Googleカスタム検索

私の好きな日本酒ブログ

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Qchanpapa

  • 日本酒
無料ブログはココログ

« 第12回珠酒讃々 地酒を楽しむ会 | トップページ | 上喜元 酒田酒造訪問 »

2010年7月 9日 (金)

雪の茅舎 齋彌酒造訪問

7月3日の土曜日に池袋の酒菜家のメンバー4人で、秋田県の雪の茅舎 齋彌酒造を訪問しました。齋彌酒造は由利本荘市にあるので、東京駅から秋田新幹線で秋田経由羽後本荘に向かいましたが、そこでチョンボが起きたのです。東京駅8:28発のこまち7号に乗ったのですが、この電車は全車指定席で、自由席がなく、前の日には満席だったので、4人全員通路で座っていくことになったのです。秋田まで約4時間は結構つらいものがありました。秋田新幹線に乗るときは気をつけた方が良いですよ

それからは羽越本線で約1時間、羽後本荘に13;25にやっと着きました。そこからはタクシーと思っていたのですが、何と佐藤部長が車で迎えに来ていただいたのです。感謝感謝・・・

Img_1497Img_1498

齊彌酒造は羽後本荘駅から北東のほうに行った石脇地区にあって、車で10分くらいのところにありました。下の写真が蔵の写真です。

Img_1542Img_1500

左の写真が蔵の玄関の建物で、中央に西洋館のような2階を持ち、創立された時はモダンな建物だったに違いありません。右の写真は立派な松が植えられている庭園です。昔からの伝統を感じる建物ですが、実は11棟からなっているそうで現在、有形文化財に指定されているそうです。それは大変なことですね・・・・・

Img_1537_2

Img_1503_2

玄関を入るとすぐ見えるのが茶色の大きな文字のついた暖簾です角太(かくた)と書いてあるそうで、この地区は齊藤の名字が多いので、角太という屋号をつけて、屋号で呼びあったそうです。

その右側が広いお座敷になっており、昔ながらの丸いテーブルのあるお座敷に通されて、お茶をいただきました。とても素敵な雰囲気ですね。そのお座敷の奥に外から見えたあの庭園がありました。

Img_1502

座敷の奥に廊下があって、その奥がお庭になっています。立派な松がたくさん植えられていて、きれいに管理されていました。これだけでも大変なことです。

ちょっとおもしろいものをお見せします。下の写真は事務所の入り口です。蔵そのものを使っているので、とても事務所の入口には見えません。でも酒林が見えますよね。きれいにカットされています。

Img_1535

Img_1545

右の酒林はぼさぼさです。これが玄関に飾られている大きなものですが、高橋杜氏が自らが造ったものです。

カットしなくても結構丸くなっているので、そのまま飾られていますが、杜氏の作でなかったら、カットしたかもという声が聞こえました。確かにそれは言えます。いけない・・・・

それでは蔵の中を紹介していきたいと思いますが、ご存知のようにこの蔵は新山を背にした所に位置していますので、蔵全体が傾斜地に造られていて奥に行くと高くなっていきます。高低差は6mあるそうです。それでこの蔵を東京農大の小泉武夫先生がのぼり蔵と名付けたそうです。雪の茅舎のホームページにわかりやすい図がありましたので、お見せします。

Img4201

大変贅沢なことですが、齊藤社長と佐藤部長のおふたりでご案内いただきました。この蔵には高橋杜氏がいらっしゃいますが、夏の時期はお米作りに忙しく、蔵にはおられないそうです。それでは酒の造りの流れに応じてご紹介します。

Img_1530

Img_1528

一番高いところのあるのが精米機です。左が精米機のある建物で、右が精米機です。酒米は52%が地元米ですべて秋田酒こまちだそうです。 秋田酒こまちは秋田農業試験所で開発された一番新しい米で、色々な米を取り扱うのではなくこのコメを完全に使いこなすつもりで取り組んでいるそうです

そのほかの米は山田錦と愛山と本荘以外の秋田の米だそうですが、精米は100%自社精米だそうです。自家精米は資金もかかるし、人手もかかるので、大変ですが、品質管理上大切なこととして、昔から手掛けているそうです。でも昔は精米が手動だったので、大変だったけど、今では24時間運転の完全自動なので、大変楽になったとのことでした。

次の工程に入る前に蔵の特徴をいくつか説明しておいた方が良いと思います。

1.日本で最初に(8年前)オーガニック清酒の認定と取った蔵ということ。オーガニックとは化学肥料を使わないで造った有機米(JAS法で定められている)を使って酒を造るだけでなく、酒を作る過程においても、使用機器、管理スペース、管理方法などを詳細なチェックし、化学薬品成分が入ってこない管理をしていることが認定の対象となっています。

2.三無い造りをしていること櫂をいれないこと。ろ過をしないこと。加水しないこと。 これは長年の経験を通して、この蔵で実施していることですが、どうしてそんなことができるのか判れば面白いですよね。

Img_1505

Img_1507左の写真は仕込み水です。裏の新山からの伏流水で砂地の中から湧出てきている水を使っているそうです。軟水ではなく中硬水だそうです。大変豊富に出てくるので、仕込み水だけでなく色々な用途に使っています。

右の写真は甑を載せる窯だと思います。今は夏場で使用していないので、冬場に来てみないと甑の使い方とか、甑に入れる前の洗米の状態も見えませんので、是非冬場に訪れたいです。蒸しあがったお米はこの窯の前で広げて冷却するそうですが、この蔵ではこの段階で麹菌を散布するようで、これもこの蔵独特の方法で、室で行うとどうしても人が吸い込んでしまうので、健康管理上そのようにしているとのことでした

Img_1512

Img_1510次はいよいよ麹室です。左写真は室の中に置かれた床です。前段で麹菌を散布した蒸米がこの床の上に積まれて、手でよくかき混ぜる床もみを行うところです

室の壁はすべて杉の木でできていて、ぴかぴかに磨かれています。杉の木は室内の乾湿の温度差を十分にとつのに役立っているそうです。きっと杉が湿分を吸収したり吐き出したりしているのでしょう。香りもとても素敵でした。

その隣はハクヨーの吟醸用製麹装置です。床もみが終わると麹同士が互いにくっつくのでこれを手で崩してよく混ぜる切り返しをした後、通常は箱に移してじっくり麹を育てていくわけですが、この蔵ではそれをすべてこの製麹装置で行っているそうです。ちょっと前までは大吟醸は小箱でやっていたけど、今年からすべての麹作りをこの装置を使っているそうです。ですから夜の管理は楽になったけど、昼間は仕事量が増えて忙しくなるそうですが、櫂を入れないことによる人を有効に使うことで3人で乗り切っているそうです。しかもこの装置の導入はハクヨーの3号機だそうですから、早々と導入したわけでして、導入する見極めとこれを使いこなす努力は大変なものです

それから通常麹室は夏場はホルマリン滅菌する蔵が多いそうですが、この蔵は一切滅菌はしないそうです。滅菌したらすみついている山廃の菌まで殺すことになるので、昔からやっていないそうです。その代わり掃除は毎日徹底してやるそうで、だからオーガニックの認定も簡単に取れたのですね。

Img_1525

Img_1526左の部屋が酵母を培養する部屋で、奥に酵母の培養装置が並んでします。まるで化学分析室ですね。手前の机が杜氏が座る机ですが、杜氏の似顔絵が貼ってあったり、お子様の写真が壁に貼ってあって和やかな雰囲気を醸し出していました。杜氏の人が人柄が判る感じです。

この蔵のすごいところは酵母菌を常時11種類持っていて、毎年これを改良させながら、最新の酵母を使っていることでしょう。右の写真は酵母菌を保管しているー85度の冷凍庫です。菌をこれから取り出して、3日で培養すれば酒母用に使える菌が取れるそうです。

長年時間をかけてこの蔵に適した菌を確保できていることがこの蔵の強みであり、櫂入れをしないで済むのは、このような元気な酵母を持っているせいかもしれません

Img_1513_2

Img_1514_2

いよいよ酒母室です。この蔵では山廃用の酒母室と速醸用の酒母室は別部屋になっていますが、同じメンバーが担当しています。

左の写真が山廃用の酒母室ですが、特に変わったことはありませんが、土蔵の1階にあるので、クーラーがなくても20度を維持していました。山廃の酒母は約1カ月かけてゆっくり造っていきます。暖気樽を使って人の手で丁寧に温度管理をしてるそうです。山廃の生産量は全体の40%もあるので、フル回転してもシーズンで3回転しか造れないそうで、生産量としては今のところ限界だそうです。。ここでしっかりとした酒母を作っていることがよくわかりました。

この酒母室で珍しいものを発見しました。これが右の写真です。大吟醸の古酒が箱に詰められれ置かれていました。一番左上の箱には17-6-4と書いてあるので17年もので、11本入っているらしいのです。13年物もありましたね。どうしてここにあるのでしょうね。いつの間にか無くならないのでしょうか。

Img_1517_2

Img_1515_2

左の写真が2階の速醸用酒母室です。ここには酒母を管理する担当者の机がありました。蔵の中にこのような担当者の机を置くことはとても珍しいことです。この辺にも蔵人に対する思いやりを感じました。

酒母室の隣は仕込み蔵でした。右の写真がそれです。フロアがピカピカです。いつも手磨きをして掃除していることがよくわかります。中央の格子はタンクの口の真上に置かれており、人が落ちないような安全対策と思われます。櫂入れを行わないので、このような格子があっても全く問題ないのでしょう。

中央の列が精選用の密閉タンクで、両サイドに比較的小ぶりの開放タンクがずらりと並んでいます。

Img_1519_2

Img_1521_4

左の写真のように開放タンクの上も安全対策がきちっとされています

ちょっとおもしろいものを見つけました。右の写真のサーマルタンクですが、このタンクは仕込み用ではなく仕込み水の貯蔵タンクとして使われていましたサーマルタンクは仕込み用には向かないと判断したからだそうです。理由はよくわかりませんが櫂入れをしないことと関係があるのではと想像しました。

Img_1520_3

Img_1533_3

右の写真は吟醸の仕込みタンクですべてステンレス製の小型のタンクです。きれいですね。写真がぼけていてすみません。

搾りは2台のやぶたで行っているそうで、大吟醸のみ袋搾りをするけど、最後にはやぶたにかけて搾りきるそうです。

最後にこの蔵らしいものを見つけました。それが右の写真です。なにか器具を水洗いするところのようですが、オーガニック用と、一般用と別れていましたが、どう使い分けしているのか聞き忘れました。

最後に見学したのが瓶詰工程です。

Img_1544_2

Img_1543_3

左の写真が瓶の洗浄検査から瓶詰めのラインで、その奥にあるのが右の写真のパストライザー(瓶の加温火入れと冷却装置)です

そのほか瓶の貯蔵庫は15度と10度の倉庫があり、普通酒も含めてすべて冷蔵保管してるとのことでした。完璧ですね。

以上が蔵見学をした内容ですが、2時間以上にわたって丁寧に説明いただいた、齊藤社長と佐藤部長にあらためてお礼を申し上げます。今度はぜひ冬場におじゃましたいと考えています。

総じてこの蔵に感じたことは、今まで培ってきた経験に裏付けされた技術を守りながら、良い技術は早くとりいれ合理化を図る一方、蔵の基本である清潔さの維持、安全への気配り、業員への教育、フォローが徹底された、伝統と新しさが融合した蔵のように思えました

雪の茅舎は恐るべしといった感じでした。感動しました。すごい・・・・

最後に蔵で試飲したのでそれについてちょっと触れておきます。

Img_1546

左から山廃純米酒、秘伝山廃、大吟醸、純米大吟醸です。

山廃純米酒は精米度65%で旨みがありながらきれいなお酒で、食中酒としてお燗にも合うお酒です。お燗なら41度が良いそうです。価格は1升2415円です。

秘伝山廃は精米度55%の純米吟醸です。山廃の中では最高級のレベルで、口に含んだ時の余韻が綺麗なお酒です。お燗するなら38度が良いそうです。価格は3570円です。

大吟醸は45%精米です。蔵で18カ月寝かせた大吟醸でますますきれいさが出てきた感じです。価格は5145円です

純米大吟醸は同じく45%ですが、今までのお酒とちょっとバランスが違うお酒でした。でもお酒だけ飲んでいてもおいしいお酒です。価格は7350円です。

Img_1548_2

左が普通酒の由利正宗です。地元だけで売られているので東京ではほとんど飲めません。精米度は68%ですが、35%のアルコール添加がされていますが、フラットで飲みやすく、辛みもないのでスイスイ飲めます1升1690円だそうです。

右のお酒が本醸造の奥伝山廃ですが、山廃らしい酸味もあり、コクがあってキレもあるとてもバランスの良いお酒です。この写真のような300mlの角瓶しか造っておらず、価格は418円だそうです。これなら1升瓶を造って出してもらいたいな。今回一押しのお酒かもしれません。

実は7月15日より東武デパートの地下で雪の茅舎の販売会が行われるそうなので、行ってみてください。何か飲めるかもしれませんよ。

にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ ←ここクリックしてね  ご覧になったら、このマークをクリックお願いします。クリックすることによりブログ村のホームページに戻ると同時に僕の点数が上がることになりますので、よろしくお願いします。

« 第12回珠酒讃々 地酒を楽しむ会 | トップページ | 上喜元 酒田酒造訪問 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185718/48824160

この記事へのトラックバック一覧です: 雪の茅舎 齋彌酒造訪問:

« 第12回珠酒讃々 地酒を楽しむ会 | トップページ | 上喜元 酒田酒造訪問 »