれません。最大1.3トン蒸せるそうです。

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蒸したお米は麹造りのためには、熱いまま掘り起こして担いで室に持っていきますが、麹造り以外に使う蒸米は6度まで冷さねければいけないので、次に放冷機で冷やします。

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左の写真が放冷機です。その中央にダクトがつながっていますね。それを大きくしたのが右の写真です。これは瓶貯蔵をしている冷凍庫用の冷気をここに持ってきているそうです。通常の放冷機は外気プラス2度ぐらいにしか冷えないので、気候が暖かくなると6度まで冷えません。そのために気温が高い時でも冷やすことができるように、ー2度の冷気を使うそうです。放冷機を使う時ぐらい冷蔵庫に冷気を送らなくても時間が短いので、影響はないそうです。確かにそうですね…・

次は麹室ですが、さすがに今のシーズン中には入れていただけませんでした。

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左の写真が麹室の入口です。外も中も杉の木でできています。右の写真はのぞき窓からのぞいた室の写真ですが、手前に円筒型の大きな機械が見えますが、お米をばらばらにかき回す機械で普通酒の麹を造るときに使っているそうです。

麹室は5つの部屋からなっていて、見えてる部屋は前室で温度は34度で、奥の麹の育成のための部屋は36度から42度まで可変できる部屋になっているそうです。

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次は酒母室です。左の写真が酒母室の入口で、右の写真が酒母室の内部です。この部屋も完全冷蔵庫になってとれもきれいな部屋になっていました。本当は酒母室は冷蔵の必要がないので、今は冷房していないそうです酒母は酵母を育てる役割を持つもので、ものすごく甘くてアミノ酸が多くコクのあるので、飲むにはきつい酒だそうです

昔は蔵つき酵母を使ってお酒を造っていたのですが、目的の酵母以外の酵母が繁殖すると酢になったり、ヨーグルトのようなってしまって、売れないお酒になることが多かったので、国の醸造試験所が中心になって良い蔵つき酵母を全国の蔵で使用してもらうために、良いお酒造りの実績がある蔵から、蔵に住み着いている酵母の抽出を行って、色々な協会酵母が生まれたのです。第一号が灘の桜正宗の酵母、次が伏見、次が広島の蔵と順々に来て、6番目に抽出されたのが秋田の新政酵母です。

この蔵も色々な酵母を使用したお酒造りを行ったのですが、お酒の味は酵母以外にいろいろな条件で変わってくるので、そのための勉強をするためには酵母は統一させた方がわかりやすいということで、6号酵母だけを使用することにしたそうです

6号酵母の酒は香りが穏やかで、味はまろやかで押しつけがましくないので良いのですが、酸が弱いのが弱点でした。酸の弱いところは酒母の使い方を変えることにより対応することにより、さわやかな酸味を出すなど、色々な工夫をしているそうです。普通の蔵より酸度は高いかもしれないとのことでした。

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酒母室の手前が出品酒用の仕込み部屋で、温度を一定にするために冷蔵庫仕様になっているそうです。写真に写っているタンクは全国新酒新酒鑑評会用の出品酒用のもろみのタンクだそうです。この蔵のすごいのは杜氏と、副杜氏と佐藤祐輔の3人がお互いに口を出さないで、勝手に出品酒用の仕込みを行い、県の春の鑑評会に出品して成績の良かったものを全国新酒鑑評会用に出すそうです完全に競争の世界を自社のお酒造りの世界に持ち込んでいることです右のタンクが副杜氏のタンクで、手前のタンクが祐輔さんのタンクだそうです。その中でも祐輔さんは遊び心があって、一つのもろみを二つのタンクに分けて違う造りで仕込んでいるそうです。

ちなみに杜氏が酒こまち、副杜氏が美郷錦、祐輔さんが美山錦です。今年は誰のお酒が出品酒になるか楽しみですね。

次が仕込み蔵です。

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仕込み用のタンクはすべてサーマルタンクで大きくても7600Lだそうです。作業用の通路が真新しく造られていました。サーマルタンクに徹底している蔵が増えてきましたね。この部屋に杜氏の出品酒用タンクがありました。冷媒は3度の冷水です

次が醸熱蔵で高級酒の仕込みと貯蔵を兼ねている蔵ですここが6号酵母を採取した蔵だそうです。

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この部屋のタンクは冷却方法が違っていて、-20度のガスで冷却しています。この方法だとー10度くらいまで冷やせるので、生酒の貯蔵に適しているそうです。。生酒の場合はー8度以下にしないと香が変わってくるとのことでした。ただ全く熟成は進まないので、ある程度熟成を楽しむためにはもっと温度が高い方がいいそうです。

皆さん生酒の管理には気をつけましょう。我が家では3度くらいで貯蔵しているので、長く貯蔵はしないで、1年以内に飲まないといけないのかもしてません。5度以上の貯蔵はもってのほかと言わざるを得ないでしょう。

仕込みタンクとしては冷えすぎる可能性があるので、嫌う杜氏もいましたが、高級酒用仕込みとしても使用されています。

最後に搾りを見ました。ここでも発見がありました。

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薮田式の搾り機があり、暖かい時期でも搾るために冷蔵庫に設置してありました。冷蔵庫の中に搾り機を置く蔵はだんだん多くなってきています。さらにカビの発生を防ぐために除湿機や殺菌用のオゾン発生器がありました。右の写真がTECO製のオゾン発生器で、天井に設置してありました。随分細かいところに気を使っていますね。

現在の蔵の生産高は3200石ですが、普通酒が45~50%を占めています。普通酒は消費がドンドン落ちているそうですが、その分特定名称酒の種類が増えているのでしょう。特定名称酒はすべて純米酒だけにしていますので、今年から本醸造は造っていないそうです。もちろん出品酒も純米酒です。今は出品酒は大吟醸酒がほとんどですが、次第に純米大吟醸酒に移行するものと思うと言っていた祐輔さんの自信は大したものです。

これで蔵の設備の紹介は終わりますが、この蔵は古いものと新しものとの融合が素晴らしいですね。建物は古い蔵をそのまま利用しつつ、技術的に必要なものはどんどんとりいれて新鋭化させているそのバランスが良いですね。

蔵見学の最後に平成23年の立春朝絞り純米吟醸の限定販売に出合いました。これは全国で一斉に2月4日に搾ったお酒をすぐに出荷するもので、蔵としては大変手のかかる企画だそうです。税込みで1500円で販売していました。ラッキー・・・・直ぐ購入しました。

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最後に最近の祐輔さんの活動について触れておきます

この蔵の特徴は今や佐藤祐輔さんが仕掛けていることが多いと思います。先ほど今年の出品酒の造りの競争もそうですが、3月から5月にかけて流派対決2011in新政が行われますが、これも山内流の杜氏の鈴木隆さんが造る特別純米と、能登流の副杜氏の古関弘さんが造る純米酒と蔵元流の佐藤祐輔さんが造る純米吟醸酒を流派対決として造ったお酒を販売する特別限定領布会も祐輔さんが企画したものでしょう。

このように蔵になかでの技量を高めるための競争を仕掛けるばかりでなく、秋田の5つの蔵が協力して一つのお酒を造る企画を実行しました。その5つの蔵とは春霞、一白水成、白瀑、雪の美人新政の5つの蔵で、いずれも経営者が造りをやる蔵です。それぞれが仕込み水、蒸米、麹、酒母、もろみと分担して一つのお酒を造るのです。

今まで日本でこんなことをやったことは聞いたことがないですね。この作業は新政の蔵で行われました。仕込み水は専用のローリーで春霞から運び、後は新政の蔵に皆が泊まり込んで造ったのです。他の蔵の仕事を目の当たりに見ることはお互いに大変勉強になったということです。これはお互いの技術アップを図れるだけではなく、秋田の酒造りの発展に大いに役立つものと思われます。

こうして造られたお酒はNEXT5という名で販売されあっという間に完売したそうです。興味のある方は下記のURLをご覧ください。

http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-a162.html

祐輔さんの活動のおかげてこれからの秋田の酒造りの未来がとても期待されるような気がしてきます。佐藤祐輔さん これからの多いにチャレンジをして新しい酒造りを実現してください。期待しています。

ありがとうございました。

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コメント

生酒はすぐに飲んじゃうのがいいのですね。

新政の蔵見学とはうらやましい
 施設を見るとやっぱり大きな蔵元なんですね。
 でも、ほんとうに祐輔さんがんばっていますよね
 これからも注目の蔵ですeye

ととさん お久しぶりです。

新政は昔は今の7倍の生産量があったようです。今でも特定名称酒だけで2000石弱の生産がある計算されるので、それを考えると凄いことです。

祐輔さんは3月2日の秋田の会に参加されるようです。

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